あけぼの、北斗星、なは、北陸……。かつてはブルートレインの愛称で親しまれた寝台列車が日本各地を繋いでいましたが、そのほとんどが廃止。現在定期運行している寝台列車はサンライズ瀬戸・出雲だけです。
しかし寝台列車の旅そのものを楽しむクルーズトレインとして、TWILIGHT EXPRESS 瑞風、カシオペア紀行などが登場!乗車のチャンスはまだまだあります。
今回は寝台列車の運行時刻や料金、きっぷの購入方法などをご紹介します。
提供元:写真AC
https://www.photo-ac.com/JRが定期運行している寝台列車は東京と四国を結ぶ「サンライズ瀬戸」と、東京と山陰地方を結ぶ「サンライズ出雲」だけ。「サンライズ瀬戸・出雲」とまとめて呼ばれることが多いのは、途中まで車両を連結して走行するためです。東京駅を出発する下りは岡山駅で切り離され、サンライズ瀬戸は瀬戸大橋を渡って四国へ、サンライズ出雲は伯備線に入り山陰へ向かいます。(上りも岡山駅で連結します)
14両編成で、下りは1〜7号車がサンライズ瀬戸、8〜14号車がサンライズ出雲。上りは逆になります。
サンライズ瀬戸は東京駅と高松駅、サンライズ出雲は東京駅と出雲市駅の区間を走行。2024年1月現在の時刻は以下の通りです。
【サンライズ瀬戸】
東京駅21:50出発→高松駅7:27到着
高松駅21:26出発→東京駅7:08到着
【サンライズ出雲】
東京駅21:50出発→出雲市駅9:58到着
出雲市駅18:55出発→東京駅7:08到着
途中、横浜駅や姫路駅などにも停車します。
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https://www.photo-ac.com/基本は1日1往復ですが、お盆や年末年始など繁忙期には臨時列車が運行されます。また、サンライズ瀬戸は終点の高松駅より先、こんぴらさんの最寄り駅として知られる琴平駅まで延長運転することも。運行日、時刻表などはJR各社の公式サイトをご確認ください。
車内の個室はA寝台とB寝台があり、グレードが高いのはA寝台です。
<A寝台>
・シングルデラックス
4号車と11号車の2階に6室ずつある、一人用の個室です。シングルベッド、デスク、洗面台が備わった最上クラスの寝台で、洗面用具やタオルなどのアメニティもついています。
<B寝台>
・サンライズツイン
4号車と11号車の1階に4室ずつある二人用の個室で、ベッドが2台あり、室内の広さが特徴。
・シングルツイン
室内に2段ベッドがあり、下のベッドはソファとしても使えます。定員は2名ですが、1名利用も可。
・シングル
最も部屋数が多い一人用の個室で、空いていれば1階と2階のどちらかにするか選べます。室内はベッドのみ、簡易的なテーブルも。
・ソロ
シングルよりも狭く天井も低い一人用の個室で、上記の中では一番格安。
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https://www.photo-ac.com/サンライズ瀬戸・出雲の寝台料金がかからない座席もあります。5、12号車の「ノビノビ座席」と呼ばれるシートで、個室ではなく大部屋といった雰囲気。車両を上下に区切り、さらに上段、下段のフロアを一人ずつのスペースに分けたもの。開放的なカプセルホテル、といった雰囲気です。なお隣との仕切りは、頭の部分を隠すちょっとした壁があります。
車両にはラウンジ、飲み物の自動販売機がありますが、車内販売はありません。シャワー室を使うには、車内の券売機で数量限定のシャワーカードを購入します。なお、シングルデラックスのみシャワーカードが1枚もらえて、シングルデラックス利用者だけの共用シャワー室を使えます。
寝台列車に乗るには、乗車券と寝台券、特急券を購入する必要があります。乗車券と特急券は乗車する区間の距離によって金額が異なり、寝台券は利用する寝台によって以下のように料金が設定されています。
<A寝台>
・シングルデラックス:13,980円
<B寝台>
・シングルツイン:9,600円
・サンライズツイン:7,700円
・シングル:7,700円
・ソロ:6,600円
※1名あたりの料金、おとなとこども同額
シングルツインを2人で利用する場合は、2人目は5,500円となります。
また、サンライズツインの利用は2名でも1名でも、おとな2名分の特急・寝台料金が必要です。
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https://www.photo-ac.com/東京駅から出雲市駅までサンライズ出雲に乗車する場合の料金を比べてみましょう。
<シングルデラックス>
乗車券:12,210円
寝台券:13,980円
特急券:3,300円
⇒合計:29,490円
<ノビノビ座席>
乗車券:12,210円
特急券:3,830円
⇒合計:16,040円
寝台券が不要なノビノビ座席であれば、かなり安く寝台列車に乗車することができますね!
サンライズ瀬戸・出雲は人気の列車なので、売り切れてしまうこともしばしば。特に数の少ないシングルデラックスやサンライズツインに乗りたいなら、早めの購入がおすすめです。
きっぷは駅の窓口、JR券の取り扱いのある旅行会社などで購入できます。きっぷの発売は利用日の1ヶ月前の午前10時。なるべく入手できる可能性を高くしたいのであれば、発売開始の10時ちょうどに窓口へ行くようにしましょう。
寝台券の発売日は始発駅の出発日が基準となるため、途中駅から乗車する場合で列車が前日の夜に始発駅を出発していたら、始発駅の出発日の1ヶ月前が発売日となります。
例:
静岡駅を1月20日の0:20に出発するサンライズ出雲は1月19日に東京駅を出発しているので、発売日は1ヶ月前の12月19日10時になります。
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https://www.photo-ac.com/なお、きっぷのネット予約ができるJR東日本の「えきねっと」(ノビノビ座席のみ)、JR西日本の「e5489」からも購入できます。
サンライズ瀬戸・出雲のきっぷとホテルや観光プランがセットになった旅行商品もあるので、手配に慣れていない方は選択肢に入れてもいいでしょう。こちらはツアー用に個室が確保されているので、1ヶ月前の10時よりも早く予約が可能です。
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https://www.photo-ac.com/寝台列車というと上野〜札幌間を結んでいたカシオペア、大阪〜札幌間を結んでいたトワイライトエクスプレスを思い出す方も多いのではないでしょうか。憧れの寝台列車として絶大な人気を誇っていました。
カシオペアの車両は新たに「カシオペア紀行」として生まれ変わり、トワイライトエクスプレスは「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が名称を受け継ぎ、どちらも団体用臨時列車として限られた日に運行。かつてのような移動手段としてではなく、鉄道旅行を楽しむ“クルーズトレイン”として活躍しています。
また、JR東日本が運行する「TRAIN SUITE 四季島」、JR九州の「ななつ星in九州」も大人気!
いずれもツアー専用列車のため、旅行会社で予約する必要があります。駅の窓口で個別にきっぷを購入することはできません。
新幹線や飛行機に乗ってしまえば、日本各地へあっという間に移動することができます。ただ、慌ただしい毎日の中で“移動時間をのんびり楽しむ”という贅沢な旅も、たまには良いのではないでしょうか?
夜に出発して朝到着すれば、たっぷり観光時間を確保できるのも寝台列車のよいところ。きっぷ代だけを見ると高い気がするものですが、移動費用にホテル代が含まれていると考えれば、実はお値打ちなんですよ。
サンライズ瀬戸に乗って四国旅、サンライズ出雲に乗って出雲大社参拝、今こそ寝台列車の旅を楽しみましょう!
本記事は寝台列車の概要を説明したもので、時刻、料金などは2024年1月現在のものです。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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