駿河湾と富士山を有する静岡県は、有名温泉地の宝庫!新幹線も停車する熱海や海の恵みをたっぷり堪能できる伊豆半島をはじめ、県内各地に魅力的な温泉が点在しています。週末を利用して首都圏から気軽に行ける立地であることも、人気の理由でしょう。
トラベルjpナビゲーターが現地取材した情報を基に、元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター木内つばめが、静岡のおすすめ温泉をご紹介します。
海底から温泉が湧き上がり、魚たちが死んでしまうほど海が熱くなったことで地名が付けられたとも言われている「熱海温泉」。新幹線はもちろん、サフィール踊り子も停車するため、鉄道旅の目的地としても人気の温泉地です。
駅に降り立つと、すぐに足湯がお出迎え。海上花火大会が行われることで知られている開放感あるビーチが続き、温泉街とリゾート地が共存しているような雰囲気が熱海温泉の特徴。宿泊施設は海沿いだけではなく、山腹の眺望豊かな場所にも点在しており、どこに泊まればよいか迷うほど潤沢です。
熱海駅からほど近い立地にしてプライベート感の高い“熱海 ふふ”は、全客室スイート仕様の特別感ある宿泊施設。オーシャンビューが自慢のホテルが多い熱海ですが、ここは木々に包まれた露天風呂があり、毛色を変えた熱海温泉を味わえる場所です。
<基本情報>
住所:静岡県熱海市
アクセス:
【電車】JR熱海駅からすぐ
【車】厚木ICから車で約50分、または沼津ICから車で約40分
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉、単純温泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、動脈硬化症、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、婦人病など
宿泊施設数:60
特徴:源泉500本以上、総湧出量約18,000L/分と日本有数の温泉量を誇る熱海温泉。かつてはほとんどが硫酸塩泉でしたが、海水が広範囲に浸入して塩化物泉の分布が広がりました。内陸部では現在も硫酸塩泉の温泉が多く残っています。
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東伊豆を代表する温泉地「伊東温泉」。昭和初期に建てられた木造建築が並ぶ光景は、懐かしい空気を放ち、訪問者の心をほぐしてくれるような場所です。古く平安時代から愛されている温泉地で、江戸時代からは湯治場としても親しまれてきました。源頼朝、徳川家光、室生犀星、北原白秋…と歴史に名を残した人物たちも足を運んだ名湯です。
賑やかな伊東温泉の中で落ち着きを放つ“青山(せいざん)やまと”は、高級感溢れる温泉宿。3本の源泉をブレンドした湯は濾過循環をしておらず、源泉100%のかけ流しで堪能できます。また伊豆の新鮮な魚貝類を中心とした夕食も滞在者の舌を喜ばせるでしょう。
伊東温泉では心弾む珍しい体験も見逃せません。着付けやお化粧をして芸者の作法を学べる“伊東お座敷文化大学”、富士山を望むことのできる“ゆったり・湯めまちウォーク”など、温泉旅行に抑揚をつけてくれるような遊びがプラスできます。
写真提供:伊東温泉 青山やまと
<基本情報>
住所:静岡県伊東市
アクセス:
【電車】JR伊東駅または伊豆急行・伊東駅から徒歩約7分
【車】厚木ICから車で約90分
泉質:単純温泉、ナトリウム-塩化物泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:730
特徴:源泉約722本、毎分31,520Lという全国第3位の豊富な湧出量を誇る伊東温泉。源泉かけ流しのお湯を提供している宿が多く、無色無臭の湯は肌に優しい低刺激です。
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伊豆の東海岸、突き出た岬にある「稲取温泉」。天然温泉が湧出したのは昭和31年で、比較的歴史の浅い温泉地です。ロケーションを活かした温泉宿があり、そのこだわり抜かれた施設やサービスに身を委ねて滞在できるような場所。伊豆七島が一望できる大浴場、朝日を眺めながらの入浴できる温泉、海の幸をふんだんに使った料理を味わえる温泉宿があり、日常から切り離された時間を満喫できます。
