松山市の道後温泉は、歩いて行ける距離に人気スポットがギュッと詰まった、観光しやすい温泉地。気軽に行ける外湯や足湯も豊富で温泉をとことん堪能できる環境が嬉しいですね。温泉以外にも、文豪たちゆかりの場所、パワースポットや土産店も揃い、魅力あふれる旅が体験できるでしょう。
トラベルjpナビゲーターが現地取材した情報を基に、元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター 木内つばめが道後温泉のおすすめ観光スポットをご紹介します。1泊2日のモデルコース、交通手段、穴場スポットまで、道後温泉の観光に必要な情報を徹底解説しますので、ぜひ旅の計画にお役立てください。
愛媛県松山市の「道後温泉」と言えば、『日本書記』にも登場する最古級の温泉地。道後温泉本館をはじめとする定番の観光スポットが集まっています。
まず最初に、温泉やグルメを満喫、さらに松山の歴史を体感できる定番観光スポットを13選ご紹介します。
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日本最古の温泉とも伝わる道後温泉で、誰しも訪れるスポットが「道後温泉本館」。公衆浴場では初めて国の重要文化財にも指定されている歴史的建造物です。重厚な建物の中で、明治時代の人々がここでどう過ごしたかを想像しながら温泉に浸かれる、風情もロマンもある名所。
道後温泉本館はしばらく保存修理を行なっていましたが、2024年7月に約5年半ぶりに全館での営業を再開。新しい部屋が開放されたり、入浴券のデザインのリニューアルされたりと、再訪者にも楽しみがあります。
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯之町5番6号
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩4分
電話番号：089-921-5141
公式サイト（外部リンク）
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道後温泉本館から徒歩3分ほどの場所にある新しいコンセプトの「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」。聖徳太子の来浴もあったという話にちなんで、飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋です。愛媛の伝統工芸品をあしらったまるでアートスポットのような外湯で、本館とはまったく違った雰囲気をあじわえます。
道後温泉本館にある皇室専用浴室の又新殿を再現した、特別浴室も要注目です（事前予約制）。
写真提供：道後温泉事務所
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯之町19番22号
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩4分
電話番号：089-932-1126
公式サイト（外部リンク）
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地元の人が集う、もっともローカルな温泉が「道後温泉 椿の湯」。こちらも道後温泉本館から徒歩3分ほど場所にあります。休憩室は無くお風呂のみですが、本館と同じ無加温・無加水の源泉かけ流しの温泉に入ることができます。本館と比べると比較的空いており、値段もお手頃。気兼ねなく入浴するにはぴったりの場所です。
写真提供：道後温泉事務所
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯之町19番22号
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩3分
電話番号:089-935-6586
公式サイト（外部リンク）
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道後温泉駅を降りると放生園という公園があり、まず目に飛び込んでくるのが「坊っちゃんカラクリ時計」。道後温泉本館100周年を記念して建てられた時計台で、道後温泉本館の振鷺閣をモチーフにしています。
午前8時から午後10時まで、1時間ごと（季節によっては30分ごと）に、小説『坊っちゃん』の登場人物が姿を見せてくれます。時間帯によって流れる曲が変わるところもお楽しみの一つです。
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯之町6-8
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩1分
公式サイト（外部リンク）
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夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも登場する、松山市内を走る「坊っちゃん列車」。道後温泉駅が始点で終点でもあります。漱石は小説で“天井は低く、マッチ箱のように狭い”と表現しておりますが、実際に乗車して確認してみましょう！松山市駅では手動によるポイント切り替え作業の珍しい光景を見ることができます。
レトロな列車は、子どもには大変喜ばれる乗り物。家族旅行のプランには組み込みたいスポットですね。
＜基本情報＞
運行日：土・日・祝日のみ（詳細は公式ページでご確認を）
電話番号：089-948-3323
公式サイト（外部リンク）
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道後温泉駅から道後温泉本館を結ぶL字型の商店街が、人気観光地「道後ハイカラ通り」。約250mに60軒ほどの商店が建ち並びます。坊っちゃん団子で有名な“つぼや菓子舗”や、愛媛みかんのおしゃれなお土産が買える“10FACTORY”など、新旧交わる魅力的なお店がいっぱい。グルメとともに明治ロマンが漂う雰囲気もお楽しみください。
＜基本情報＞
アクセス：伊予電鉄「道後温泉」駅下車
公式サイト（外部リンク）
