タパスや生ハム、ワインにパエリア、そしてたくさんの世界遺産。複雑な歴史を持ち、地域ごとに独特の文化があるスペイン。
西ヨーロッパ最大級の広さを誇るスペインを旅するには何泊すればいいのでしょう。
行きたい都市が決まっている場合は?複数都市を周遊する場合は?絶対外せない人気スポットをめぐるには何日必要かをご紹介します。
スペインは、ヨーロッパ西端に位置するイベリア半島の8割以上を占め、世界遺産の数はイタリアや中国と1,2を争う多さ。長い歴史の中でイスラム教の支配下にあった時期が長く、地方ごとに異なる雰囲気があります。そんなスペインで特に日本人に人気のエリアは大きく3つ。
1.カタルーニャ地方
ガウディの建築が有名な北東部の地域で、中心都市はバルセロナ。
2.マドリード
スペインのど真ん中、プラド美術館を擁する首都。
3.アンダルシア地方
イスラム文化の影響を色濃く残す南部の地域。アルハンブラ宮殿のあるグラナダがその代表的な都市で、ほかにセビリアやコルドバも有名。
上記の3エリア以外では、パエリアの本場バレンシア地方(東部)、キリスト教の3大巡礼地の一つサン・ティアゴ・デ・コンポステーラ(北西部)、画家エル・グレコが活躍した古都トレドなども人気。最近ではバスク地方(北部)の港町サン・セバスティアンが、美食の町として注目を集めています。
2020年3月現在、日本からバルセロナへの直行便はありません。マドリードまたはヨーロッパや中東で乗継ぎます。便によりますが、所要15〜20時間で時差が8時間あるため、午前発の便に乗れば、その日の夜遅くにバルセロナに着きます。
バルセロナといえばやはり、ガウディの建築群(7件が世界遺産)が最大の見どころ。建築に関心がある方なら、ガウディの師でありライバルでもあったモンタネールの作品(2件が世界遺産)も見逃せません。アートファンにはピカソ、ミロといったスペインを代表する芸術家の美術館もおすすめ。
地下鉄移動を前提にしたバルセロナ観光のモデルプランはこちら。6日(滞在3日間)で主な見どころが回れます。興味の度合いとお財布の都合で、中には入らず外観だけ、など時間を調節してください。
〈1日目〉日本出発(乗継便/機内泊)→夜〜深夜にバルセロナ到着
〈2日目〉サン・パウ病院→サグラダ・ファミリア→グエル公園
〈3日目〉カタルーニャ音楽堂→カタルーニャ広場〜グラシア大通り散策→カサ・バトリョ→カサ・ミラ
〈4日目〉カテドラル→サン・ジョセップ市場→ランブラス通り散策→グエル邸
〈5日目〉バルセロナ出発(乗継便/機内泊)
〈6日目〉日本到着
お休みが5日しかない、という方は〈4日目〉を抜くとよいでしょう。逆にもう一日あるなら、バルセロナの町と海を一望できるパノラマポイント、モンジュイックの丘に登るのもおすすめ。
サッカーファンの方なら〈4日目〉を終日サッカー観戦に差し替えるか、シーズンオフの場合はカンプ・ノウ・スタジアムでスタジアム見学+バルセロナ・サッカー博物館見学+FCバルセロナ・オフィシャル・ショップでショッピング、に差し替えてバルサの魅力にひたるのもいいですね。
首都マドリードへは日本(2020年3月現在は成田のみ)から直行便が就航しています。しかし実のところマドリードの見どころはそれほど多くありません。
必見ポイントは2つ。まずはなんといってもプラド美術館!ベラスケスが描いた門外不出の『ラス・メニーナス(女官たち)』をはじめ、『裸のマハ』で知られるゴヤ、そしてエル・グレコなど巨匠たちの圧巻のコレクションを堪能できます。もうひとつは王宮。ロイヤルファミリーの暮らしぶりを垣間見ることができます。
他に、ピカソの傑作『ゲルニカ』を所蔵する国立ソフィア王妃芸術センターもおすすめ。またセルバンテスとドン・キホーテの像があるスペイン広場や目抜き通りのグラン・ビア、深夜まで賑わうプエルタ・デル・ソルで散策やショッピングもいいですね。
マドリード旅行のモデルプランです。5日あれば十分でしょう。
〈1日目〉日本出発(機内泊)→夕刻マドリード到着
〈2日目〉プラド美術館→シベーレス広場→プエルタ・デル・ソル→マヨール広場→サン・ミゲル市場
〈3日目〉グラン・ビア散策→スペイン広場→王宮とアルムデーナ大聖堂→国立ソフィア王妃芸術センター
〈4日目〉マドリード出発(機内泊)
〈5日目〉日本到着
もう1日余裕があるなら、トレド、セゴビア、アランフェスのいずれかへの日帰り旅を追加すると素敵ですよ。
2都市周遊となると6日は欲しいところ。モデルプランはこちら。
〈1日目〉日本出発(乗継便/機内泊)→バルセロナ到着
〈2日目〉バルセロナ観光
〈3日目〉バルセロナ観光後、AVE(アヴェ)でマドリードへ移動
〈4日目〉マドリード観光
〈5日目〉マドリード出発(機内泊)
〈6日目〉日本到着
バルセロナからマドリードへは国内線で飛ぶこともできますが、スペイン版新幹線AVE(アヴェ)なら3時間程度。3日目の移動を朝にするか夜にするかでどちらの都市により長く滞在するかが決まります。
スペイン南部アンダルシア地方にあるグラナダは、イスラム時代の王宮「アルハンブラ宮殿」のあるスペイン有数の観光地。アルバイシン地区の散策や、王立礼拝堂とカテドラルの見学、フラメンコ鑑賞もおすすめです。マドリードからは特急列車で4時間半ほど。
グラナダを含め3都市を周遊する場合、少なくとも7日は必要でしょう。モデルプランは下のようになります。
〈1日目〉日本出発(機内泊)→バルセロナ到着
〈2日目〉バルセロナ観光
〈3日目〉バルセロナからAVEでマドリードへ移動
〈4日目〉マドリード観光後、特急列車でグラナダへ移動
〈5日目〉グラナダ観光
〈6日目〉グラナダ出発(乗継便/機内泊)
〈7日目〉日本到着
バルセロナから入りマドリードから出る、スペイン周遊7日間の旅のモデルプランです。
〈1日目〉日本出発(機内泊)→バルセロナ到着
〈2日目〉バルセロナ観光後、飛行機でグラナダへ移動
〈3日目〉グラナダ観光後、鉄道またはバスでコルドバへ移動
〈4日目〉コルドバ観光後、セビリアへ半日観光
〈5日目〉コルドバからAVEでマドリードへ移動(所要約2時間)後、マドリード観光
〈6日目〉マドリード出発(機内泊)
〈7日目〉日本到着
イスラム文化とキリスト教文化が融合した世界遺産「メスキータ」のあるコルドバ、コロンブスの墓があるセビリアを追加しました。グラナダを含めアンダルシアの3大都市を制覇できます。
初めての旅なら駆け足で巡り、2度目の旅なら気に入った町をゆっくり…というのもいいですね。見るべきものも食べたいものもたくさんのスペイン。じっくり計画を立て、限られた時間で満足できる旅を!
2020年3月現在の情報です。発着空港、航空会社によりフライトスケジュールが異なりますので、行程はあくまでも参考としてご覧ください。
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(2024/3/19更新)
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