橘 凛のプロフィール写真 橘 凛 ライター、エッセイスト

スペインと聞いて、あなたはどんなことを思い浮かべますか?
さんさんと降り注ぐ太陽、豊かな文化と歴史、ガウディの建築物、ダイナミックな自然、美味しいものばかりのグルメ・・・きっとイメージするであろう、そのすべてがカタルーニャ州にあります。バルセロナはもちろん、地域によって色とりどりの表情を見せる、魅力いっぱいのカタルーニャについて、バルセロナとその先まで、たっぷりご紹介いたします!(AD)

多彩な魅力にあふれるカタルーニャ州、コロナ対策も万全!

多彩な魅力にあふれるカタルーニャ州、コロナ対策も万全!
提供元:Alfons Taekema

カタルーニャ州はスペインの北東部に位置し、フランスと国境を接します。面積は日本の関東地方と同じくらい。北部はピレネー山脈が連なり、南の沿岸部には穏やかな地中海、その間のエブロ川流域にはデルタの平地が広がります。州都バルセロナは世界的に有名な国際都市です。

日本からカタルーニャへ旅行する場合、バルセロナ・エル・プラット空港が玄関口となります。直行便は就航していないため(※)、ヨーロッパ系の航空会社もしくは日本航空や全日空などを利用し、欧州のその他主要都市から乗り継ぐ方法が一般的です。乗り継ぎ時間も含め、所要時間は15時間〜18時間程度です。

※ 2020年12月現在

多彩な魅力にあふれるカタルーニャ州、コロナ対策も万全!
提供元:the Catalan Tourist Board

カタルーニャにはユネスコ世界遺産に登録されている場所が36ヶ所にも及びます。建築家アントニ・ガウディやジョアン・ミロ、芸術家サルバドール・ダリといった天才達を産み出した、豊かな文化の土壌を持つ地域です。

ミシュランの星付きレストランが世界的に見ても極めて多く、11のワインの原産地、そしてスペインのシャンパンと呼ばれる「カバ」の産地でもあり、グルメな方には外せない旅行先です。また、FCバルセロナの本拠地で、年間を通して多くのスポーツファンが訪れます。

多彩な魅力にあふれるカタルーニャ州、コロナ対策も万全!
提供元:the Catalan Tourist Board

新型コロナウィルス対策として、現在、すべての観光サービスが、保健省と各観光関連機関等が定めた安全ガイドラインに沿って運用されています。安心・安全にスペイン旅行が楽しめるよう、観光業界が一体となって、コロナ対策に取り組んでいます。

美しい海沿いから山岳地帯まで4つの県があるカタルーニャ

美しい海沿いから山岳地帯まで4つの県があるカタルーニャ
提供元:the Catalan Tourist Board

カタルーニャには4つの県があり、それぞれ、バルセロナ・レリダ・ジローナ・タラゴナと分かれています。ガウディの建築作品が街全体に大きな価値を与えているバルセロナがあまりにも有名ですが、それはカタルーニャの魅力のほんの一部に過ぎません。エリアそれぞれの見どころ、観光スポットは、偉人の作品群だけには留まらないからです。

美しい海沿いから山岳地帯まで4つの県があるカタルーニャ
提供元:the Catalan Tourist Board

ピレネー山脈に近いレリダ県は、古くからフランスとの交通の要所として栄え、美しい山岳リゾートが多くあり、観光客にも人気のあるエリアです。地中海沿いのジローナ県は、コスタ・ブラバという海岸線のスペインでも屈指のビーチリゾートがあり、シーズンともなるとバカンス旅行客で大いに賑わいます。

また、バルセロナからジローナに向かう途中には、100以上もの海外ブランドを取り揃えるアウトレットモール、ラ・ロカ・ヴィレッジ(La Roca Village)があり、日本人旅行客にも人気です。

美しい海沿いから山岳地帯まで4つの県があるカタルーニャ
提供元:the Catalan Tourist Board

同じく地中海沿いで、最も南にあるタラゴナ県は、古代ローマ時代に起源を持つ歴史の長い街タラゴナをはじめ多くの遺跡が残り、それらは世界遺産に登録されています。海の恵みがあふれる、自然豊かな地域で、地中海を望む絶景の観光スポットに加え、ヨーロッパでは初のフェラーリ・ランドが人気のスペイン最大のテーマパーク、ポルト・アベンチュラ(Port Aventura)もあります。