“いなとり荘”は客室や露天風呂からの眺望が素晴らしく、目の前に広がる海景が圧巻の宿。稲取名産の金目鯛料理や、何度でも楽しめる優しい泉質の温泉など、泊まりたくなるポイントが豊富な宿です。
稲取温泉は観光資源にも恵まれており、春の雛のつるし飾り、夏は海水浴、秋は細野高原すすき、冬は河津桜…と、その時期の風物詩も温泉旅に色を添えてくれます。
写真提供:海一望絶景の宿 いなとり荘
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町稲取
アクセス:
【電車】伊豆急行・伊豆稲取駅からすぐ
【車】厚木ICから車で約2時間半
泉質:塩化物泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:16
特徴:落ち着いた雰囲気が特徴の稲取温泉。賑やかさよりも静けさを求める滞在にはぴったりでしょう。新鮮な魚介を食べ、さらっとしたお湯に浸かり、理想的な温泉旅行が叶う場所です。
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東伊豆の「北川温泉」は、昭和初期に漁師によって発見されたという、港町の雰囲気が漂う温泉地。温泉街のすぐ目の前には太平洋が広がり、天気のよい日は伊豆大島や房総半島まで眺めることができます。開湯時に作られた“黒根岩風呂”は、海抜0mの波打ち際にある露天風呂で、多くの温泉ファンも訪れる場所。海を間近に感じながら開放的に湯浴みを楽しめます。
人の多い観光地を避けてゆったり夜を過ごしたいなら、“望水”での宿泊はいかがでしょう?特に体験して欲しいのが、海を独り占めするようなガゼボ(東屋)でのひと時。プライベートに過ごせる予約制の露天風呂スペースです。月光に照らされた海を見ながらグラスを傾けるもよし、朝日の射しこむ露天風呂にたっぷりひたるもよし。とびきりの時間であることは間違いありません。
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本
アクセス:
【電車】伊豆急・伊豆北川駅から徒歩5分
【車】伊豆スカイライン天城高原出口から車で約25分
泉質:塩化物泉、硫酸塩泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:7
特徴:太平洋の目の前という立地もあり、海を感じさせる塩化物泉の湯。火傷、切り傷に効くと言われています。黒根岩風呂は、北川温泉の宿泊者であれば無料で利用可能。一般客も有料で利用できるので、ドライブ中の立ち寄り湯にもいいでしょう。
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天城連山の山麓に広がり、相模湾に面した「熱川温泉」。“あたたかい川”が流れていたことから、この地名が付いたと言われています。熱川温泉のシンボルでもある“YOU湯ビーチ”は夏に多くの人で賑わう海水浴場。ビーチ沿いに並ぶ近代的なホテルが南国ムードを醸し出していますが、町の至るところ見られる噴湯や湯けむりが、温泉地であることを実感させてくれるでしょう。
“伊豆ホテル リゾート&スパ”は、高台ならではの立地を生かした雄大な景色が自慢のリゾート。全室オーシャンビュー&温泉露天風呂付きで、贅沢なステイをするにはぴったりの滞在先です。エントランスに入った瞬間、太平洋に浮かぶ伊豆大島や利島、新島などの伊豆諸島を望む180度の第パノラマが出迎えてくれ、一気に非日常へと引き込まれるでしょう。
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本
アクセス:
【電車】伊豆急行・伊豆熱川駅からすぐ
【車】小田原西ICから車で約90分
泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、動脈硬化症、慢性消化器病、慢性皮ふ病、切り傷、やけど、慢性婦人病、痔疾など
宿泊施設数:17
特徴:江戸城を築いた太田道灌が狩りの途中で湯に浸かって傷を治しているサルを見て発見したと伝えられえている熱川温泉。温泉熱を利用した“熱川バナナワニ園”は、この地を代表する観光名所。温泉の恵みをいろいろな形で味わうことができます。
