イスタンブールはヨーロッパとアジアにまたがるトルコの大都市で、東西文化が出会う合流点。イスタンブールの中心を貫く幅約1qのボスポラス海峡。その両岸に世界遺産に登録されている“イスタンブール歴史地区”が広がり、ブルーモスクやトプカプ宮殿、グランバザールなど、トルコの歴史と文化を語るような観光スポットが集中しています。またイスタンブールは“猫の都”とも言われ、街中で多くの猫ちゃんに出会う和やかさも持ち合わせています。
トラベルjp ナビゲーターが現地取材した情報を基に、元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター 木内つばめがイスタンブールのおすすめ観光スポットをご紹介します。
1467年に完成した「トプカプ宮殿」は、オスマン帝国の繁栄を象徴する建物。幾度となく増築を重ねてきたため、小さな建物や部屋、数多くの庭園と離れが連なる、迷路のような宮殿です。そのため、異なる時代の建築様式を見比べる楽しさもあります。
壁にはゴールドの装飾が施されるなど絢爛豪華な内装で、当時の贅を極めた生活が垣間見れるような場所。宮廷の女たちの生活の場であり、戦いの場でもあった後宮“ハレム”では、工芸技術がいかに優れていたかを強く感じることができるでしょう。
<基本情報>
住所:Sultanahmet, Fatih, Istanbul
アクセス:トラム・スルタンアフメット駅から徒歩5分
公式サイト(外部リンク)
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“聖なる叡知”と名付けられた「アヤソフィア大聖堂」は、イスタンブールを代表する世界遺産。西暦360年に建設され、その後西暦537年に再建されたキリスト教の大聖堂です。15世紀のオスマン帝国時代にはミナレットを加えてモスクに転用。20世紀に入ると、今度は無宗教の博物館へと転換。しかし、2020年にトルコ政府はアヤソフィアを再びモスクにすることを発表し、現在はイスラム教徒以外も訪問できる場になりました。
長い歴史の中で目まぐるしい変貌を遂げてきたアヤソフィア大聖堂。聖堂内の大きさと荘厳さを一目見ると、各時代で重要視されきたことに納得するでしょう。
<基本情報>
住所:Ayasofya Meydani 1, Cankurtaran, Istanbul
アクセス:トラム・スルタンアフメット駅から徒歩2分
公式サイト(外部リンク)
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世界で最も美しいモスクと評され、1985年に世界遺産に登録された「スルタンアフメット・ジャミィ」。「ブルーモスク」の名で親しまれるトルコを代表するこの寺院は、オスマン帝国時代の1616年に建造されたもの。オスマン建築の傑作とも言えるでしょう。
ライトアップされた外観のエキゾチックな様相もさることながら、内部の偉容も圧巻。青を基調にしたイズニックタイル(トルコの伝統工芸品)が21,043枚も敷き詰められています。神聖な花とされているチューリップが多く描かれているのが特徴的。ちなみにチューリップの原産はオランダではなく、トルコなのですよ。
こんなに見応えある観光スポットなのに、入場料が無料というのも素晴らしいですね!
<基本情報>
住所:At Meydani No.10, Fatih, Istanbul
アクセス:トラム・スルタンアフメット駅から徒歩2分
公式サイト(外部リンク)
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世界遺産に登録されているイスタンブールの歴史地区にある「地下宮殿」は、ビザンチン帝国時代に建設された地下貯水施設。まだ技術がそれほど発達していない西暦527年に造られたにもかかわらず、現存する東ローマ帝国の貯水槽としては最大のもの。長さ141m、幅73m、高さ8mにおよび、100,000トン近くも貯水が可能とのこと。
大規模な修復を行い、2022年にリニューアルオープンした地下宮殿は、幻想的な空間をトルコ人アーティストの作品などでより魅力的に演出されています。一度見学したことのある方も、新しい姿を確かめに訪れてみては?