バルセロナ:言葉を失うほど美しい!必見のカテドラル

バルセロナ:言葉を失うほど美しい!必見のカテドラル
提供元:the Catalan Tourist Board地図を見る

まずは、州都バルセロナで必見の観光スポット、バルセロナの街の守護聖女エウラリアを祀る「サンタ・エウラリア大聖堂(Barcelona Cathedral)」をご紹介します。

旧市街の中でも最も古い建物が並ぶゴシック地区にあるバルセロナを代表する聖堂で、市民にはカテドラルと呼ばれ親しまれています。

この地に最初にあったのは原始キリスト教の教会でしたが、11世紀にロマネスク様式に建て替えられました。その後、現在のこのカテドラルが13世紀から約150年をかけて建てられ、その後も度々手が加えられ、現在の姿になったのは20世紀初頭と言われています。正面ファサードはネオゴシック様式で、1888年のバルセロナ万博のために増築されました。

バルセロナ:言葉を失うほど美しい!必見のカテドラル
提供元:Barcelona Cathedral

一歩中に入ると、荘厳な雰囲気に息を飲むことでしょう。正面にあるのは、15世紀の繊細な彫刻が施された聖歌隊席で、カタルーニャ・ゴシックの傑作を目の当たりにできます。主祭壇の他に、業種別の礼拝堂があるのが大きな特徴で、堂内の両側にずらりと28もの礼拝堂が並んでいます。例えば靴職人のそれは、カテドラル最古のギルド(同業組合)で、現在も活動しています。

地下の霊廟には聖エウラリアが眠る棺が安置されています。噴水のあるパティオ(中庭)と回廊もぜひ見学してください。

バルセロナ:言葉を失うほど美しい!必見のカテドラル
提供元:Barcelona Cathedral

また、2020年から開始した限定ツアーとして、関係者以外立入禁止だった塔を見学できるようになりました。塔の上からのバルセロナの360度のパノラマは、記憶に残る素晴らしい眺めです!モンセラットに収められていることで有名な、黒いマリア像のステンドグラスもぜひご覧ください。

<サンタ・エウラリア大聖堂(La Catedral de la Santa Creu i Santa Eulalia・Barcelona Cathedral)の基本情報>
住所:Pla de la Seu, s/n, 08002 Barcelona
電話番号:+34-93-3151554
営業時間:毎日8時から12時45分、13時から17時、17時15分から20時まで。
アクセス:地下鉄Jaume I駅より徒歩約3分。

魅力あふれるバルセロナ郊外3つの県へワンデイトリップ!

魅力あふれるバルセロナ郊外3つの県へワンデイトリップ!
提供元:the Catalan Tourist Board

カタルーニャの魅力はバルセロナだけに留まりません。
カタルーニャを訪れたら、是非バルセロナ郊外の3つの県へも足を延ばしてみましょう。

バルセロナからそれぞれの県の県都までの移動は簡単で、スペイン国鉄(Renfe)の高速鉄道AVEをはじめ、公共交通機関が充実しています。例えば、バルセロナのターミナル駅であるバルセロナ・サンツ駅より、AVEでレリダまでは約1時間、ジローナまでは約37分、タラゴナまで約30分と、いずれのエリアもバルセロナから日帰り旅行できる距離です。

魅力あふれるバルセロナ郊外3つの県へワンデイトリップ!
提供元:the Catalan Tourist Board

また、便利なレンタカーを利用するのもおすすめ。このあとご紹介するスポットは、自然保護区や渓谷にある世界遺産など、自然豊かな土地が多く、山道を進むところもあります。車であればそういった場所への移動の小回りが利き、ワンデイトリップを無駄なく、最大限に楽しめるでしょう。

レリダ:ピレネー山脈を望むボイ渓谷で大自然を堪能!

レリダ:ピレネー山脈を望むボイ渓谷で大自然を堪能!
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レリダで外せない観光スポットは、ピレネー山脈の麓にある「ボイ渓谷」。レリダの街から車で北上すること約2時間で到着します。ボイ渓谷は、現地ではバル・デ・ボイ(Vall de Boi)と呼ばれ、約1500メートルという高い標高にあります。2000年に世界遺産登録された「9つのカタルーニャ風ロマネスク様式の聖堂群」があることでよく知られており、ヨーロッパにおいても初期ロマネスク建築が特に密集した地域です。

