北部イタリア最大の都市ミラノ。古くからファッション関連の産業が盛んで、数多くのブランドを輩出してきました。工業や金融業も盛んであり、イタリア最大級の経済圏を創り出しています。
文化芸術面では世界最大級の大聖堂を中心とした数々の歴史遺産が、スポーツでもプロサッカーチームの拠点が置かれています。今回は、トラベルjp ナビゲーターが現地取材した情報をもとに、魅力あふれるミラノの街で見逃せないスポットをご紹介します。
世界屈指のゴシック建築である「ミラノのドゥオーモ」。1386年に着工し、約500年の歳月をかけて完成された歴史的建築物です。その凛とした美しさで、フィレンツェのドゥオーモと並び、イタリアが世界に誇る大聖堂となっています。その規模は高さ108.5m、奥行158m、最大幅93m。135本の尖塔が特徴的な外観は優しい白色をしており、上階のテラスからは尖塔を間近にミラノの街を一望できます。
体積と面積で世界2位を誇る「ドゥオーモ」内部は、美しいステンドグラスで彩られています。それに加え、床のタイルの模様、光の中に浮かび上がる祭壇、荘厳な宗教画、逞しいゴシック建築の柱など、どこを見ても素晴らしいつくりです。
<基本情報>
住所:Piazza del Duomo, 20122 Milano
電話番号:+39-2-7202-2656
アクセス:メトロ1,3号線ドゥオモ駅から徒歩1分
公式サイト(外部リンク)
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ドゥオーモ広場とスカラ座をつなぐ「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」。カフェ、レストランや、高級ブランド店が軒を連ねる通りは、ヨーロッパ各国にある有名アーケードの原型になったとも言われています。1877年に完成をしたこの建物は八角形の建物に十字型のアーケードを交差させた特徴的なつくりで、天井はガラス張り。交差地点の4つのファサード上部には4大陸を象徴するフレスコ画が描かれており、美しさに拍車をかけます。
アーケード内の床は全面が美しいモザイク張り。中央部のガラスドーム下にある、幸運を招くと言われる“牡牛を描いたトリノの紋章”は特に必見。市民や旅行客たちに倣って、窪みにかかとをつけたまま一回転してみましょう!
<基本情報>
住所:Piazza Duomo, 20123 Milano MI, Italy
電話:+39-2-7740-4343
アクセス:地下鉄1・3号線ドゥオーモ駅すぐそば
公式サイト(外部リンク)
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世界三大劇場に挙げられるミラノの「スカラ座」。1778年の設立以来、この舞台で数々の偉大なオペラ作品が初演されました。イタリア発祥のオペラに不動の地位を与えたともいえる「スカラ座」では、現在も毎晩のように世界最高峰のプログラムが催されています。オペラはほとんどが原語(イタリア語かドイツ語)で歌われますが、各席の前には字幕表示があり、原語か英語かを選択できます。オペラは数時間、何幕にもわたる長丁場ですので、物語の予習をしてから行くのがおすすめです。
併設する“スカラ座博物館”では、長い歴史で実際に使われた衣装や楽器、楽譜が数多く展示されています。18世紀からイタリアの人々に愛され続けるスカラ座の歴史を学べるスポットです。
<基本情報>
住所:Largo Antonio Ghiringhelli, 1, 20121(スカラ座内)
電話番号:+39-2-8879-7473
アクセス:ドゥオーモから徒歩4分
公式サイト(外部リンク)
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ミラノを訪れたら見ておきたいのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作『最後の晩餐』。実はこの作品、「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」の食堂の壁画として描かれたもの。教会はルネサンス期最大の建築物として、壁画を含めた建物全体が世界遺産に登録されています。赤レンガと大理石を使用した建物は多角形のドームが目を引く外観と、ルネサンスの香りが残る壮麗な内装が印象的。
『最後の晩餐』を見るためには、インターネットでの事前予約がおすすめです。1〜2名などの少人数であれば当日券を購入できることもありますが、入場時間はほぼ選べません。さらに見学時間は15分以内と決められており、フラッシュを使用しての写真撮影は禁止。しっかりと目に焼き付けてみてください。
<基本情報>
住所:Via Giuseppe Antonio Sassi, 3 Milan
開場時間:8:15〜18:45
アクセス:地下鉄1・2号線カドルナ(Cadorna)駅から徒歩7分
公式サイト(外部リンク)
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ドゥオーモ広場から徒歩でアクセスできる立地にあるのが、ミラノのルネッサンス期最大の宮殿「スフォルツェスコ城(スフォルツァ城)」。14世紀にヴィスコンティ家により建てられた居城で、その後に改装・増築が繰り返され、欧州有数の規模を誇る重厚な石造りの複合施設となりました。入り口正面に高くそびえる“フィレーテの塔”の周囲に回廊が巡らされ、内側に広い中庭があります。
