悠久の刻を天空の城・竹田城に映す「モノクロ撮影のススメ」

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悠久の刻を天空の城・竹田城に映す「モノクロ撮影のススメ」

悠久の刻を天空の城・竹田城に映す「モノクロ撮影のススメ」

更新日:2017/01/30 12:51

タケモト スグルのプロフィール写真 タケモト スグル カメラマン、ライター、撮影コンサルタント

天空の城「竹田城」。雲海に浮かぶ城跡が幻想的で、今や一大観光地となっています。ところが写真のバリエーションは少なく、既に新鮮味を失った方も多いのではないでしょうか。ここでは、竹田城を題材に「モノクロ撮影の魅力」に触れ、没個性となりがちな撮影旅行に1選択肢を提案したいと思います。

まず、被写体を知る。天空の城「竹田城」

まず、被写体を知る。天空の城「竹田城」

写真:タケモト スグル

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場所は兵庫県の中北部、500年以上前に築かれた城があります。「安井ノ城」すなわち「竹田城」です。応仁の乱、戦国時代、関ヶ原などを経て、1600年に約150年の歴史を閉じました。

「国の史跡」「日本100名城」「恋人の聖地」である竹田城は、雲海に浮かぶ城址をもって「天空の城」「日本のマチュピチュ」とも呼ばれています。特に被写体として有名で、兵庫県北部のみならず、近畿を代表する一大撮影スポットです。

では、竹田城の写真を思い浮かべてみましょう。思いつくのは、そう1〜2種類だけ。検索しても同じような写真が現れます。

理由は、「天空の城」状態への期待と、限られた撮影スポット(実質3箇所)にあるのでしょう。条件が狭いため、季節にも時間にも場所にも工夫の余地が限られます。

そこで、提案するのがモノクロ撮影です。

モノクロ撮影への変更と推奨設定

モノクロ撮影への変更と推奨設定

写真:タケモト スグル

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モノクロ撮影は、ピクチャーコントロールといった色彩設定をモノクロームに変更することで行うことができます。機種によって方法が違いますので詳しくは説明書を確認して下さい。

オススメの設定は、まず「露出」を変更することです。少々暗めが吉ですので「露出補正−1」程を基準に調整して下さい。

カラー以上にコントラストの設定が重要となりますが、刻々と変化する光の具合によって推奨値は変わりますので、とりあえずは元の設定を基準とし、出来栄えを見て調整して下さい。

モノクロには「カラーフィルター」という設定項目があります。これも、コントラストや明度に影響を与える項目ですが、被写体の色に応じて効果が変わるところが「コントラストの設定」とは違います。とりあえずは「カラーフィルターなし」でかまいませんが、撮り慣れてきた時には各色を試して下さい。ちなみに、今回の撮影で多用したのは「R(赤)」です。

いざ撮影

では撮影に移りましょう。まずはカラー写真から。私の目にはこう映ります。

いざ撮影

写真:タケモト スグル

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モノクロ撮影の魅力

モノクロ撮影の魅力

写真:タケモト スグル

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対して、モノクロで撮るとこうなります。

モノクロはモノクローム(monochrome)の略であり、単色画という意味です。よって、色がない訳ではなく、セピアなどの単色の画像もモノクロに含まれます。カラーに比べ、「光」や「形」そして「時」が際立つのが特徴です(個人的見解)。

モノクロがカラーに勝るわけではなく、カラーがモノクロに勝るわけでもありませんが、竹田城から得た感動がもし「造形」や「悠久の刻」であるならば是非モノクロを。単色で感動を映してみて下さい。

モノクロで「チラリ」を魅せる

モノクロで「チラリ」を魅せる

写真:タケモト スグル

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竹田城址には別名があります。「虎臥城(こがじょう・とらふすじょう)」です。虎の臥せる姿に重ねたといいますが、正直、分かるような 分からぬような・・といった感じです。