レリダ:ピレネー山脈を望むボイ渓谷で大自然を堪能!
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山岳リゾートとして観光客から人気の高いボイ渓谷は、どこを歩いても絵になるような大自然のパノラマが広がります。夏場は、カタルーニャのヨセミテとも呼ばれる、「アイグエストルテス国立公園」でハイキングを楽しむ人々で賑わいます。標高3400メートル超を誇るピレネー山脈が近いため、冬場には数メートルの雪が降り積もるほどで、スキーリゾートとしても知られています。温暖な気候に恵まれたスペインにおいて、ウィンタースポーツが楽しめるのは意外ですね。

レリダ:ピレネー山脈を望むボイ渓谷で大自然を堪能!
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ボイ渓谷には、ボイ集落やタウル集落といった、素朴な7つの村々が点在します。すべての集落を合わせた人口は千人程度です。このあたりの名産品は、クレープや豚の肝臓を用いたパテ、各家庭で作られているチーズなどです。

<ボイ渓谷(Vall de Boi)の基本情報>
住所:La Vall de Boi
アクセス:レリダより車でN-230経由で約2時間(約150キロ)

レリダ:小さくも美しい、世界遺産の聖堂群を巡ろう

レリダ:小さくも美しい、世界遺産の聖堂群を巡ろう
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世界遺産にも登録されている聖堂群について、いくつかご紹介しましょう。このあたりは銀の産出地で、それによって得た富によって、11世紀から14世紀にかけて多数の教会が設立されたという歴史があります。ひとつひとつの聖堂は小さいのですが、ピレネーの山麓の風景に見事に溶け込んでいます。

タウル集落の真ん中にある「サンタ・マリア聖堂」は、1050年に建築が開始されました。当時の最先端の建築様式であった、北イタリアのロンバルディアから持ち込まれたロマネスク様式の影響を強く受けており、壁の装飾などに見ることが出来ます。

<サンタ・マリア聖堂(Santa Maria de Taull)の基本情報>
住所:Placa Sta Maria, 1, 25528 Taull, Lleida
営業時間:毎日午前10時から19時まで。
アクセス:レリダより車でN-230経由で約2時間(約150キロ)

レリダ:小さくも美しい、世界遺産の聖堂群を巡ろう
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9つある聖堂群でも最大で、保存状態が良く、芸術的価値が高いとされているのが、タウル集落にある「サン・クリメント聖堂」です。アーチ状の窓がたくさんついた六層の鐘楼が目印です。二重に張られた木製の切妻屋根は、当時のまま残されています。

主祭壇の「全能者キリスト」の壁画は、ロマネスク美術の傑作のひとつとして知られていますが、傷みが激しかったため、1920年に保存のために取り外され、現在はバルセロナの国立カタルーニャ美術館に収蔵されています。代わりに複製が置かれ、最新のプロジェクションマッピングにより、当時の雰囲気を演出しています。

<サン・クリメント聖堂(Sant Climent de Taull)の基本情報>
住所:25528 Taull, Lleida
電話番号:+34-973-696715
営業時間:10時から14時まで、16時から19時まで。
アクセス:レリダより車でN-230経由で約2時間(約150キロ)

レリダ:小さくも美しい、世界遺産の聖堂群を巡ろう
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エリル・ラ・バル集落の「サンタ・エウラリア聖堂」には、高さ23mの鐘楼があります。平面が正方形で六階建てで、ロンバルディア風のロマネスク様式で装飾されています。その他の聖堂の鐘楼と同様、通信や見張りのために使用されました。

聖堂の中には、「キリストの十字架降下」の木彫りの彫刻の複製があります。オリジナルは、バルセロナの国立カタルーニャ美術館とヴィック司教美術館の2つの美術館に保管されています。

<サンタ・エウラリア聖堂(Santa Eulalia d’Erill-la-Vall)の基本情報>
住所:Placa de Baix-erill, 3, 25528 Erill la Vall, Lleida
電話番号:+34-973-694000
営業時間:関連MEMOの公式サイトをご覧ください。
アクセス:レリダより車でN-230経由で約2時間(約150キロ)

レリダ:野生動物とふれあえるボウモルト自然保護区

レリダ:野生動物とふれあえるボウモルト自然保護区
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次は、レリダの国立自然保護区であるボウモルトに足を延ばしましょう。13000ヘクタールもの広さがある「ボウモルト自然保護区」は、カタルーニャ州政府により管理されています。

レリダ:野生動物とふれあえるボウモルト自然保護区
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ここで体験できるのは、保護されている鳥達のバードウォッチングです。翼を広げると2メートル以上にもなるシロエリハゲワシをはじめ、クロハゲワシ、ヒゲワシ、エジプトハゲワシ、そしてキツネなど、野生動物のダイナミックな生き様を間近に観察することができます。餌は、地元の人々から買い取ったウサギやヤギの死骸を使用しています。

