海外へ行くために必要な「パスポート(旅券)」。初めての申請だと必要書類や手続きの流れなど、分からないことばかりで不安になりますよね。出発のどれくらい前に申請すれば間に合うのかも知っておきたいところ。
そこで今回は初めてパスポートを取得する方に向けて、そろえる書類からかかる費用、手続きの流れ、よくある質問など、パスポート申請で知りたいことを分かりやすくご説明します。
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https://www.photo-ac.com/まずは、パスポートの基本的な情報を押さえておきましょう。パスポート(旅券)は世界で通用する身分証明書。海外へ行くときに必要です。
パスポートには、有効期間が「5年」と「10年」の2種類があります。申請時に18歳以上であればどちらでも好きなほうを取得できますが、18歳未満の方は5年用しか取得できません。紺色のカバーが5年用、赤色のカバーが10年用です。
なお5年用と10年用、さらに申請方法によって、取得にかかる手数料は以下の違いがあります。
10年旅券(18歳以上)
オンライン申請:15,900円
窓口申請:16,300円
5年旅券(12歳以上)
オンライン申請:10,900円
窓口申請:11,300円
5年旅券(12歳未満)
オンライン申請:5,900円
窓口申請:6,300円
申請方法の違いは次項で詳しくご説明します。
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https://www.photo-ac.com/パスポートは紙の申請書による窓口申請(以下、窓口申請)のほか、マイナンバーカードを所持している方はマイナポータルアプリまたはパソコンからオンライン申請が可能です。
オンライン申請は窓口申請と異なり窓口へ行くのが1回で済むことと、好きな時間に申請できること、さらに手数料が安いのがメリット。ただし申請先のパスポートセンターによってはオンライン申請に対応していないことがあるので、各自治体の公式サイトをご確認ください。
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https://www.photo-ac.com/2025年3月24日の申請受理分から切り替わった「2025年旅券」は国立印刷局で作成されるため、以前と比べて発給に時間がかかるようになりました。申請から受領までは2週間ほどかかるとされていますが、申請する各都道府県の窓口によって若干異なります。
自治体やパスポートセンターによっては公式サイトに交付日カレンダーを掲載しているので、事前に確認しておきましょう。目安として、海外渡航の1か月前までに申請することが推奨されています。
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https://www.photo-ac.com/パスポート申請にあたり必要な書類などは、申請方法により異なります。
■オンライン申請
1.マイナンバーカード
署名用電子証明書用パスワードの6〜16桁が必要です。
2.マイナポータルアプリ対応のスマートフォン
3.マイナポータルアプリ
App Store、Google Playストアからインストールしてください。
4.顔写真
アプリ内でも撮影できますが、事前に撮影した画像をアップロードしたい方は準備しましょう。
5.署名
白い紙に書いてアプリ内で撮影、または事前に撮影した画像をアップロードします。
6.クレジットカード
オンライン納付に必要。なお、窓口申請と同様に収入印紙と収入証紙での支払いも可能です。
※パソコンからもオンライン申請できますが手続きが異なるため、デジタル庁の公式サイトなどをご確認ください。
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https://www.photo-ac.com/■窓口申請
1.一般旅券発給申請書:1通
申請書はパスポート申請窓口などで入手できます。外務省HPでは、ブラウザ上で必要事項を入力して申請書をダウンロードでき、プリントアウトして持参できるので便利。
2.戸籍謄本(全部事項証明書):1通
発行日から6か月以内のもの。
3.証明写真:1枚
写真は縦45mm×横35mmで縁のないもの、撮影日から6か月以内、無帽で無背景、など細かな規定があるので、写真館や証明写真機でパスポート用に撮影すると安心です。ちなみに画像は白黒、カラーどちらでもOK。
4.申請者本人の証明書類
以下の書類の原本が必要です。(一部抜粋)
・1点で良い書類
マイナンバーカード、運転免許証、船員手帳など
・上記の書類がない場合は、以下から2点の書類が必要。AとBの各1点か、Aから2点を提示します。
A:健康保険証、国民健康保険証、後期高齢者医療被保険者証など
B:学生証、社員証、公的機関が発行した資格証明書など(写真が貼ってあるもの)
住民登録している都道府県の申請窓口で手続きを行う場合は、住民票の写しは不要です。ただし住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を利用した住所確認を希望しない、申請の直前に住民登録を異動した方などは、住民票の写しが1通必要です。発行日から6か月以内、マイナンバー(個人番号)の記載がないものを準備しましょう。
