海外旅行中にパスポートを失くした!パスポートの入ったカバンを盗まれた!そんなときはまず警察?領事館へ行けば良い?帰国するまでにパスポートは再発給してもらえる?言葉の通じない国で、不安は募るばかりです。
今回はパスポートの紛失・盗難を想定し、現地での手続きの進め方、必要書類などの情報をまとめました。日本でパスポートを紛失してしまった場合についてもあわせてご説明します。
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https://pixabay.com/ホテルの客室に置いていたパスポートが見つからない、スリや置き引きに遭ってパスポートを盗まれてしまった……。パスポートを失くしたことに気づいたら、まずは現地警察へ速やかに届け出を。警察署で発行してもらう“紛失・盗難を届け出たことを立証する書類(ポリスレポート)”が、この後の手続きに必要です。
なお、国や地域によっては移民署など警察以外の機関に届け出る必要があることも。各地の在外公館HPに詳細があるのでご確認ください。
警察署等で作成してもらった書類を持って、続いては現地の日本大使館・総領事館(在外公館)へ向かいます。
本来であればパスポートを発給してもらう必要がありますが、短期旅行だと帰国日までに手続きが間に合いません。そこで「帰国のための渡航書」の申請手続きを行います。
申請にあたっては、以下の書類が必要です。
1.紛失一般旅券等届出書:1通
2.渡航書発給申請書:1通
どちらも在外公館の窓口にあります(紛失一般旅券等届出書はダウンロード可)。
3.ポリスレポート
警察等から受け取った紛失を証明する書類です。消防署等の発行した罹災証明書等も可。
4.本人確認、日本国籍が確認できるもの
6か月以内に発行された戸籍謄(抄)本、本籍地の入った住民票など。日本にいる親族に依頼してFAXやメールで送ってもらう必要があります。運転免許証などでも確認可能な場合があるため、詳しくは在外公館にお尋ねください。
5.6か月以内に撮影された顔写真:1枚
縦45mm×横35mm、ふちなしなど、パスポート用写真と同じ規定です。
6.その他日程等が確認できる書類
eチケットの控え、搭乗予約確認書、行程表など。
7.手数料
大使館・総領事館によって異なります。
その他、アメリカのESTA(電子渡航認証システム登録情報)番号など、国や地域によって追加で必要な書類があります。
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https://www.photo-ac.com/「帰国のための渡航書」は帰国日が迫っている方向けの臨時の渡航書のため、有効期間は1週間〜10日ほど。また、直行便、経由便でも経由地に入国しない(空港の外に出ない)便で帰国する場合に限り発給されます。
帰国日当日など、パスポートを紛失したタイミングによっては「帰国のための渡航書」の発給が間に合わないことも。その場合は帰国便の変更、ホテルを延泊するための費用がかかってしまいます。
もし長期滞在をしている場合は、パスポートを新規発給する必要があります。日本でパスポート申請する際と同様の書類が必要となるため、詳しくは以下のページをご確認ください。
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https://www.photo-ac.com/「帰国のための渡航書」は即日交付の国もあれば、帰国日前日に交付する国もあるなど、国や地域ごとで発給までにかかる日数は異なります。
なお、経由便利用で電子渡航認証がないと乗り継げない経由地が含まれると、別途申請手続きが必要なことも。渡航書での経由を認めていない国や地域が含まれる経由便に搭乗する場合、パスポートの新規発給、または直行便への変更を求める国もあります。
空港での出国審査は通常と手続きが異なる場合がありますので、在外公館、空港係員などに確認を。観光でもビザが必要な国では、管理局で事前に出国ビザの手続きをする必要があるので注意しましょう。
「帰国のための渡航書」は1回限りのため帰国したら無効になり、日本でパスポートの紛失届を提出する必要があります。(手続きは後述)
日本国内でパスポートを紛失や盗難、焼失した場合の手続きも見ておきましょう。
紛失の届け出をするためには、以下の書類を準備してパスポートセンターへ。
1.紛失一般旅券等届出書:1通
ダウンロード、またはパスポートセンターなどの旅券申請窓口で取得します。
2.写真:1枚
パスポート写真と同じ規格です。
3.本人確認のための書類
運転免許証やマイナンバーカードなど。証明書の種類によって用意する点数が異なるため、外務省HP等をご確認ください。
4.紛失や盗難、焼失の証明書
警察署へ届けて紛失・盗難の証明書を発行してもらいます。焼失の場合は消防署などが発行する罹災証明書が必要です。
あわせてパスポートを新規発給する場合は、新規発給申請書、戸籍謄本(抄本)、パスポート用写真を1点ずつ準備しましょう。
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https://www.photo-ac.com/先述の通り「帰国のための渡航書」で帰国した場合も、紛失したパスポートの悪用を防ぐため、上記の紛失届を提出する必要があります。手続きには「帰国のための渡航書」の持参が必要です。
なお、紛失届を出した後にパスポートが見つかっても、届を取り下げることはできません。新規発給することになります。
パスポートは国の公文書という扱いのため所有権は国にあり、法律上では期限切れのパスポートは国に返却する決まりになっています。法的には期限切れのパスポートを紛失した場合も届けが必要となるため、詳しくは各パスポートセンターにお尋ねください。
パスポートの紛失・盗難を防ぐために、以下のポイントに気を付けましょう。
■パスポートを入れる場所に注意
パスポートを出し入れする機会が多いのは出入国のタイミング。バッグのこのポケットに入れておく、など場所を固定しておくといいでしょう。リュックの外ポケットなどは出し入れしづらく、盗まれる可能性大。
■カバンは肌身離さずに
買い物中にパスポートが入ったカバンをカウンターに置く、レストランや電車などでカバンを空いている隣の席に置く……などの行動は、置き引きに遭う危険があります。ショルダー式のパスポートケースに入れて首からかけ、隠れるように上着を羽織ると安心です。
■ホテルではセキュリティボックスに保管
旅行中にパスポートを持ち歩く必要がないときは、ホテルのセキュリティボックスに保管を。よくあるのが、ベッドの上で荷物整理をしてシーツにパスポートが紛れ込んでしまい、そのままリネン回収されてしまうというトラブル。テーブルなど見やすいところで整理しましょう。
■パスポートのコピー、証明写真、戸籍謄本(抄本)を持って行く
紛失しないに越したことはないのですが、もしもに備えて用意しておくと転ばぬ先の杖ですね。
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https://www.photo-ac.com/たまにしか海外旅行しない、という方も多いので、意外と家の中で紛失することが多いパスポート。引越しで紛失する方も多いのだとか。置き場所を決めて保管しましょう。
また、紛失したと思ったら、スーツケース、旅行でしか使わないポーチやカバンなどに入っていることはよくあること。紛失届を出す前によく探しましょう。
海外旅行の盗難対策については、以下の記事に詳しくまとめています。参考にどうぞ。
現地でのパスポート紛失・盗難時の手続きを見てきましたが、やはり言葉が通じない国での手続きは大変です。旅行会社を通して旅行予約をすると、現地支店やヘルプデスクを利用することができます。24時間対応のコールセンターもあるので、トラブル発生時に日本語で相談できるのは心強いですね。
また、パスポートの盗難については、海外旅行保険に加入していれば再発給費用や延泊料金などの補償を受けることができます。ただし置き引きなどご自身の過失によるものは補償外です。同じくコールセンターが利用できるので、海外旅行保険は必ず加入しましょう。
※2024年7月現在の情報です。渡航する国や地域により詳細は異なるため、必ず在外公館のHP等で最新情報をご確認ください。
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(2024/12/2更新)
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