<国立ボウモルト自然保護区(National Reserve of Boumort Hunting)の基本情報>
住所:25518, Lleida
アクセス:レリダより車でC-13経由で約2時間半(約120キロ)

ジローナ:これぞ地中海リゾート!華やかなコスタ・ブラバ

ジローナ:これぞ地中海リゾート!華やかなコスタ・ブラバ
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山岳リゾートのレリダ県とは対照的に、ジローナ県は海が美しいエリアです。このあたりのコスタ・ブラバと呼ばれる海岸沿いのリゾートは、多くの映画のロケ地となっています。

港町「パラモス」は、古くから漁業の盛んな町として、また、フランスとバルセロナの間のワンストップ地点として栄えてきました。ゆったりとした時間の中、300メートルの深さで獲れる高級エビを用いたパエリアや雑炊など、滋味に富む海鮮料理が楽しめます。

ジローナ:これぞ地中海リゾート!華やかなコスタ・ブラバ
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パラモスから近く、人気ビーチである「ラ・フォスカ」(La Fosca)。このあたりのビーチは砂浜ではなく、小岩と石のビーチです。ビーチサイドで、現地の特産品を楽しむのはいかが?美しい地中海を眺めながら、「ブルニョルス」(Brunyols)というドーナツのような揚げパンと、ガルナッチャというスウィートワインを嗜むのは至福のひとときです!

ジローナ:これぞ地中海リゾート!華やかなコスタ・ブラバ
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ラ・フォスカのビーチからも見える「サン・アステバ・デ・マル城」は、1063年には既に記録に残っているという、古い石造りのお城です。1277年にペドロ3世(アラゴン王)により購入され、死角となるフランス側の監視の為の管制塔として利用されていました。2009年にパラモスの役所所有となり、修復がなされました。

<サン・アステバ・デ・マル城(Castell De Sant Esteve)の基本情報>
住所:Cami de Ronda, 1, 17230 Palamos, Girona
営業時間:現在は予約のみ内部見学可
アクセス:ラ・フォスカのビーチから徒歩7分

ジローナ:あの海外ドラマのロケ地です!ジローナ旧市街

ジローナ:あの海外ドラマのロケ地です!ジローナ旧市街
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ジローナ県の県都である「ジローナ」は、オニャル川沿いに広がる中世の街並みが美しい古都です。大人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地となったことで、世界中からの注目を浴び、観光客がよく訪れるようになりました。迷路のように延々と続く細い路地裏や、石造りの建物と階段の風景は、まさに中世ファンタジーの世界観そのものです!

ジローナ:あの海外ドラマのロケ地です!ジローナ旧市街
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ジローナは、ヨーロッパで最も保存状態の良いとされる、旧ユダヤ人居住区があることでも知られています。コール(Call)地区がまさにそのあたりで、15世紀までユダヤ人を強制的に居住させた地区、ゲットーとして使用されていました。石畳の狭い道が続き、神秘的な雰囲気が漂います。ユダヤ教の礼拝堂であるシナゴーグが併設された「ユダヤ歴史博物館」では、その歴史と背景を学べます。

<ユダヤ歴史博物館(Museu d’Historia dels Jueus de Girona)の基本情報>
住所:Carrer de la Forca, 8, 17004 Girona
電話番号:+34-972-216761
営業時間:日曜〜火曜は、午前10時から14時まで。水曜〜土曜は、午前10時から18時まで。
アクセス:ジローナ駅から徒歩約15分。

ジローナ:あの海外ドラマのロケ地です!ジローナ旧市街
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街のシンボルである「ジローナ大聖堂」は、90段もの正面階段がドラマチックな印象を与えます。11世紀から18世紀という長い時間をかけて建設された大聖堂で、内装はゴシック様式でありながら、回廊はロマネスク、正面ファサードはバロック様式と、様々なエッセンスが凝縮されています。旧約聖書の天地創造の場面を描いたタペストリーは、ロマネスク芸術の傑作と呼ばれ、必見です。

<ジローナ大聖堂(Catedral de Girona)の基本情報>
住所:Placa de la Catedral, s/n, 17004 Girona
電話番号:+34-972-427189
営業時間:毎日午前10時から14時まで。
アクセス:ジローナ駅から徒歩約20分。