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https://www.photo-ac.com/書類がそろったら、マイナポータルアプリまたは窓口で申請します。オンライン申請の場合は処理状況がアプリで確認でき、受け取りが可能になると交付予定日を案内するメッセージが届きます。窓口申請の場合はパスポートの受領日が記載された引換証(受理票、受領証など)が発行されるので、なくさないように保管しましょう。
窓口でパスポートを受け取る際、オンライン申請の方はマイナポータルアプリに表示されるQRコード、窓口申請の方は引換証を提示します。
オンライン納付を選択していない方はこのときに手数料を支払うので、手数料分の収入証紙と収入印紙が必要です。パスポートセンター内に販売所があることが多いですが、収入証紙は市役所や県事務所など、収入印紙はコンビニや郵便局などで事前に購入することもできます。(オンライン納付の場合は受け取り時にアプリ内でクレジットカード決済が完了します)
窓口が混雑していなければ、受け取り自体はそれほど時間はかかりません。申請は代理人でも可能ですが、年齢にかかわらず受け取りは本人でなければいけません。受け取り時には係員とパスポートの氏名のつづり、生年月日など記載内容に間違いがないかを慎重に確認しましょう。
申請時に注意したい、主なポイントをまとめました。
■パスポートに記載する氏名は「ヘボン式ローマ字」
一例は以下の通りです。
・シマダ→SHIMADA
・カンノ→KANNO
・ナンバ→NAMBA
気を付けたいのはイトウさんやオオノさんなど、氏名に長音が入る場合。ヘボン式では長音は表記しませんが、希望すれば非ヘボン式ローマ字*で長音を表記できます。
・イトウ→ヘボン式はITO、長音表記はITOH、ITOU
・オオノ→ヘボン式はONO、長音表記はOHNO、OONO
航空券を購入する際の氏名は、パスポートの表記とそろえなければいけません。上記に当てはまる方は、どちらの表記にしているかを忘れないようにご注意を。また、家族内で表記をバラバラにすると家族旅行の予約の際に登録ミスに繋がる恐れがあるので、必ずそろえるようにしましょう。
*…外国式の氏名など、長音表記以外の非ヘボン式表記については各パスポートセンターにご相談ください。
■直筆サインは書き慣れたもので
氏名や生年月日などが記載されている身分事項ページの「所持人自署欄」には、申請時の直筆サインが印字されます。漢字やローマ字、ひらがな、カタカナでもOKですが、出入国カードやホテルのチェックイン時などのサインと照合される場合があるので、普段書き慣れたサインにしておいた方がいいでしょう。
ただし、まだ文字が書けない幼児などは、親が代筆でサインをします。
例)
山田花子
山田太郎(父)代筆
上記のように、代筆であることが分かるように記入します。また、海外旅行時にサインする場合も、同様の表記でサインをしましょう。
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https://www.photo-ac.com/■5年にする?10年にする?
申請にかかる費用で考えると5,000円の違いなので、海外に行く頻度が高い18歳以上の方は10年用がおすすめ。ただし結婚などで名字が変わるとパスポートも氏名変更する必要があり、5,900円の手数料がかかります(残存有効期間が同じパスポートをオンライン申請で切り替える場合)。入籍前に新婚旅行する方は、5年で取得したほうがいいかもしれませんね。
■発行後6か月以内に必ず受領を!
パスポートは発行後6か月以内に受領しないと失効、さらに失効後5年以内にパスポート申請をする際は手数料が通常より6000円高くなってしまいます。(2023年3月27日以降に申請した方が該当します)
■時間がなくて受け取りになかなか行けない!
申請は代理人や旅行会社に委任することはできますが、受け取りは本人が行く必要があります。土曜日に開庁、特定の曜日だけ窓口の時間を延長しているパスポートセンターもあるのでチェックしてみましょう。
■急いで発給してもらいたい
海外にいる家族が入院をしたなど、人道上の理由がない限り受領日までの期間を短縮することはできません。
■窓口が混雑する日は?
各所によって異なりますが、月曜日や金曜日、休日明けの営業日などは混雑する傾向にあるようです。また、GWや夏休み、年末年始などに海外旅行をする人が多いため、その前にパスポートを取得する人で混雑することも。パスポートセンターによっては混雑予想をHPに掲載しているので目安として確認してみましょう。ちなみに東京都など一部自治体では、混雑状況や順番待ちをWeb上で確認できるサービスを実施しています。
■パスポートの有効期間が切れたらどうすればいい?
リンク先の記事で詳しく説明していますので、ぜひチェックしてくださいね。
※2025年3月現在の情報です。本記事はパスポート申請手続きの概要を説明したもので、申請時期や箇所等により状況は異なります。最新情報は必ず各サイトでご確認ください。
参考:外務省HP
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