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7つの温泉から成り立つ「河津温泉郷」。海水浴場がある今井浜温泉、早咲きの河津桜の名所である河津浜温泉、約1500年前に開湯した歴史深い谷津温泉、ダイナミックな大噴湯が見られる峰温泉、『伊豆の踊子』の舞台にもなった湯ヶ野温泉、河津七滝で知られる七滝温泉、河津川上流の静けさが魅力の大滝温泉…と、多彩な湯が集結した温泉郷です。
峰温泉にある“花舞 竹の庄”は木造2階建ての温泉宿。情緒溢れる姿から古い時期に造られたことは一目瞭然ですが、驚きなのは2階に温泉があるということです。昭和初期の建物なので、当時の技術ではお湯を2階まで引き上げることは難しかったと察するでしょう。しかし、それを可能にしてくれたのが宿のすぐ隣にある、高さ20mまで噴き出す大噴湯!圧力抜群の源泉のおかげで、2階に大浴場を設けることができたというわけです。組子とレトロなタイルで仕上げられた繊細な浴室のセンスもこの温泉のハイライト。
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡河津町
アクセス:
【電車】伊豆急行・河津駅からバスで各温泉地へ
【車】沼津ICもしくは東名沼津ICから車で約1時間半
泉質:ナトリウム-塩化物泉、単純温泉、硫酸塩泉など
効能:神経痛、筋肉痛、疲労回復、冷え性、打ち身、慢性婦人病など
宿泊施設数:56
特徴:各温泉地によって泉質も異なります。峰温泉は大噴湯が物語るように豊富な湯量と高温で有名。湯ヶ野温泉は肌がツルツルになる美肌の湯として女性に人気。車で訪れた場合は、7つ温泉地をまわり、違いを味わうといった楽しみ方もできます。
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南国リゾートのような海沿い、そして歴史情緒漂う街並みと、対照的な2つのエリアが融合した「下田温泉」。ご存じの通り、鎖国していた日本が1854年のペリー来航によって最初に開港されたのが、この下田です。そんな歴史を辿れる“ペリーロード”、6月には約300万輪もの紫陽花が花開く下田公園などが、宿泊客にほどよい観光を提供してくれます。
下田の山中にある“飲泉・自家源泉かけ流しの秘湯観音温泉”は、知る人ぞ知る極上の源泉を持つ旅館。ちょっと贅沢をして温泉付きの客室を予約すれば、さらに心おきなくその湯を堪能することができるでしょう。飲泉可能な源泉もこちらの名物。超軟水のため口当たりは軟らかく、最後に鉄とは違った鉱物の味がわずかにするのが特徴。コラーゲンの再生などに作用するシリカも含まれおり、体の中からも温泉の恩恵にあずかることができます。
<基本情報>
住所:静岡県下田市
アクセス:
【電車】伊豆急行・下田駅からすぐ
【車】沼津ICから約1時間半
泉質:単純温泉など
効能:リウマチ、疲労、婦人病など
宿泊施設数:71
特徴:下田市内に点在する温泉を総称して下田温泉と呼んでいます。刺激の少ない単純温泉なので、海水浴で日焼けした肌にも優しいのが嬉しいところ。
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伊豆半島の最南端の町にある「下賀茂温泉」。青野川の清流が穏やかに流れ、低山に囲まれた長閑な温泉地は、里帰りした気分も味わえるような場所。高温の湯であるため、町のあちこちから湯けむりが立ち上り、その光景を目にするだけでも心が温まります。
“石廊館”は、和でまとめられた情緒漂う湯宿。良質な天然温泉、庭園を望める客室、そして鮑や金目鯛など、厳選した海の幸を使った会席料理を堪能できます。下賀茂温泉の素朴な静けさがより感じられるような場所です。
町営の日帰り入浴施設“銀の湯会館”、温泉熱を利用した熱帯植物園などを訪れながら、スローペースで温泉旅行を味わえる、穏やかな旅先です。
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂
アクセス:
【電車】伊豆急行・下田駅からバスで約24分「熱帯植物園」で下車して徒歩3分
【車】浜松西ICから車で約15分
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:7
