運河に囲まれた美しい街並み。どこまでも続く色とりどりのチューリップ畑。干拓地(ポルダー)から水を排出するための風車。そしてゴッホ、レンブラント、フェルメールなど多くの芸術家を生み出した国、オランダ。
そんな魅力あふれるオランダを満喫するにはいつ、どんな服装で行けばよいのでしょう。季節や目的ごとに紹介します。
オランダは暖流と偏西風の影響で、緯度が高いわりには温暖な気候(西岸海洋性気候)です。東京よりも概して気温は低く四季があり、最も寒いのは1月、最も暑いのは7月。
日々の天気は予想が難しく、年間を通じて、いつにわか雨が降ってもおかしくありません。雨具は必須です。
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https://www.photo-ac.com季節ごとのおおよその気温を見てみると……
春・秋(3〜5月・9〜11月):
3℃〜18℃。東京よりもかなり寒く、4月に入ってもまだまだひんやりする日があります。
夏(6〜8月):
13℃〜22℃。8月下旬には秋の気配が。しかし近年、温暖化の影響でヨーロッパをたびたび熱波が襲っており、6月から7月にかけて30℃を超えることもあります。
冬(12〜2月):
1℃〜7℃。雲が低く垂れこめ、カスミやモヤも出て湿っぽい日が続きます。北海に面する地域は暴風雨にも注意が必要です。緯度が高いので東京より日没が早く、夕方からはぐっと冷え込みます。
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https://www.photo-ac.comオランダのベストシーズンはズバリ、3月中旬〜9月。特に3〜5月は様々な花が咲き乱れる季節。チューリップ以外にもスイセン、ヒヤシンス、アネモネ、クロッカス、ユリなどの球根植物が咲き誇り、オランダ各地で色とりどりの花々を楽しめます。
日が長い時期は美術館の閉館時間も冬場より遅いので、余裕をもって鑑賞できます。屋外イベントも目白押しで、街歩きに最適のシーズンです。
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https://www.photo-ac.comチューリップの見ごろは3月下旬〜5月初旬。有名なキューケンホフ公園は毎年3月中旬〜5月中旬の2か月間のみの公開で、チューリップをはじめ色とりどりの花々、約700万株が地面を覆います。
この時期にはアムステルダム北方のホールン駅〜メーデンブリック駅間を蒸気機関車が走っていて、SLに乗ってお花見ができます。またアムステルダムから北に70キロ離れたザイプには、世界最大規模の球根栽培地があり、4月下旬から5月初旬にチューリップ畑を散策できるイベントも。
球根や切り花はオランダの主要な輸出商品なので、球根畑では花は美しいうちに刈り取られます。満開時期も毎年微妙に異なるので、行ってみたらまだ咲き始めだった、あるいは、すでに花が切られた後だった…なんてこともありえます。
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https://www.photo-ac.com春・秋(3〜5月・9〜11月):
日本の春や秋よりもかなり涼しいです。長袖シャツにコートやジャケットを。3月や11月はコートの下に着られる薄手のカーディガンも。
夏(6〜8月):
晴れている日中はTシャツでもOK。ただし朝晩や急に天気が悪くなった場合を考え長袖の上着は必須。6月初旬や8月下旬であれば日中は長袖で、念のためにカーディガンを。運河の近くは蚊がいるので長袖や虫よけスプレー、虫刺されの薬などがあると便利。
冬(12〜2月):厚手のコートに手袋、マフラー、帽子などの完全防備で!!
前述したようにオランダの天気は予測不可能なので脱ぎ着しやすい服装で。また急な雨に備え折畳み傘、またはレインコートは必携。現地の人はフード付きレインコートでにわか雨をやり過ごしています。
自転車天国オランダではレンタサイクルでの観光もおすすめ。フード付きレインコートがあれば自転車も安全に運転できます。
春(3〜5月)
【ノールドワイクからハーレムまでのフラワーパレード】
(毎年4月、第2土曜または第3土曜)
約40キロの道のりを花で覆われた山車や車など計50台が1日がかりでパレード。午後3時半ごろにはキューケンホフ公園前を通過。
【国王の日】(4月27日)
ウィレム・アレクサンダー国王の誕生日。国中が王家(オラニエ家/英語でオレンジ家)のシンボルカラーであるオレンジであふれ、多くのイベントが行われます。
【ナショナル・ミュージアム・ウィーク】(4月の週末)
国内の主な美術館、博物館に無料または格安で入場できてとってもお得。
【風車の日】(5月第2土曜)
オランダ全土にある600基ほどの風車や水車が公開され色々なアクティビティが実施されます。キンデルダイクでは19基の風車が一斉に回されるのが壮観。
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https://www.photo-ac.com夏(6〜8月)
【アールスメア・フラワーフェスティバル】(6月半ば)
世界最大の生花市場で6月の週末に開かれるフラワーフェスは、生花を使ったアート作品を中心に音楽や絵画なども楽しめる花のテーマパークです。
【アムステルダムのオープンガーデン・デイズ】(6月の第3週末)
運河沿いに建つ約30軒の個人の邸宅(カナルハウス)の庭が公開されます。オランダ人のごくプライベートな庭が見られる貴重なチャンス。
【ウェストランドのボートパレード】(8月第1週末、金土日の3日間)
ハーグ近郊で行われる水上フラワーパレード。花や果物で装飾された約30隻の船がナールドワイクを出発し、デン・ハーグやフェルメールゆかりのデルフトを航行。
【チーズ市】
エダム、アルクマール、ゴーダなどチーズの産地で特定曜日の午前中に開催。
【キンデルダイクの風車の一斉稼働】(7月8月の土曜午後)
春の「風車の日」と同様に19基の風車が一斉に回ります。
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https://www.photo-ac.com秋(9〜11月)
【ズンデルトのフラワーパレード】(9月第1日曜)
ゴッホの故郷ズンデルトでオランダ国内最古のフラワーパレードが行われます。
冬(12〜2月)
【カーニバル】(2月〜3月初旬のうちの3日間)
イースター前の断食期間直前に大いに飲み食いするカーニバル(謝肉祭)。カトリック国ベルギーほどではないですが、マーストリヒトやブレダなど一部の都市で行われます。
やはりオランダは花々が咲き乱れる、暖かい季節が一番おすすめ!ですが冬場にも、カーニバル、運河でのスケート、聖ニコラウス(サンタクロース)のパレード、クリスマスマーケットなどが楽しめます。
旅行の日程が決まったら、その時期・その季節ならではの醍醐味をしっかりチェックしてくださいね!
※2019年12月現在の情報です
この記事を書いたナビゲーター
澁澤 りべか
歴史の舞台を旅しながら、日本で世界各国の歴史、文化、宗教、習慣などを教えています。これまで、のべ30カ国90件ほどの世界遺産を訪問しました。年に数回、歴史を五感で楽しんでもらうイベントを開催しています…
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