そこで、城の一部をモノクロで撮ってみましょう。虎というか、龍というか、戦艦というか、かっこええわぁという姿を見せます。「虎臥城」の名も少しは納得(?)です。

必要な撮影機材とオススメのアクセサリー

必要な撮影機材とオススメのアクセサリー

写真:タケモト スグル

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チラリで魅せるには望遠レンズが不可欠ですが、バズーカレンズは不要です。今回のカメラとレンズもNikon D7200とAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6Gのみで、十分に拡大することができています。すなわち、35mm換算で450mm(=300mm×1.5)あれば十分です。

その他必要な機材は、三脚とレリーズ(リモコン)のみ。今回の撮影にはPLフィルター(Kenko Zeta EX C-PL)も使用していますが、反射をコントロールするためであり、必須というわけではありません。

他にはタオルやレンズクリーニングシート、レインカバーの持参をオススメします。時に雲に包まれますので、雨・水滴の付着に気をつけて下さい。

3つの撮影スポット

3つの撮影スポット

写真:タケモト スグル

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前述の通り、朝霧に包まれた竹田城を撮影するスポットは実質3箇所です。1つは竹田城址(たけだじょうし)、1つは立雲峡(りつうんきょう)、1つは藤和峠(ふじわとうげ)で、それぞれ景色に違いがあります。「マチュピチュ」感は「竹田城址(古城山山頂)」、「天空の城」感は「立雲峡」、「遠景」は「藤和峠」と捉えるといいでしょう。

うち、主要な場所は「竹田城址」と「立雲峡」ですが、「竹田城址」は季節や時間による利用制限があるため注意が必要です。12月は10時開場、1月4日から2月末に至っては入城禁止となります。その為、冬季に利用できる場所は実質的に「立雲峡」のみです。

注意すべきは立雲峡の駐車場の広さ。30台程度の広さに観光客が集中します。早朝でも更に早めに向かって下さい。

絶景「立雲峡」

絶景「立雲峡」

写真:タケモト スグル

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冬季の撮影スポット「立雲峡」は、竹田城が臥せる古城山(虎臥山)の東向かいの山「朝来山(あさごやま)」にある展望スポットです。山と山の間に朝霧が立ちこめるため、「天空の城」感を得ることができます。

展望台は3箇所あり、駐車場近くにも第3展望台がありますが、オススメは駐車場より約30分の「シンボルの森」にある「第1展望台」です。

その道程は山道です。ヘッドライト(懐中電灯)・レインコート・登山靴を推奨する楽とは言えない道ですが、その苦労に感動はきっと比例します。

ここは景色、特別な撮り方は要しませんが、試しに1枚モノクロも残してみましょう。新たな発見があるかもしれません。

山道をモノクロで撮る

山道をモノクロで撮る

写真:タケモト スグル

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未明からの登山の果てに竹田城を眺め、下山の途につくと、木樹に包まれた竹田城と静けさの山道に出会うことができます。

この静けさを低い彩度で写してみましょう。特に白黒のモノクロでは、音が消えた絵を得られるはずです。

出会う岩も是非モノクロで。カタチの妙と存在感を捉えて下さい。

なんちゃって”天空の城”

竹田城を「天空の城」といいますが、それは雲海に包まれた姿を指します。朝霧は主に秋から冬の日の出前から午前8時頃まで発生しますが、発生がなければ「天空の城」になりません。

朝霧の発生条件には、朝と日中の寒暖差の大きさや、風が弱いこと等が挙げられますが、条件が揃い発生するのは数日に1回程度です。その為、天空の城に出会えない可能性も大いにあります。

ところが、秋以降であればいつでも“天空の城”を撮影できる方法があるのです。

その方法は「ススキ」。立雲峡の入口付近に点在するススキを前ボケに活かして撮ります。ススキに極力近付き竹田城にピントを合わせると、あっ!ボケたススキが雲のよう!

名付けて「なんちゃって“天空の城”」。雲海に出会えなかった方の心の救いとなれば幸いです。

なんちゃって”天空の城”

写真:タケモト スグル

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おしまいに

今回は、天空の城「竹田城」とモノクロ撮影の魅力について触れました。人々の想像力と歴史が融合した撮影スポットです。

感動を心に、カメラをその手に。
カラーのみならずモノクロも手にし、表現の幅を広げてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。

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