城の内部に設けられた市立博物館には、古代美術、絵画、古代エジプト、装飾芸術、アンティーク家具と木彫作品、楽器など、さまざまな部門に分かれた展示が見られます。ミラノ公国の歴史を伝える膨大な数のコレクションのほかに、ミケランジェロの最後の作品『ロンダニーニのピエタ』や、ベッリーニの作品なども見学できるのが嬉しいポイントです。
<基本情報>
住所:Piazza Castello, 20121 Milano,
開城時間:7:00〜19:30
休館日:月曜日
アクセス:地下鉄1号線カドルナ(Cadorna)駅とカイロリ(Cairoli)駅、地下鉄2号線ランツァ(Lanza)駅、国鉄ミラノ北(ノルド)駅からそれぞれ徒歩2〜3分
公式サイト(外部リンク)
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見逃せない伊・ミラノの古城「スフォルツァ城」と寛ぎ公園センピオーネby Hiroko Oji
“スフォルツェスコ城(スフォルツァ城)”を散策した後は、城の裏手に広がる緑豊かな「センピオーネ公園」へ。かつて領主の森だった広大な公園内には、アレーナや水族館、公園タワー、市立図書館などが設けられています。芝生に木蔭、小さな池の周囲に遊歩道が巡らされたミラノ市民の憩いの場は、ひと休みにぴったり。
城を背にして正面一番奥に小さく見えるのは、高さ25m、幅24mのネオクラシック様式の凱旋門“平和の門”です。ファサード上部を飾る彫像は大理石とブロンズでできており、ライプッツィヒの戦いやウィーン会議など、重要な歴史的出来事を物語っています。最上段に乗るナポレオン像にも注目!イタリアの彫刻家アッボンディオ・サンジョルジョの作品『6頭馬車の像』です。
<基本情報>
住所:Piazza Castello, 20121 Milano,
アクセス:スフォルツェスコ城に隣接
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現代の水の都といえばヴェネツィアですが、かつて、ミラノの中心街には運河が張り巡らされ、街の経済的発展を支えていました。14世紀に運河のほとんどは埋め立てられてしまいましたが、ミラノの南部にある「ナヴィリオ地区」には、当時の運河の一部が残されています。
ミラノと言えば思い浮かぶ石造りのシックな街並みとは対照的に、「ナヴィリオ地区」の街並みは色鮮やか。当時の運河の一部に沿って、セレクトショップやカフェが軒を連ねます。お値段が手頃で美味しいピッツェリアやアペリティーボ(ハッピーアワー)ができるバーレストランが並び、ちょっとしたディナーを取るのにぴったり。特に、夏の夕暮れ時の運河のセンチメンタルな雰囲気は格別です。
<基本情報>
住所:Naviglio di Pavia, 20142 Milano
アクセス:地下鉄のポルタジェノヴァ(PORTA GENOVA F.S)駅から徒歩すぐ、駅から運河までは徒歩5分ほど
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鉄道玄関口の「ミラノ中央駅」は、国内とヨーロッパを結ぶ巨大ターミナル。その乗降数は1日約40万人、年間145億人と言われています。1864年開設後、交通量の需要を支えるため、1931年に建築家ウリッセ・スタッキーニ氏の設計で現在のミラノ駅が完成。
そんな「ミラノ中央駅」は、世界的建築家のフランク・ロイド・ライト氏が“世界で最も美しい駅”と称賛した駅。正面入り口は巨大なアーケードとなっており、アールデコ様式とリバティー様式を取り入れたレリーフ彫刻で装飾されています。また、21番線ホームには、王の部屋と武器室に分けられたサヴォイア家と王室の待合室“王の間”が設けられています。その華やかな内装は、電車を利用せずとも一見の価値ありです!
<基本情報>
住所:Piazza Duca d’Aosta, 1、20124 Milano
公式サイト(外部リンク)
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イタリアサッカーの聖地と言っても過言ではない「ジュゼッペ・メアッツァ・スタジアム(サン・シーロスタジアム)」は、最大収容数8万人超えの競技場。90年以上の歴史を持つ古いスタジアムで、イタリアプロサッカーリーグ、セリエAの強豪・インテルミラノとACミランのホームスタジアムです。伝説の選手・ジュゼッペ・メアッツァの業績を称えて、1980年に「ジュゼッペ・メアッツァ・スタジアム」と名付けられましたが、一般には、“サン・シーロ”という呼び名が定着しています。
セリエAの開幕シーズン5月〜9月にはイタリアの熱狂的なサッカーファンが集い、地響きのような歓声が上がります。シーズンオフの時期ならば、サン・シーロ博物館を訪れてみましょう。トロフィーやユニフォームを見られますよ。
<基本情報>
住所:Stadio Giuseppe Meazza, 20151 Milano
電話番号:+39-2-4879-8201
アクセス:地下鉄のSanSiroStadio駅から徒歩すぐ
公式サイト(外部リンク)
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伝統的ミラノ料理はナブッコへ!ヴェルディオペラが息づくレストランby Etsuko Ciao
「ブレラ通り」は、静かで昔ながらのミラノの町並みが今も息づくエリア。“ブレラ絵画館”やアートギャラリーなどがあり、オペラで世界的に有名な“スカラ座”からもほど近いことから、アートの拠点としても親しまれています。通りには、劇場のような雰囲気を楽しみながらローカルグルメに舌鼓を打つ、伝統を大切にしたレストランも点在。美食を求めて訪れてみるのもおすすめです。