ジローナ:中世カタルーニャ建築の名残が見られるバザルー

ジローナ:中世カタルーニャ建築の名残が見られるバザルー
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ジローナの隣町である「バザルー」(Besalu)は、同じく中世の街並みを残す、静かな街です。フルヴィア川にかかる12世紀建造の美しい橋が見どころのひとつ。また、ジローナと同様、ユダヤ人コミュニティがあり、彼らのシナゴーグの中には学校もあったといわれています。

バザルーには、「ミクヴェ」と呼ばれるユダヤ人の沐浴場があります。12世紀頃のものとされる、数少ないミクヴェです。浴槽に地下水や川からの水が入ってくる仕組みで、宗教儀式などに使用されていました。

ジローナ:中世カタルーニャ建築の名残が見られるバザルー
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977年に建設され、1160年に改装されたロマネスク様式の「サン・ペラ修道院」は、元々は巡礼者のための宿と病院として使われていました。北イタリアの影響を強く受けた正面ファサードが特徴的です。

<サン・ペラ修道院(Monestir de Sant Pere de Besalu)の基本情報>
住所:Placa del Prat de Sant Pere, s/n, 17850 Besalu, Girona
電話番号:+34-972-590225
営業時間:平日は、午前10時半から14時まで。週末は、午前10時半から14時までと、15時から18時まで。
アクセス:ジローナから車でC-66経由で約45分(約45キロ)

ジローナ:中世カタルーニャ建築の名残が見られるバザルー
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バザルー中心地では、毎週市場が開かれ、地元産の蜂蜜、野菜やナッツなどが並びます。
また、「ラタフィア」(Ratafia)というこの地方特有のリキュールをぜひお試しください。毎年コンクールも開かれるという伝統的なお酒です。ハーブの効いた甘めの味わいが、旅の疲れを癒してくれるでしょう。

ジローナ:サルバドール・ダリが愛妻に贈った邸宅プボル城

ジローナ:サルバドール・ダリが愛妻に贈った邸宅プボル城
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ジローナ郊外約25キロのところに、芸術家サルバトール・ダリが愛妻ガラに贈った「プボル城」という邸宅があります。ダリは25歳の時に出会った、10歳年上でロシア人のガラに夢中で、自身の作品のモデルとしても度々登場させており、まさしく彼にとっては女神のような存在でした。

1065年に建てられたというプボル城は1968年にダリに購入され、彼ら好みに大きくリフォームされました。ガラは1970年から80年まで、毎年夏をここで若い芸術家達と過ごしました。驚いたことに、ダリがここに自由に立ち入ることはガラより許されておらず、ダリは常に事前に訪問許可を取っていたということです。

ジローナ:サルバドール・ダリが愛妻に贈った邸宅プボル城
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プボル城のエントランスは、とても立派で、本物の馬の剥製がお出迎えしてくれます。また、天井まで美しい壁画が全面に描かれています。壁に並んで飾られている盾は、歴代ここに住んだ家族の紋章です。お城ということで、ガラの玉座まであり、その他のタンスや椅子に至るまで、ダリの作品やこだわりが詰まったインテリアばかりです。ダリがデザインし、ガラが着用したドレスも展示されています。

ジローナ:サルバドール・ダリが愛妻に贈った邸宅プボル城
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庭園には、ダリの作品にも度々登場する、象のオブジェや、ポルト・リガトで亡くなったガラをここまで運んだ車なども展示されています。また、地下にはガラの棺が収められています。ガラが1982年に亡くなってから、ダリは創作意欲を失い、このプボル城に引きこもる晩年を過ごしました。その他、オリジナルグッズを扱うショップもありますので、お土産にいかがでしょうか?

<ガラの館 プボル城(Castell Gala Salvador Dali de Pubol)の基本情報>
住所:Gala Dali, s/n, 17120 Pubol, Girona
電話番号:+34-972-488655
営業時間:公式サイトをご覧ください。
アクセス:ジローナから車でN-IIとC-66経由で約30分(約25キロ)

タラゴナ:スペインの米どころ!デルタ・デル・エブロ

タラゴナ:スペインの米どころ!デルタ・デル・エブロ
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自然豊かなタラゴナ県で是非訪れてほしいのは、「デルタ・デル・エブロ自然公園」という三角州状の湿地帯です。ここはエブロ川が地中海に流れ込む巨大なデルタ。米作りがとても盛んな地域で、約200年前にアジアから伝わった稲作を昔ながらの製法で生産しています。湿地全面に水田が広がる景観は圧巻です。

タラゴナ:スペインの米どころ!デルタ・デル・エブロ
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水田の真ん中にある宿泊施設では、ファームステイ経験をすることが出来ます。米作りを学んだり、水田の中を進む小さなボートに乗ったり、アラブ・カタルーニャスタイルのボウリングをしたりと、大自然の中でゆったりと流れる時間を過ごせます。

<デルタ・デル・エブロ自然公園(Delta de l’Ebre)の基本情報>
住所:Delta de l’Ebro
アクセス:バルセロナから地中海沿い南西に約180キロ。タラゴナの街を経由して、車で約2時間。

タラゴナ:眺望抜群の海上レストランでシーフードグルメ!