<基本情報>
住所:Yerebatan Cad. Alemdar Mah. 1/3, Fatih, Istanbul
アクセス:トラム・スルタンアフメット駅から徒歩5分
公式サイト(外部リンク)
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トルコ最大級の市場といえば「グランバザール」。元々は1461年に時のスルタンが作った小さなバザールでした。現在は3万700平方メートルもの敷地に4,000以上の店が並ぶ、屋根付きの巨大バザールへと発展。
路地ごとに販売されている商品が決まっており、宝石、陶器、絨毯、衣料品、アンティーク、お土産物などに分かれています。さらに飲食店や宿泊施設も加わり、市場だけどもはや集落のようなもの。じっくり見るなら、数日に分けて訪れるとよいでしょう。
<基本情報>
住所:Beyazit, Fatih, Istanbul
アクセス:トラム・ベヤズィット駅から徒歩3分
公式サイト(外部リンク)
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「イスティクラル通り」は、イスタンブール新市街きっての繁華街。トゥネル広場からタクシム広場までの約1.4kmを結ぶストリートです。通りの両側には19〜20世紀の欧風スタイルの建物が並び、その通りの真ん中をレトロな路面電車が走行。古い趣の通りですが、国内外のファッションブランド店、おしゃれなカフェやレストランが大集結!買い物、食事を楽しみたいと思ったら、とりあえずイスティクラル通りへ足を運んでみましょう。
<基本情報>
住所:Beyoglu/Istanbul
アクセス:地下鉄シシャーネ駅またはタクシム駅から徒歩10分
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イスタンブールはアジアとヨーロッパがちょうど交差する街。その中心を貫くように両者を隔てているのが、黒海と地中海を繋ぐ「ボスポラス海峡」です。全長35kmで、幅は狭いところで約1km。古くから地中海の海上交通の要衝として歴史の舞台になってきました。
ボスポラス海峡の名物といえば、クルーズ船。1時間半〜2時間程度で周遊できる予約不要のショートクルーズにも気軽に参加できます。ぜひ海上からも、ガラタ塔やトプカプ宮殿を見てみてくださいね。
<基本情報>
アクセス:クルーズはエミノニュ埠頭から出航
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イスタンブールの中心部から少し離れた大城壁地区にある「カーリエ博物館」は、ビザンチン美術の歴史を紐解くことができるような場所。ビザンチン美術とは、5〜15世紀の東ローマ帝国で発達した、キリスト教の要素を含んだ独特な美術体系です。
輝く黄金の地に細密な描写であらわされたモザイクは、まさに洗練の極み。小さな聖堂であるものの、開けてみるとため息の出るようなモザイクに出会える宝石箱のような場所です。
<基本情報>
住所:Kariye Camii Sok. No.18, Edirnekapi, Fatih, Istanbul
アクセス:地下鉄エディルネカプ駅から徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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「リュステム・パシャ・ジャミィ」は、著名な建築家であるミナール・スィナンによって設計されたモスク。ひっそりと咲く花の様な慎ましい外観でありながらも、その内装の美しさは目を見張るもの。柱、天井、壁すべてが、幾何学文様や花をモチーフにしたイズニック・タイルで見事に仕上げられています。計算し尽くされた配色と模様からは、イスラム世界の美を痛感させられるでしょう。
リュステム・パシャ・ジャミィで特に注目していただきたのが、タイルのカラー。ここで使われている赤色は“サンゴの赤”と呼ばれる、イズニックタイル初期のカラーです。なかなかお目にかかれない貴重なものですよ。
<基本情報>
住所:Rustem Pasa Mah., Fatih, Istanbul
アクセス:トラム・エミノニュ駅、またはエミノニュ桟橋から徒歩約5分
公式サイト(外部リンク)
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“埋め立てられた庭園”という意味を持つ「ドルマバフチェ宮殿」。その名の通り、ボスポラス海峡に面して埋め立てられた場所にある宮殿です。床面積がトルコ最大の宮殿で、テーマが異なる285室の部屋、そして43ものホールを要する、大規模なもの。ただ広いだけではなく、芸術的なヘレケ絨毯、バカラクリスタルなど装飾もこだわり抜かれています。現在は迎賓館として活躍中です。
<基本情報>
住所:Dolmabahce Cad., Besiktas, Istanbul
アクセス:トラム・カバタシュ駅、またはカバタシュ桟橋から徒歩3分
公式サイト(外部リンク)
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「ガラタ塔」とは、イスタンブールのカラキョイ地区にある石造りの塔。オスマン帝国時代には火災を発見する火の見櫓として活躍していました。塔は9階建てで、高さは69.9m。そんなにも高くはないものの、小高い丘の上に建っているため、展望台からは自然と建物が織りなすイスタンブールの街を360度一望することができます。ゆったりとした時間を過ごすことができるカフェ&レストランも併設されているので、休憩に合わせて訪れてみては?