「ブレラ通り」散策の際には、主にルネッサンス期のイタリア絵画を豊富に揃える“ブレラ絵画館(ブレラ美術館)”に立ち寄ってみましょう。1階は美術大学になっており、2階の美術館には巨匠ラファエロやアンドレア・マンテーニャ、ピカソなど著名な芸術家たちの傑作が並びます。
<ブレラ絵画館の基本情報>
住所:Via Brera 20121 Milano
電話番号:+39-2-72105-141
営業時間:9:00〜18:00
アクセス:地下鉄montenapoleoneから徒歩約5分
公式サイト(外部リンク)
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ファッションとデザインの街、ミラノを象徴するのが「モンテナポレオーレ通り」。“ミラノのドゥオーモ”からは徒歩約10分の場所にあります。約500mのストリートには、プラダ、グッチ、フェラガモ、フェンディなど最先端イタリアンモードのショップが勢ぞろい。おしゃれなミラノの人々が行き交うファッションの発信地で、華やかに演出されたショーウィンドウを眺めるだけでも心が弾みますよ。
ファッション以外のお店も見逃せません。ケビン・コスナー、オードリー・ヘプバーンなどのハリウッドスターも愛用するイタリア発の香水ショップ“アクア・ディ・パルマ”でお気に入りの香りをゆっくり選んだり、老舗菓子店でティータイムを楽しんだりと、思い思いの楽しみ方ができます。
<基本情報>
住所:Via Monte Napoleone, 20121 Milano
アクセス:地下鉄M2線モンテナポレオーレ駅から徒歩すぐ
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モードの発信地「ガリバルディー地区」は、2015年に行われたミラノ万博を期に、大々的な再開発が行われたことでさらに進化を遂げたショッピングスポットです。高層ビルが建ち並ぶこちらの地区には、有名ブランドのお店のほかに個性的なセレクトショップも点在。
特に人気を集めるのは、VOGUE元編集長がオーナーのセレクトショップ“10 CORSO COMO”。迷路のような店内にありとあらゆる雑貨が置かれたセレクトショップ“HIGH TECH”と、イタリア中の美食が集まるイタリア食材販売ショップの“EATALY”はお土産探しにもおすすめ。“EATALY”では、地元ならではの新鮮食材をイートインでいただくこともできますよ。
<基本情報>
アクセス:地下鉄ポルタ・ガリバルディ駅周辺
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初めてのミラノ旅!王道観光スポットを巡る1日モデルコースby Etsuko Ciao
アートやファッション、グルメにサッカー観戦など、さまざまな楽しみ方が叶う街、ミラノ。目的に合わせて宿泊日数や泊まるエリアを調整してみると、効率よく観光することができますよ。今回は、イタリア・ミラノを公共交通機関と徒歩で巡る、1泊2日のモデルコースをご紹介します。
【ミラノ・モデルコース一例】
<1日目>
“世界で最も美しい駅”と称される「ミラノ中央駅」から観光をスタート。メトロに乗ってまずはミラノの象徴的存在、「ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)」を目指します。建物内外から荘厳な美しさを堪能したあとは、徒歩すぐの「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」へ。幸運を招く紋章もお見逃しなく。「スカラ座」を見学後、ブレラ通りでミラノの伝統料理に舌鼓。
午後は「スフォルツェスコ城」を訪れ、広大な城を探索しましょう。城内の展示物の豊富さは、思わず時間を忘れるほど。雨の日に訪れるのもおすすめです。天気が良ければ、「センピオーネ公園」でひと休み。本格イタリアンディナーを堪能し、1日目を締めくくります。
<2日目>
翌日は「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」からスタート。朝の静謐な空気の中、『最後の晩餐』を鑑賞します。昼食は「ナヴィリオ地区」の運河沿いで。午後は「モンテナポレオーレ通り」や「ガリバルディー地区」でショッピングを楽しみます。夕暮れ時には「ナヴィリオ地区」を再訪し、美しいサンセットを眺めながら軽食を楽しむのもいいですね。ロマンチックな雰囲気は、カップルでの旅も彩ってくれます。
最後に、見どころがいっぱいのミラノを訪れる場合は、“ミラノカード”や“ミラノパス”などの観光チケットが便利。ドゥオーモや博物館、美術館などに割引価格で入場できたり、地下鉄やバスなどの交通機関を無料で利用できたりといった特典が含まれたパックです。事前予約と購入をしておくことで、予算内でお得に観光ができると旅行者に人気を集めています。子連れのファミリー旅行なら、子ども料金の設定がある観光チケットがおすすめです。
くわしいモデルコースは、下のリンク先からぜひチェックしてくださいね!
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ミラノはハイレベルな文化と経済、エンターテイメントが融合した、多面的に楽しむことのできる街で、古典とモダンの調和も見どころです。この記事で紹介したスポットを巡れば、多彩なミラノを体験できること間違いなしですよ。
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(2025/2/16更新)
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