海外旅行に必要なものといえば、パスポートとビザ(査証)。パスポートのことは知っていても、ビザについてはよく分からない、見たことがないという方、意外と多いのでは?
そこで本記事では海外旅行初心者の方に向けて、ビザの必要な国、取得方法などを分かりやすくご説明します。
※本記事は新型コロナウイルスによる渡航制限がかかる前の情報をベースに作成しています。参考記事としてお読みください。
まずはビザについての基礎知識からご説明します。
ビザとは、外国人が渡航するために必要な“入国の推薦状”のようなもの。渡航前に駐日大使館・総領事館等に申請すると、パスポートに偽りがなく有効であることと、渡航先への入国と滞在が適当と判断された場合に発行されます。
あわせて使われることの多い「査証(さしょう)」は、ビザを日本語に言い換えた言葉。本記事ではより一般的な「ビザ」の表記を用います。
また、ビザには短期観光、長期観光、商用、留学、就労などさまざまな種類がありますが、本記事では短期観光用のビザに絞ってご説明します。
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https://pixabay.com/ちなみに、本来は観光目的でもビザが必要ですが、日本は多くの国や地域と査証を免除する協定を結んでいるため、日本のパスポート(一般旅券)所持者は一定期間内の滞在なら観光ビザなしで渡航可能です。韓国や台湾、タイ、ブラジル、EU各国などが該当します。
ただし査証免除協定を結んでいない国の一部でも、現地到着時に空港で「アライバルビザ(Visa on Arrival、VOA)」を取得できる国もあります。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
短期観光でもビザを取得する必要がある国を、日本からの旅行客が比較的多い国に絞ってピックアップしてみました。
・インド
・カンボジア
・ネパール
・エジプト
・ケニア
・マダガスカル
…など
特にアフリカや中東はビザ取得が必要な国が多いので注意しましょう。
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https://pixabay.com/ビザが不要な国でも、ビザなしで滞在できる日数には決まりがあります。90日以内としている国が多いですが、中国やラオスの15日以内のように短期間の国も。前回の出国日から30日以内に再入国する場合にビザが必要とするベトナムのように、渡航歴や経由してきた国によってビザの要否が変わる場合もあります。さらに、入国時に利用する空港が決まっていたり、予約済みの復路航空券の提示が必要だったりという条件があることも!
旅行計画を立てる際には、ご自身の旅程や条件でビザなし入国できるかどうか、各国の大使館・領事館HP等で必ず確認しましょう。
ビザの申請方法は国によって異なります。カンボジアを例に申請方法を見てみましょう。
・窓口で申請
東京のカンボジア王国大使館、大阪や名古屋にある領事館の窓口で申請用紙(窓口に備え付け、またはHPからダウンロード)と証明写真1枚にパスポートを添えて申請します。ただし即日発行ではないので、申請と受け取りのため2回行く必要がある点に注意。ビザはパスポートの査証欄に貼付されます。(郵送でも申請可能)
・オンラインで電子ビザ(e-Visa)申請
カンボジア外務国際協力省の公式ウェブサイトへアクセスし、氏名や旅券番号などを入力フォームに登録、申請料金をクレジットカードで支払います。ビザの承認が出たらメールが届くので登録したアカウントからe-Visaをダウンロードし、プリントアウトしてパスポートと一緒に携帯しましょう。
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https://www.photo-ac.com/郵送申請を受け付けていない国、オンライン申請のみ受け付けている国、申請時に揃える書類の多い国など様々ですが、各国の駐日大使館・総領事館HPに記載の手順を踏めば問題ない場合がほとんどです。
ただし日本からの旅行客がそれほど多くない国は、ビザ申請のページが日本語に対応していなかったり、手順や揃える書類が複雑だったりすることもあるので、その場合は各大使館や旅行会社に直接確認しましょう。
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https://www.photo-ac.com/日本の一般旅券を所持していれば、アメリカを短期観光で訪れる際にビザは必要ありませんが、ESTA(エスタ、電子渡航認証システム)を申請しなくてはいけません。
これは外国人がビザ免除プログラムを利用してアメリカに入国することに問題ないかどうかを判断するもの。1回限りの短期観光ビザとは異なり有効期間は2年間あるので、パスポートの期限切れによる新規発行や氏名等の変更がなければ、渡航の度に申請する必要はありません。