<基本情報>
住所:Bereketzade, Galata Kulesi, Beyoglu, Istanbul
アクセス:地下鉄・シシハーネ駅から徒歩5分
公式サイト(外部リンク)
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建築家ミマール・シナンの最高傑作と言われている「シュレイマニエジャーミィ」。1557年、オスマン帝国を最盛期に導いた第10代皇帝スレイマン1世の命により建てられたもので、ミナレットの4本はスレイマン大帝がイスタンブールの征服後4番目のスルタンであることを示し、10個のバルコニーは10代目のスルタンであることを表しています。
シュレイマニエジャーミィの見所は、1枚1枚にアラビア文字や花模様が描かれたステンドグラス。人物や動物などを描くことが禁止されているイスラムならではのステンドグラスをお目にかかれます。
<基本情報>
住所:Eminonu, Prof. Siddik Sami Onar Cd, 1-45, 34116 Suleymaniye, Istanbul,
アクセス:トラム・ベヤズット駅から徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
「ガラタ橋」は、金角湾に架かる可動橋。旧市街のエミノニュ桟橋、そして新市街のカラキョイ桟橋を結んでいます。
橋は2階建て構造になっていて、上階は車・トラム・徒歩での通行が可能で、多くの人々が釣りを楽しむ光景も見られます。一方、下階にはトルコ料理店やシーフードレストランが軒を連ね、船舶が往来する湾を望みながら食事することができます。夕方にはガラタ橋から旧市街に沈んでいく美しいサンセットを見ることも。日没時間をチェックして訪れてみてくださいね。
<基本情報>
住所:Kemankes Karamustafa Pasa, Galata Koprusu, 34425 Beyoglu/Istanbul
アクセス:トラム・エミノニュ駅から徒歩8分、またはトラム・カラキョイ駅から徒歩7分
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トルコ初の博物館「イスタンブール考古学博物館」。3つの博物館から構成されており、世界史のほぼ全ての時代と文明にわたるものが、100万点以上も収蔵されています。この博物館の目玉は“アレクサンドロス石棺”。壮麗な装飾が施された古代美術品で、保存状態も良く、たいへん価値のあるものと評されています。
トルコの歴史や考古学に触れたい方は必見の場所。また悪天候の日、暑すぎる日にも、こういった博物館が重宝されますね。
<基本情報>
住所:Cankurtaran, 34122 Fatih/Istanbul
アクセス:トラム・スルタンアフメット駅から徒歩10分
公式サイト(外部リンク)
トルコ旅行といえば、1週間以上かけて数都市を周遊するツアーが多いですが、長い休みを取るのが難しい方も多いでしょう。日本からの直行便が就航しているイスタンブールは、一点集中で観光するモノステイでもトルコらしい旅が体験できる場所。今回は土日に有給3日をプラスすれば叶えられる、3泊5日のモデルコースをご紹介します。
【イスタンブール・モデルコース一例】
<1日目>
直行便で約13時間半、イスタンブールに到着。ホテルに着くとすでに夜。近くのレストランで軽く食事し、就寝。
<2日目>
早朝から観光スタート。まずは「ガラタ橋」へ。昨夜は暗くてわからなかったイスタンブールの景色を目にし、トルコに来たことを実感!橋の下階部分にあるカフェでトルココーヒーを飲みながら、しばし海を眺める。続いて「ブルーモスク」へ。緻密でゴージャスな内装をたっぷり堪能。サバサンドと言われるトルコ名物のバルック・エクメーイを昼食にし、食後は「アヤソフィア大聖堂」へ。キリスト教の大聖堂であった名残を探しながら見学。「グランドバザール」でショッピングをし、トルコテイストの服やアクセサリーを購入。
<3日目>
午前中が比較的空いているとのことで、最初に「トプカプ宮殿」へ。陶磁器や宝石のコレクションの美しさに夢中になる。次は「地下宮殿」へ潜入。昨日今日と見てきたモスクや宮殿とは違う、幻想的な空間。今までの観光地にはない雰囲気に新鮮さを感じる。「イスティクラル通り」へ向かい、シシ・ケバブをランチに食べる。そのまま通りを散策し、気になるお店でお買い物。一旦ホテルへ戻り、昨日「グランドバザール」で購入した服に着替えて、「ボスポラス海峡」のディナークルーズへ。
<4日目>
モスクや大聖堂を見ているうちに、やっぱり行きたくなったので「カーリエ博物館」を訪れることに。美しいビザンチン美術に感動。イスタンブールを去る前に、しっかり街の景色を見ておこうということで「ガラタ塔」へ。イスタンブールを360°のパノラマビューで目に焼き付ける。塔のすぐ近くに眺めの良さそうなレストランがあったので、そこで昼食をとることに。もう少しお土産を買いたいと思い、「グランバザール」へ再度赴き、まだ見ていなかったエリアを散策。トルコのお守りやとっても甘さそうなスイーツを購入。ホテルに荷物を取りに行き、空港へ。深夜の便に搭乗する。
<5日目>
タクシーをあまり使わずにひたすら歩いて観光していたため、帰りの機内ではぐっすり。目覚めることに、日本に到着。
イスタンブールのヨーロッパ側を中心とした市内観光をご紹介しましたが、中4日間以上の滞在であれば、アジア側にあるカドゥキョイ地区や、近郊の名所へと足を延ばしてもいいですね。
くわしいモデルコースは、下のリンク先からぜひチェックしてくださいね!
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贅を極めた豪華絢爛な宮殿や、博物館に展望塔、さらには海峡クルーズなど、イスタンブールには歴史や文化を体感できるような観光スポットがいっぱい。ナイトライフを充実させてくれるエリアもありますが、メイン通りを一歩離れると治安が悪い場所もあるので注意しながら楽しみましょう。
短い休みだからトルコは無理…と諦めず、直行便を活用してイスタンブールを集中的に観光し尽くす旅も検討してみてくださいね!
(文:木内つばめ)
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