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道後山腹に鎮座する「伊佐爾波神社（いさにわじんじゃ）」は、国の重要文化財に指定されている神社。八幡造りの社殿は、日本に3つしかない貴重なもので、間近で見るとその壮麗な姿に圧倒されます。
伊佐爾波神社は135段つづく石段の上にあります。その石段の迫力も見どころの一つ。頂上で鮮やかな朱色を放つ社殿を目指して、上ってみましょう！
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市桜谷町173番地
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩約5分
電話番号：089-947-7447
公式サイト（外部リンク）
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日本の現存天守はわずか12城。その中の一つ「松山城」です。高さ約132mの勝山山頂に築かれており、街の至る所から見ることのできる、まさにランドマーク的存在。天守や櫓などと連結している“連立式天守”という、天守防衛に優れているという形式。ぜひその厳重な造りを見てみましょう。
山頂へはロープウェイ、リフトの他、各登城道から徒歩20〜30分でもアクセス可能。ちょっとしたハイキング気分で松山城に行き、その後は道後温泉で汗を流すというプランもいいですね。
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市丸之内
アクセス：伊予鉄道「大街道駅」で下車し、徒歩5分でロープウェイ東雲口駅舎へ。または各登城道から徒歩20〜30分
電話番号：089-921-4873
公式サイト（外部リンク）
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散策するにはぴったりの「道後公園（湯築城跡）」。公園全域が250年間存続した伊予の守護・河野氏の居城があった場所で、外堀、内堀、土塁が現在も残っています。桜の名所でもあり、花見のシーズンには多くの人で賑わいを見せます。
その他、公園内には武家屋敷、湯築城資料館など、道後温泉の歴史を辿れるスポットが点在。学びのある公園です。
写真提供：道後温泉事務所
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後公園
アクセス：伊予鉄道「道後公園駅」から徒歩1分
公式サイト（外部リンク）
道後温泉周辺は日本を代表する文人たちとゆかりのあるスポットが多くあります。夏目漱石と並んでこの地で触れずにはいられない人物といえば、正岡子規ですね。道後公園内にある「子規記念博物館」では、子規の生涯を辿る資料や展示を見ることができます。結核と闘いながら名句を残した子規の34年ほどの人生。それがどれだけ凝縮された時間だったのかが伺えます。
2010年の豪雨による土砂崩れで全壊してしまった、子規と夏目漱石が同居していた愚陀佛庵の一部も館内に復元しており、こちらも必見です。
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後公園1-30
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩5分
電話番号：089-931-5566
公式サイト（外部リンク）
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「坂の上の雲ミュージアム」は、その名の通り、司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』にまつわる展示を見学できる美術館。3人の主人公（秋山好古・真之兄弟、正岡子規）の足あとや明治時代に関する内容、主人公にちなんだイベント開催などで、訪れた人々自身が時の流れについて感じ、考えられるような空間となっています。
建築設計は安藤忠雄氏。フリースペースにはカフェが併設され、ミュージアムに入館せずカフェのみの利用も可能です。カフェでは正岡子規の等身大の像が普通に座っている姿を見ることもできます。
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市一番町3丁目20番地
アクセス：伊予電鉄「大街道駅」より徒歩2分
電話番号：089-915-2600
公式サイト（外部リンク）
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道後温泉本館横にある、神話の時代病気を回復させた逸話のある「玉の石」。石のそばに、道後温泉の湯が引かれた水路と長い柄杓があるので、その湯を汲んで石にかけてみてください。“病気平癒”などのお願いをすると、願いが叶うと伝えられています。
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯之町5
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩4分
公式サイト（外部リンク）
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「圓満寺（えんまんじ）」は、カラフルで可愛い湯玉をモチーフにした“お結び玉”が目を引く恋愛パワースポット。“運命の人に出会いたい”、“好きな人に気付いて欲しい”、“2人でもっと幸せになりたい”…。そんな願いを叶えたい方には抑えていただきたいスポットです。カップル、女子旅では訪れると盛り上がりそうですね！
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯月町4-49
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩7分
電話番号：089-946-1774
公式サイト（外部リンク）
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有名観光スポット揃いの道後温泉ですが、実は知られざる観光地もあるのです。
ここからは人とは違った道後旅を楽しみたい方におすすめの、穴場の観光スポットを3選ご紹介します。