ESTAの管轄は大使館ではなく米国国土安全保障省(DHS)、税関国境取締局(CBP)となります。ESTA公式サイトからオンライン申請を行い、おおよその目安として72時間以内には申請結果が出ます。
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https://www.estaus.jp/enter-us-land-borderESTAと似たものに、カナダのeTAとオーストラリアのETAS、スリランカのETAなどがあります。いずれもESTAと同様の電子渡航認証システムで、有効期間はカナダのeTAが5年間、オーストラリアのETASは1年間。スリランカは入国1回限り有効で30日間滞在可能です。詳細は各公式サイトをご確認ください。
注意したいのは、アメリカ・カナダを経由して他の国を訪れる場合にも、電子渡航認証システムの取得が必要な点。例えば日本からマイアミを経由してブラジルへ向かう場合などは、マイアミ国際空港からアメリカに入国しなくてもESTAが必要です。
なお、カナダやメキシコから陸路で入国する場合にI-94Wという書類の提出が義務付けられていましたが、2022年5月からはESTAが利用できるようになりました。
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https://pixabay.com/グアムや北マリアナ諸島連邦(サイパン、ロタ島など)を旅行する際にはESTAは不要ですが、取得しておくと入国書類の記入を免除され、専用の入国レーンを利用できるのでスムーズに入国することができます。また、通常はビザなしで滞在できる日数が45日以内のところ、最長90日以内になるのもうれしいポイントですね。
■出発日に間に合うように申請を
ビザの申請〜発行にかかる期間の目安は各サイトに記載されていますが、国際情勢や各申請者の状況によっては審査に時間がかかったり、審査自体が中断したりすることも。旅行が決まったらなるべく早く申請手続きを行いましょう。
■代理申請の利用も検討
自分で申請できるか不安、時間がないという方は旅行会社やビザ代理申請サービス業者の利用もおすすめ。なお、申請にかかる手数料とは別に代行手数料がかかります。代理申請では業者にパスポートを預けることになるので、安心できる業者を選びましょう。
■オンライン申請は公式サイトから
ビザをオンライン申請できる国の一部では、公式サイト以外からの申請を認めていない国があり、公式サイト以外で取得したビザは入国を拒否されることも……。また、精巧に作られた偽サイトが存在することもあるので、各国の大使館・総領事館HPに貼られた公式サイトのリンクを必ず確認してください。
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https://www.photo-ac.com/■体験談は参考程度に……
SNSやブログなどに書かれたビザ申請、取得の体験談は最新情報ではない場合があるので要注意。「事前申請しなくても現地空港でビザが取れた」などの情報を鵜呑みにしてしまうと危険です。
■必要書類の様式に注意
国によってビザ申請に必要な書類はさまざま。現地での滞在先が分かる書類を求める国もあります。ホテルの予約確認書でよいのか、現地語で書かれた所定のフォーマットが必要かなど、取り決めをしっかり確認しましょう。
■パスポートの有効期間に注意
ビザ申請時にパスポートの有効期間が6ヶ月以上残っていること、というように、国ごとに残存期間が決められています。また、パスポートの査証欄のページが残り少ないとNGになることも。ビザ申請の要件に足りない場合はパスポートを新規発行する必要があります。有効期間について詳しくは、下のページをご確認ください。
ここまでビザについてご説明してきましたが、新型コロナウイルスの影響により、観光ビザ申請の必要な国のほとんどで申請手続きをストップしています。基本的には渡航先の在留資格のある方、商用や留学など、やむを得ない事情以外での渡航はできません。
状況が落ち着いて渡航できるようになっても、しばらくはビザ免除が適用されなかったり、ビザ申請にPCR検査陰性証明書やワクチン接種証明書など必要な書類が増えたり、申請時の審査に時間がかかったり……といった状況が続くかもしれません。情報は流動的となることが予想されるため、最新情報を必ず確認するようにしましょう。
※新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限発出前の情報を基に作成しています。参考情報としてお読みください。
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(2023/12/8更新)
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