秋田県の角館といえば、築200年の武家屋敷が立ち並ぶ風情ある街並みが魅力の町。“みちのくの小京都”と呼ばれ、桜の名所としても有名です。美しい自然が楽しめるスポットもあるので、日々の生活にちょっと疲れたときに訪れるのもおすすめです。
今回はトラベルjp ナビゲーターが現地取材した情報を基に、元旅行会社スタッフのYoko Andersがおすすめスポットをご紹介します。モデルコースも参考にしてくださいね。
武家屋敷通りに立ち並ぶ武家屋敷は、見学できるところがいくつかあり、家の造りがそれぞれ違います。武家屋敷群の一番北側にある「石黒家」は代々財務管理を勤めた家老職の家柄で、現存する武家屋敷地区のなかで最大・最古の屋敷といわれています。
また、角館の武家屋敷のなかで唯一、現在も末裔が屋敷に住み続け、住居として使い続けているため、公開エリアは屋敷の半分くらいとなっていますが、随時、部屋に上がり、武家屋敷特有の内部を見学することができます。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町表町下丁1
電話番号:0187-55-1496
アクセス:JR角館駅より徒歩25分
公式サイト(外部リンク)
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武家屋敷地区にある「角館歴史村青柳家」は、3,000坪もの広大な敷地を有していて、広い庭には600種類もの草花や樹木が植えられています。
青柳家は格式高い薬医門で、黒塗りの塀や、米庫や武器庫など、その面影がうかがえます。母屋の座敷は、現存する角館の武家屋敷のなかで最も豪華で見どころがありますよ。
屋敷内にはカメラや蓄音機などの近代コレクションも所蔵されていて、約3万点もの貴重な品々を見学することができます。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町表町下丁3
電話番号:0187-54-3257
アクセス:JR角館駅より徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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「岩橋家」は、江戸時代藩政時代の中級武士住宅です。芦名家の重臣で、芦名家断絶後、角館支配となった佐竹家に召し抱えられました。
江戸末期に改造され、屋根が木羽葺となってるのが特徴です。樹齢300年前後の柏の木も見どころのひとつ。映画『たそがれ清兵衛』の撮影場所でもあります。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町東勝楽丁3-1
電話番号:0187-43-3384
アクセス:JR角館駅より徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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武家屋敷通りの1本西側の通りにある「松本家」は、下級武士のお屋敷。屋敷の塀が黒い板塀ではなく柴垣、屋根が萱葺と、内町の他の武家屋敷に比べると粗末な造りです。
映画『たそがれ清兵衛』ではクライマックスシーンに登場。現在は春から秋にかけてイタヤ細工の実演が行われています。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町小人町4
電話番号:0187-43-3384
アクセス:JR角館駅より徒歩20分
公式サイト(外部リンク)
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城下町の面影が残る武家屋敷群のあるエリアは“内町(うまち)”と言わてれていますが、内町の南側には、商人・町人の街の外町(とまち)が広がっています。
外町の見どころのひとつとして挙げられるのが「西宮家」で、地主であった西宮家は5棟もの蔵を有し、荘厳な母屋とともに当時の栄華を伝えています。
重厚な造りの米倉の雰囲気をそのままに、現在は、それぞれ物販販売や食事処、収蔵品展示などが楽しめます。お土産を購入したい方や食事をしたい方も訪れてみるとよいでしょう。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町田町上丁11-1
電話番号:0187-52-2438
アクセス:JR角館駅より徒歩8分
公式サイト(外部リンク)
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「安藤家」は外町(商人町)にあるレンガ造りの重厚な建物が特徴の観光スポット。元々地主であった旧家で、味噌や醤油を醸造する安藤醸造元として1853年に創業しています。
表に掲げられた創業当時からの看板を含めた煉瓦造りの蔵や蔵座敷に残る見事な襖絵が見どころです。味噌や醤油、漬物の試食が可能で、お土産の購入先としてもおすすめ。秋田を代表するいぶりたくあんや家伝醤油が購入できます。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町下新町27
電話番号:0187-53-2008
アクセス:JR角館駅より徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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田沢湖にほど近い山奥にひそむ「抱返り(だきがえり)渓谷」。田沢湖・角館を流れる玉川中流域に位置し、全長10kmに及ぶ渓谷は切り立った断崖と原生林に囲まれ、美しい滝やターコイズブルーの渓流が流れています。
紅葉の名所として有名ですが6月中旬から8月までの深緑シーズンも見頃で、その涼感あふれる渓谷は知る人ぞ知る人気スポット。快適な遊歩道が整備され、ハイキングを楽しめます。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市田沢湖卒田〜角館町広久内
アクセス:JR角館駅より車で約15分
公式サイト(外部リンク)
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武家屋敷の町並み沿いにある「角館樺細工伝承館」は、伝統工芸品である樺細工に関する展示をしている施設です。制作工程や種類、名工による作品の展示の他、職人さんの実演を目の前で見学することができます。
江戸時代から受け継がれる樺細工は山桜の樹皮を加工して作られていて、自然のままの美しさと実用性に優れているのが特徴です。樺細工製品が豊富に揃う売店でのお土産探しも楽しめますよ。
写真提供:(一社)田沢湖角館観光協会
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町表町下丁10番地1
電話番号:0187-54-1700
アクセス:JR角館駅より徒歩20分
公式サイト(外部リンク)
