タイ旅行で人気のスポットが、世界遺産にもなっているアユタヤ。魅力は、何といっても歴史が作り上げた遺跡でしょう。1351年に始まったアユタヤ王朝は1767年までの約400年間続き、泰緬戦争(たいめんせんそう)によるビルマ軍からの壊滅的な攻撃により終わりを告げました。当時の戦の名残は現在のアユタヤ遺跡の一部となって、今もなお語り継がれています。
トラベルjpナビゲーターが現地取材した情報を基に、元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター 木内つばめがアユタヤのおすすめ観光スポットをご紹介します。
東西に並ぶ3基の仏塔が特徴の「ワット・プラ・シーサンペット」。アユタヤ王宮において、最も重要な寺院といわれています。1767年、ビルマ軍から攻撃を受ける前には、本堂があり、高さ約16mもの純金で覆われた立仏像がありました。戦争終、寺院は修復されて現在の姿となり、今ではアユタヤの仏教遺跡群でも特に景観が美しいと人気です。
<基本情報>
住所:Amphur Muang, Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約7分
公式サイト(外部リンク)
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「ワット・マハタート」は、13世紀の重要な寺院のひとつ。王室の聖域であり、スコータイ最大の寺院です。ビルマ軍の侵略により、ほとんどが廃墟と化しています。特に有名なのが、ビルマ軍によって切り落とされた仏像の頭。長い年月を経て、木の根に取り込まれてしまいました。時間の経過を実感するとともに、「もしここが壊されずに残っていたら…」という壮大な想像もせずにはいられないでしょう。
なお、この仏頭の前で写真を撮る際は、仏頭よりも頭が低くなるように撮影しなくてはいけないのでご注意を。
<基本情報>
住所:Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約5分
公式サイト(外部リンク)
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アユタヤの西方に位置し、長さが約28mもの寝大仏がある「ワット・ロカヤ・スターラーム」。笑みを浮かべているような表情は、80歳で入滅(生死を超越し、煩悩が昇華すること)したブッダを表現しています。
周囲に建物もなく、青い空のもとにゆったりと横たわっている光景が不思議な魅力を与えてくれるでしょう。
<基本情報>
住所:Pratuchai Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約10分
公式サイト(外部リンク)
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アユタヤ王朝初期の寺院「ワット・プラ・ラーム」。現在でも戦争当時の名残を見ることができます。境内の中心には塔堂があり、本堂と7つの礼拝堂の跡が今でも残っています。朽ちかけている建築物や壊されてしまったブッダを見学できる貴重な場所です。
ここは初代・ウートン王の葬儀が営まれた場所。その王の命によって掘られたとされる池もあり、現在は整備されて市民の憩いの場となっています。
<基本情報>
住所:Amphur Muang, Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約5分
公式サイト(外部リンク)
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「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」は、初代ウートン王が修行僧たちの瞑想する場として設けた寺院。高さ約72mある仏塔は、1592年に一騎打ちでビルマ王子を敗り、勝利をおさめた記念に建てられたものです。仏塔の中には階段があり、登ることが可能。寺院が建てられた歴史に思いをはせながら、内部も見学してみましょう。
<基本情報>
住所:Khlong Suan Phlu Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルからタクシーで約15分
公式サイト(外部リンク)
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タイ最大のブロンズ製の仏像を安置している「ヴィハーン・プラ・モンコン・ボピット」。例にもれず、ビルマ軍によって一度破壊されましたが、修復されて現在の姿になっています。修復の際には、仏像の体内から何百体もの小さな仏像が発見されたとのこと。
屋外の遺跡が多いアユタヤで、青い空の下に佇む色彩豊かな建物の外観が新鮮に感じられるでしょう。朱色と白のコントラストに視線を奪われます。
<基本情報>
住所:Pratuchai Phra Nakhon Si Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約7分
公式サイト(外部リンク)
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繊細で美しい景観を持つ「ワット・チャイワタナラーム」。アユタヤ遺跡のメインエリアから少し離れた場所にあるものの、寺院ツアーに組み込まれることが多く、観光客にも行きやすいスポットです。
タイのテレビドラマの撮影地になったことから、現地の女性の恋愛パワースポットにもなっている寺院。また美しいサンセットが眺められる場所としてもよく知られています。
<基本情報>
住所:Tambon Baanpom, Amphur Pra Nakorn Sri Ayutthaya, Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約20分