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道後温泉で人気のフォトジェニックな観光スポットが「道後の町屋」。大正末期に建てられた古民家を改装したカフェで、外観を見た瞬間からシャッターを切りたくなるようなおしゃれさ。庭を見渡せる店内で、こだわりの香り豊かなコーヒーやハンバーガーなどが味わえます。
梅雨の時期には庭の紫陽花が見頃。美しい景色を愛でながら、ここでひと息ついては？
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市道後湯之町14-26
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩2分
電話番号：089-986-8886
公式サイト（外部リンク）
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松山・道後温泉からほど近い場所にある熊野山「石手寺」は、四国88ケ所第51番札所。境内にある殆どの建物が国宝や国の重要文化財に指定されているお寺です。
ここには不思議な約200mのトンネル“マントラ洞窟”があり、その向こうには日本のお寺の中とは思えない摩訶不思議ワールドが。途中、スマホのライトに頼るくらいに真っ暗な場所もありますが、トンネルを抜けた先が気になる方は、ぜひ挑戦してみてくださいね！
＜基本情報＞
住所：愛媛県松山市石手2-9-21
アクセス：伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩16分
電話番号：089-977-0870
公式サイト（外部リンク）
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道後温泉のホテルには、道後の湯を気軽に利用できる観光客向けの足湯が数多くあります。宿泊しなくても無料で利用できる足湯も多く、「ホテルの足湯めぐり」を楽しむことも。花が活けられた上品な足湯や、足つぼ効果のある玉砂利の敷かれた足湯など、比べる面白さもありますよ！
足湯めぐりをする際は、持ち物にタオルをお忘れないように。
公式サイト（外部リンク）
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【道後温泉・モデルコース一例】
＜1日目＞
道後温泉駅に下り立つと、坊っちゃんカラクリ時計がお出迎え。そのままハイカラ通りへと進み、買い物しながら、ランチ休憩。お腹を満たしたところで、135段の石段を上って伊佐爾波神社でお参り。その後、道後温泉本館に向かい、石段で流した汗をすっきりさせましょう。湯上りの心地よい体で道後公園へ行き、子規記念博物館を見学。夕方には、宿泊先の宿へ行き、宿の温泉を堪能。
＜2日目＞
まずは松山城へ。天気が良ければ、風を感じられるリフトで行ってみましょう。じっくりお城を見学した後は、麓にある坂の上の雲ミュージアムへ。前日訪れた子規記念博物館での予習もあって、より楽しめることに。道後温泉駅前まで戻り、道後の町屋でランチ。最後にもう一度温泉に浸かるため、道後温泉別館 飛鳥乃湯泉へ。おしゃれな空間で湯上り後も楽しみ、落ち着いたら、帰路へ。
やはり名湯の街ということもあり、さまざまな温泉施設に何度も入りたいところですね。充実した各温泉施設の休憩場所を利用して、夏目漱石、正岡子規、司馬遼太郎を読みながら街を巡るというオリジナルツアーなども企画してみては？その他、温泉付近にお寺や神社が多いので、パワースポットを中心にまわる旅などもいいでしょう。
【道後温泉へのアクセス】
＜飛行機＞
道後温泉の最寄りとなる松山空港からリムジンバスで約43分、タクシーで約30分。
＜鉄道＞
伊予鉄道電停JR松山駅前から道後温泉駅までは市内電車（路面電車）またはタクシーで約25分、伊予鉄道電停松山市駅から道後温泉までは市内電車またはタクシーで約20分。
＜現地での移動手段＞
道後ハイカラ通りや道後温泉本館などの観光スポットは徒歩で回れますが、松山城から道後温泉駅は少し離れているので、市内電車や路線バスを利用するのがおすすめ。道後温泉駅周辺にはレンタサイクルを取り扱う施設もあります。旅行日が土・日・祝日であれば、時間を合わせて坊っちゃん列車に乗ってみましょう。
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Q：道後温泉観光は日帰りでも楽しめますか？
A：松山城や道後温泉本館などの定番観光名所を巡るなら1日で十分可能ですが、せっかくなら温泉宿に1泊して道後の湯を満喫しましょう。
Q：お土産はどこで買えますか？
A：道後温泉駅から道後温泉本館までをつなぐ「道後ハイカラ通り」に飲食店や土産店が立ち並ぶので、食べ歩きをしながらショッピングを楽しみましょう。松山城の最寄り駅となる大街道駅からすぐの「大街道商店街」は松山市で最大の繁華街で、松山三越や複合商業施設のアエル松山もあります。
Q：道後温泉3館が空いている時間帯は？
A：営業開始すぐの早い時間、多くの観光客が宿の温泉を利用する遅い時間帯は比較的空く傾向にあります。各館の混雑状況は道後温泉の公式サイトから確認できます。
Q：坊っちゃん列車は予約できますか？
A：事前予約はできませんが、道後温泉駅からの当日出発便に限って、道後チケットカウンターで整理券が配布されます。くわしくは伊予鉄道の公式サイトをご確認ください。
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メインでもある道後温泉本館。その周辺に歩いて行ける名所がたくさんあるので、初めて訪れる方にも道後温泉は観光しやすい温泉地です。ハイカラ通りに行けば名物の鯛めしなどが食べられる食事処もあるので、宿泊先は素泊まりにして、宿に帰る時間を気にせずに湯めぐりに勤しむのもいいですね。
歴史ある温泉で日々の疲れを癒し、観光もしっかりできる道後温泉は、子連れファミリーからカップルまで、誰と訪れても国内旅行の醍醐味を満喫できる場所。ぜひこちらの記事を参考に旅行の計画を立ててみてくださいね。
（文：木内つばめ）
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