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「角館さとくガーデン」は、伝統工芸品から食品、かわいい雑貨まで揃う角館の土産店です。地元の伝統工芸士によって作られる桜皮細工や楢岡焼・角館焼などの焼き物はお土産に人気。秋田名物のきりたんぽや稲庭うどんなどの食品も購入できます。
武家屋敷通り沿いにあるため、訪れやすいです。看板犬だった秋田犬の武家丸グッズは今も大好評です。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町東勝楽丁26-1
電話:0187-53-2230
アクセス:JR角館駅より徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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一足遅い角館の春は、4月中旬から5月上旬にやってきます。東北屈指の桜の名所でもある角館では、桜の美しいスポットも盛りだくさん。
「桧木内川堤の桜並木」は、角館の町中を流れる桧木内川に沿ってソメイヨシノが約2キロメートルも植えられており、国名勝に指定されています。桧木内川堤の桜並木は、角館武家屋敷の桜とともに日本さくら名所100選にも選ばれています。
<基本情報>
住所:秋田県角館町小勝田中川原、北野
アクセス:JR角館駅より徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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「小野崎家」は武家屋敷通りの最北に位置しています。その外観から上級武士の屋敷だったことがうかがえます。
子孫の方が所有する屋敷間取り図をもとに2000年に復元されました。現在は公民館として隣接する武道館と共に活用されていて、自由に見学が可能です。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町表町上丁6
電話番号:0187-54-1110
アクセス:JR角館駅より徒歩20分
公式サイト(外部リンク)
「小田野家」は武家屋敷が並ぶ通りの南の入り口付近に位置しています。この周辺は角館の藩主であった佐竹北家に仕えた中級武士の屋敷が立ち並んでいるエリアで、小田野家は佐竹氏から分かれた家系です。
美しい黒板塀が目印で、武家屋敷では位の高い武家にだけ認められる門構えの薬医門もあります。庭園も手入れが行き届いていて、秋にはカエデやドウダンツツジが赤や黄いろに色付きます。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町東勝楽丁10
電話番号:090-5803-5058
アクセス:JR角館駅より徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
「平福記念美術館」は日本画家の平福父子の作品を中心に展示した美術館。そのほかにも郷土ゆかりの画家の作品が展示されています。
1988年に開館した施設で、設計は秋田県出身の大江宏氏で、レトロな佇まいも魅力的です。秋になるとイチョウが色づき、黄色い落ち葉が絨毯のように敷き詰められた様子も美しいですよ。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町表町上丁4-4
電話番号:0187-54-3888
アクセス:JR角館駅より徒歩25分
公式サイト(外部リンク)
「新潮社記念文学館」は、角館出身の新潮社創設者である佐藤義亮の功績をたたえてオープンした記念館です。岩瀬町出身の佐藤義亮は1904年に新潮社を創設した人物です。
館内には新潮社のあゆみをたどりながら、明治以降の日本近代文学に触れられるようになっています。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市角館町田町上丁23
電話番号:0187-43-3333
アクセス:JR角館駅より徒歩10分
公式サイト(外部リンク)
大自然の中のアートヴィレッジ「あきた芸術村」は、ホテル、温泉、工芸、芸術が楽しめる複合施設となっており、1日いても楽しめる場所。その中心となっているのが、東北ならではのテーマでオリジナルミュージカルを披露しているわらび座です。ミュージカルのほか民謡、太鼓などのパフォーマンスも行われています。
温泉を楽しみたいという人は、併設する温泉ゆぽぽで美しい庭園を見ながら日帰り入浴が可能。
<基本情報>
住所:秋田県仙北市田沢湖卒田字早稲田430
電話番号:0187-44-3311
アクセス:JR角館駅より無料シャトルバスあり(事前予約制)
公式サイト(外部リンク)
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角館はコンパクトな街なので、1泊2日でもしっかり主要観光スポットを巡ることができます。
【角館・モデルコース一例】
<1日目>
角館に到着したら、まずは武家屋敷通りを徒歩で散策。ランチを済ませたら“よぶのる角館”を利用して抱返り(だきがえり)渓谷へ向かいます。遊歩道を散策後、角館駅まで戻り、ホテルにチェックインしたらディナーがてら静かな街並みを歩いてみましょう。
<2日目>
2日目はたつこ像で有名な田沢湖まで足を延ばします。湖畔には歴史スポットが点在しているほか、遊覧船や田沢湖ハーブガーデンなどのレジャースポットも楽しめます。
徒歩圏内に見どころが集約している角館ですが、歩くのが大変という方は人力車やレンタサイクルを利用すると便利です。予約制乗り合い交通サービス“よぶのる角館”も上手に利用して観光を楽しみましょう!
※2025年5月現在、抱返り渓谷は遊歩道の一部不具合のため、閉鎖されている部分があります
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角館はそれほど大きな街ではありませんが、日本の武家社会の面影を残した貴重な街。それぞれの武家屋敷に人の営みを感じながら、日本ならではの文化や歴史に思いを馳せてみませんか。武家屋敷通りに桜が映える春が人気ですが、春夏秋冬、どのシーズンに訪れても美しい景観が楽しめますよ。
角館に到着したらまずは駅前の仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」に立ち寄るのがおすすめ。マップなどが手に入るほか、雨の日は傘の無料レンタルサービスを行っています。
また角館観光には往復の交通と宿泊するホテルがセットになった、旅行会社、旅行代理店が販売するパック旅行を活用するのがおすすめ。それぞれ個別に手配するよりもお値打ちなので、予算や日数など自分にあったプランを探してみましょう。事前購入やセット購入すると割引になるチケットを活用すれば、旅行費用を節約できます。
(文:Yoko Anders)
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