公式サイト(外部リンク)
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1424年に建てられた「ワット・ラチャブラナ遺跡」。建立者はアユタヤ王朝8代王ボーロマラーチャーティラート2世です。実は8代目の王位を巡って、ボーロマラーチャーティラート2世の2人の兄が対立。ゾウに乗って戦い、両者とも相討ちで命を落としてしまいました。よって王位を継承したのが弟となったのです。2人の兄を火葬した場所が、このワット・ラチャブラナ遺跡と言われています。
1958年の修復時には、多くの宝物類が発掘されました。現在、チャオ・サン・プラヤー国立博物館に展示されています。
<基本情報>
住所:Pratuchai Phra Nakhon Si Ayutthaya
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約5分
公式サイト(外部リンク)
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アユタヤ仏教遺跡群の中心地から少し離れた場所にある「ワット・マヘーヨン」。立地条件により、ビルマ軍からの攻撃から多少逃れられたため、当時のものが比較的に残っている寺院です。自然と調和し、静けさに包まれて落ち着いた雰囲気で、のんびりとアユタヤの遺跡を鑑賞するにはおすすめの場所です。
<基本情報>
住所:Tambon Hantra, Amphur Pra Nakorn Sri Ayutthaya, Ayutthaya 13000
アクセス:アユタヤバスターミナルから車で約15分
公式サイト(外部リンク)
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アユタヤの遺跡をゾウに乗って回れる観光名物「エレファント・ライド」。ゾウはかつて王様の乗り物でしたが、現在では気軽にアクティビティとして利用でき、アユタヤ遺跡の観光をさらに魅力的にしてくれます。ゆっくりとしたスピードで歩くゾウは、観光客から大人気。高い目線から見るアユタヤ遺跡は、ひと味ちがった風景となるでしょう。
<基本情報(アユタヤ エレファントキャンプ)>
住所:Forest Road, next to one worthwhile KHUNPAEN Ayutthaya Historical Park.
アクセス:観光案内所(TAT)から徒歩約5分
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2010年にオープンした「アヨダヤ水上マーケット(Ayothaya Floating Market)」。伝統的なタイの建築を再現したテーマパークであり、古い言い方の“アヨダヤ”が施設名にもなっています。
水上マーケットですが、ここの名物はショー!船に乗った俳優の名演技、口に含ませた血糊まで出す戦闘シーン、臨場感溢れる炎の演出…など、見どころがたくさん。笑いもあり、子ども連れのファミリーにも喜ばれるスポットです。
<基本情報>
住所:65/12 Moo 7 Pailing, Ayutthaya
アクセス:バンコクから車で約1時間半
公式Facebook(外部リンク)
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アユタヤは見どころがいっぱいですが、バンコク滞在中に1日観光で訪れるというスタイルが定番。その1日をまるっと使って、歴史とエンタメを楽しむ、次のようなプランはいかがでしょう?
【アユタヤ・モデルコース一例】
<午前>
早朝、ロットゥー(乗合バス)でバンコクを出発し、約1時間でアユタヤへ。まずは「ワット・プラシーサンペット」からスタート!続けて「ワット・ロカヤ・スターラーム」も見学。2ヶ所巡ったところで、近くの「アユタヤ エレファントキャンプ」へ行き、今度はゾウの上からアユタヤの遺跡を眺めることに。再度歩きながら「ワット・マハタート」、「ワット・ラチャブラナ遺跡」と、街の雰囲気を楽しみながら訪問。途中で見つけたお店でランチ休憩。
<午後>
遺跡観光からちょっと趣向を変えて、トゥクトゥクで「アヨダヤ水上マーケット」へ。ショーやショッピングを楽しみつつ、冷たい飲み物で小休止も取る。アユタヤ観光のフィナーレとして、夕暮れ時を狙って再度トゥクトゥクで「ワット・チャイワタナラーム」へ。遺跡を照らしながら沈みゆく太陽の美しさに言葉を失う。たっぷり満足したところで、ロットゥーに乗り込みバンコクへ。
一筆書きできるように回るのもいいですが、歴史の流れに沿って順番に観光するのも面白みがあります。またアユタヤにはレンタル自転車やレンタルバイクのお店もあるので、そういった乗り物を活用するのもいいでしょう。
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アユタヤは、バンコクから北上すること約80km。ロットゥーのほか、鉄道を使って訪れることも可能です。ローカルの人々に混じってアユタヤに向かう体験も「自分で旅をしている!」という高揚感を味わえますが、不安な方はオプショナルツアーを利用しましょう。スムーズに観光でき、日本語ガイド付きであれば説明を聞きながら遺跡を見学することができます。
アユタヤを訪れる際は、歴史の流れ、各寺院が建立された理由など少し予備知識をつけておくと、より深い観光になります。ぜひタイに向かう機内でも間に合うので、ちょっと触れて見てくださいね。
2024年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
(文:トラベルjp ナビゲーター 木内つばめ)
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