特徴:1560年に発見されたと伝わる古湯。京の都から追われて移り住んだ公家たちが、望郷の思いを募らせて、この地名を付けたと言われています。源泉は110以上にものぼり、伊豆半島でも屈指の湯量です。
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温泉岩礁(温泉が湧き出す岩礁)が造り出した、西伊豆の海岸線にある「雲見温泉」。伊豆の中でも比較的小規模な温泉地ですが、海のレジャーを支えてくれる貴重な拠点です。夏場には無料の足湯が利用でき、海水浴客の癒しの場として活躍してくれます。また撮影スポットとしても人気を博しており、駿河湾の向こうに見える富士山は心打たれるもの。紺碧の海をオレンジに染め上げる日の入りは、まさにマジックアワーと言えるでしょう。
民宿“庄兵衛”は、温泉を貸切で利用できる穴場の施設。源泉から注がれる良質な天然湯を独り占めでき、誰にも邪魔されることなく寛ぐことができます。ポカポカになった体をさらに喜ばせてくれるのは、獲れたての海の幸が並ぶ食事!シンプルに温泉と食事だけを楽しみたい旅なら、こういった民宿を活用するのもいいですね。
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡松崎町雲見
アクセス:
【電車】伊豆急・下田駅からバスで約55分「松崎小学校」で乗換し、さらに約20分
【車】沼津ICから車で約2時間
泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:36
特徴:西伊豆の最奥に位置する温泉地ですが、泉質の良さは訪れる価値が十分にあります。なめると塩辛く感じるほどの濃い目の塩化物泉は、肌の保湿や保温にも優れているので、冬の温泉旅行にも最適でしょう。
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西伊豆を代表する景勝地にある「堂ヶ島温泉」。豊かな自然に恵まれ、なかでも奇岩や小島に沈む夕日が美しいことで知られている場所です。昭和37年(1962)に海岸から温泉が湧出したことで開湯。静岡県内でも歴史はまだ新しい温泉です。
干潮時には陸続きになる三四郎島、遊覧船観光で見学できる天窓洞、夏にシュノーケリングがつば沢ビーチ…と、恵まれた地形が生み出した観光資源をしっかり堪能できる温泉地。
いくつかある日帰り入浴施設の中でも特におすすめなのが町営の“沢田公園露天風呂”。夕日を望む絶好のロケーションなので、ぜひその時間を狙って訪れましょう。また、“堂ヶ島ニュー銀水”は、世界ジオパークに認定されている豊麗な景観に入り込んだ温泉宿。全室オーシャンビューの客室で、海に架かるサンセットロードなど息を呑むようなパノラマを望めます。
写真提供:堂ヶ島ニュー銀水
<基本情報>
住所:静岡県賀茂郡西伊豆町仁科
アクセス:
【電車】伊豆急・下田駅から東海バス堂ケ島方面行きで約1時間
【車】沼津ICから車で約90分
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、動脈硬化症、打ち身、慢性消化器病、慢性皮ふ病、切り傷、痔疾など
宿泊施設数:35
特徴:自慢の景観を生かすために、眺望豊かな露天風呂を設けた温泉宿が海岸線に建ち並びます。中には沖合いからお湯を引く珍しい温泉も。プール付きなど設備が充実した大型ホテルも多く、ファミリーにも重宝される温泉地です。
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西に駿河湾を擁し、三方を天城山系に抱えられた風光明媚な「土肥温泉」。土肥金山の発展と歩んだ西伊豆最大級の温泉地です。江戸時代、幕府直轄の金山が開発された場所で、その過程で発見されたのが“まぶ湯”。これが土肥温泉の起源となります。まぶ湯は安楽寺の境内にあり、現在も見学が可能。
海辺に位置する“茜色の海あるじ栖”は、全17室がオーシャンフロントで、駿河湾に沈む夕陽を目の前に見ることができる宿。源泉かけ流しの露天風呂に加え、伊勢エビに金目鯛、アワビの踊り焼きなど海の幸もたっぷりいただくことができ、心も身体もお腹も満たされる至福の時間が過ごせる場所です。
至れり尽くせりの宿に泊まり、かつての金山の繁栄を見ることができるテーマパークの“土肥金山”の観光を交えながら、さらに共同浴場を巡るといった過ごし方をしてみてはいかがでしょう?
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市土肥
アクセス:
【電車】伊豆箱根鉄道・修善寺駅からバスで約50分
【車】沼津ICから車で約65分
泉質:塩化物泉、硫酸塩泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、動脈硬化症、慢性皮ふ病、切り傷、やけど、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:35
特徴:源泉は6本と少なめではありますが、その効能は豊か。特に肌に優しい湯として定評があります。湯上がりの散策にも相応しい松原公園周辺では、美しい夕日を眺められるほか、温泉墳湯モニュメントや足湯にも立ち寄ることができます。
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天城峠の登り口の渓流沿いに湧く「湯ヶ島温泉」は、多くの文人墨客に愛された場所。川端康成が『伊豆の踊子』を執筆した温泉地でもあり、井上靖の自伝的小説『しろばんば』の舞台としても有名で、現在も個性豊かな温泉宿が点在しています。
著名人たちも利用し、この地を代表するような温泉旅館“おちあいろう”は、昭和初期の木造建築など7つの登録有形文化財を有する宿。どこを切り取っても絵になるような、和の魅力をたっぷり携えた建物です。16室ある客室はすべてが異なり、選ぶのが難しいほどいづれも素晴らしい佇まい。文豪たちの視線に重ねて景色を眺め、ここで名作を読み耽る滞在というのも甘美なものですね。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市湯ヶ島
アクセス:
【電車】伊豆箱根鉄道・修善寺駅からバスで約25分
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉など
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、動脈硬化症、慢性消化器病、慢性皮ふ病、痔疾、美肌など
宿泊施設数:11
特徴:14世紀末の書物に“お湯がいたる所に湧いている”との記載が残る通り、本谷川と猫越川が合流して狩野川に流れ込む地点を中心に、豊かにも十数か所の源泉があります。渓谷沿いの“湯道”は清流と緑深き景色を眺めながら散策できる場所。ウォーキングでひと汗かいてからの温泉は、また格別でしょう。
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伊豆半島の中央部に位置する「修善寺温泉」は、伊豆最古級の温泉。弘法大師が湯を噴出させたと伝えられ、さらに鎌倉幕府2代将軍の源頼家が暗殺された場所としても知られています。桂川(修善寺川)の両岸に和風木造の老舗旅館が軒を連ね、誰もが思い描くような温泉地の雰囲気を醸し出しています。また、茶店やギャラリーが並ぶ竹林の小径は多くの宿泊者が訪れる人気のスポット。
そんな修善寺温泉街の中心にある“新井旅館”は、芥川龍之介や尾崎紅葉など数多くの文人墨客が訪れた歴史ある旅館。登録有形文化財の建物が15棟あり、歴史と芸術に触れながら宿泊できるのが大きな魅力となっています。また、和会席で供される繊細な夕食や三段重御膳の朝食も、この旅館の名物。
温泉街から少し車を走らせると、広大な敷地にスポーツ施設などを有した大型リゾートもあり、アクティブに過ごしたあと温泉で体を労るといった滞在も実現できます。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺
アクセス:
【電車】伊豆箱根鉄道・修善寺駅からバスで約8分
【車】沼津ICから車で約30分
泉質:アルカリ性単純温泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、慢性消化器病、打ち身、痔疾など
宿泊施設数:19
特徴:修善寺温泉のアルカリ性単純温泉は、やわらかな肌触りで刺激が少ないのが特徴。湯上り後は肌がすべすべとした感触になるため、“美肌の湯”と呼ばれています。無色透明で無臭のため、においの強い温泉が苦手な方にもおすすめです。
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120以上の源泉を持つ、中伊豆の大温泉地「伊豆長岡温泉」。源氏山の東側にある平安時代に開湯した古奈温泉、そして西側エリアにある明治末期に開湯した長岡温泉、この新旧2つの温泉地を総じた温泉郷です。一年を通して温暖な気候に恵まれており、いちご、みかんなど四季折々のフルーツ狩りも有名。豊潤なフルーツを体内におさめたあと、自慢の湯で汗を流すという贅沢な循環も叶います。
“湯めぐりの宿 吉春”は、大浴場が2箇所あるほか、無料の露天風呂が5種類、そして足湯もあり、館内だけで10の湯めぐりができてしまう温泉宿。さらに露天風呂付きの客室に泊まれば、まさに温泉三昧の旅が実現できます。お部屋はそれぞれテーマが異なり、再訪しても違うお部屋に泊まれば新鮮さを感じることができるでしょう。
街中には“湯らっくす公園”や“姫のあし湯”など無料の足湯もあり、到着後の肩慣らし、旅の〆として気軽に利用できます。
<基本情報>
住所:静岡県伊豆の国市長岡・古奈
アクセス:
【電車】伊豆箱根鉄道・伊豆長岡駅からバスで5〜15分
【車】長泉沼津ICから車で約25分
泉質:アルカリ性単純温泉など
効能:神経痛、リウマチ、疲労、胃腸病、美肌など
宿泊施設数:約40
特徴:日本で初めて温泉水をペットボトルに詰めたのが、この伊豆長岡温泉。無味無臭で癖のない泉質のため“飲める温泉”として昔から有名でした。慢性胃腸病などの消化器系疾患に絶大な効能があるほか、美肌の湯としても人気です。
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北原白秋をはじめ、多くの歌人に愛された「浜名湖かんざんじ(舘山寺)温泉」。浜名湖の東側に位置し、静岡県内では伊豆に続く規模を誇る温泉地です。舘山寺は弘法大師によって開かれた“曹洞宗舘山寺”を中心とした町。昭和33年に温泉が開湯し、現在は大型の宿泊施設が立ち並ぶ浜名湖の観光地へと発展しました。
中でも一番の立地に建つ“山水館欣龍”は、割烹料理の名店が開業した老舗の高級旅館。料理は目の前にある浜名湖の豊富な食材を中心に、遠州灘の海の幸を折りまぜた四季折々の旬が味わえます。温泉は総檜の大浴場、そして浜名湖を望める露天風呂で、腕をふるった料理に劣らず見事なもの。
日中は浜名湖畔を湖上から眺められる遊覧船、遊園地や動物園、フラワーパークなどの充実したレジャー施設に足を運び、その興奮を静めるかのように温泉で寛ぐ…そんな旅にぴったりな旅先です。
<基本情報>
住所:静岡県浜松市舘山寺町
アクセス:
【電車】JR浜松駅からバスで約50分
【車】浜松西ICから車で約15分
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、慢性皮ふ病、痔疾、慢性婦人病など
宿泊施設数:13
特徴:塩分濃度が高さが全国第3位のにごり湯。静岡県最大級の日帰り温浴施設“浜名湖かんざんじ温泉 華咲の湯”も人気スポット。ここだけでも10種類のお風呂に入ることができます。
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海沿いの温泉、山間に佇む温泉、懐かしさを含んだ温泉…静岡県は実に多彩な温泉が溢れています。同じ県内にこれだけバラエティ豊かな温泉地があるのは羨ましいほどですね。また宿泊施設も幅広くあり、民宿、老舗旅館、近代的な温泉付きホテルまで選択肢が豊富なところも特徴的です。宿泊先がこれだけあれば、カップル、子ども連れのファミリー、ペット同伴の旅にぴったりな宿を見つけられるはず!ぜひ、自分が求める癒しにぴったりな温泉地・宿泊先を選んで、心身ともにリフレッシュしてくださいね。
(文:木内つばめ)
2025年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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