タラゴナ:眺望抜群の海上レストランでシーフードグルメ!
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デルタ・デル・エブロにある海上レストラン"Musclarium"をご紹介しましょう。ここは、ムール貝などを養殖している漁場上にあるため、ボートでないと行くことが出来ないというスペシャルなレストランです!

タラゴナ:眺望抜群の海上レストランでシーフードグルメ!
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遠くに見える天然塩の山を眺めながら、海上のデッキテラスでいただく生牡蠣は絶品です!また、地元産のコメ、そしてムール貝やタコをふんだんに使用したシーフードパエリアは、噛むほどに味わい深く、ここまで来て良かったと思えるはず。ムール貝は9ヶ月、そして牡蠣は2年もの長い養殖時間をかけて育てられています。

タラゴナ:眺望抜群の海上レストランでシーフードグルメ!
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また、カタルーニャにルーツを持つ、「アロス・ネグロ」もぜひご賞味ください。イカ墨を炊き込んだ、見た目がインパクトのある真っ黒なパエリアです。アリオリソース(にんにく風味のマヨネーズ)を添えて食べる濃厚な美味しさのご馳走です。

<Musclariumの基本情報>
住所:Bahia de los Alfaques Port Esportiu de, 43540 la Rapita, Tarragona
電話番号:+34-638-283986
営業時間:毎日午前11時から18時。
アクセス:タラゴナから地中海沿い南西に約100キロ。車でAP-7経由で約1時間。

タラゴナ:デルタに沈む夕陽は忘れられない思い出に!

タラゴナ:デルタに沈む夕陽は忘れられない思い出に!
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「デルタ・デル・エブロ自然公園」は、水鳥の生息地として重要な湿地の保存に関する国際条約であるラムサール条約に登録されており、95種以上にもおよぶ鳥たちの繁殖コロニーです。また、渡り鳥などを合わせると300種類以上ともいわれる鳥たちがここに集います。バードウォッチングで最も人気があるのがフラミンゴ。彼らの優雅な佇まいを間近で楽しむためにも、双眼鏡はお忘れなく!

タラゴナ:デルタに沈む夕陽は忘れられない思い出に!
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デルタの一帯は、地中海に沈む夕陽が美しいことでもよく知られています。夕陽が見える展望台で、カタルーニャのスパークリングワイン、カバを片手にロマンチックなひとときを過ごすのはとっておきの時間です!ロックバンドU2の"Vertigo"のミュージックビデオが撮影された砂丘もありますよ。

タラゴナ:デルタに沈む夕陽は忘れられない思い出に!
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海がお好きな方は、ぜひ、デルタで一番人気のビーチ「プラトハ・デ・ラ・マルケサ」(Platja de la Marquesa)を訪れてみてください。細かい砂浜が美しい、静かなビーチです。
その他、デルタでは釣りも盛んで、獲れるのはウナギ・ボラ・ヨーロピアンシーバスなどです。

<プラトハ・デ・ラ・マルケサ(Platja de la Marquesa)の基本情報>
住所:43580 Deltebre, Tarragona
アクセス:タラゴナより車でAP-7経由で約1時間(約80キロ)

最後に、カタルーニャの特産グルメについてご紹介!

最後に、カタルーニャの特産グルメについてご紹介!
提供元:the Catalan Tourist Board

この記事の中にも何度か出てきた「カバ」(Cava)は、カタルーニャで生産が盛んな、スペインを代表するスパークリングワインです。シャンパン、プロセッコと並んで、世界三大スパークリングワインとも称されます。

カバという名の由来は、カタルーニャ語で洞窟(Cave)という意味からきており、かつては熟成に洞窟を利用していたからと言われています。カタルーニャ固有のブドウ品種を使っており、穏やかで飲みやすいものが多いのが特徴。どんなカタルーニャ料理にもマッチするので、食事の際はぜひカバをオーダーしてくださいね。

最後に、カタルーニャの特産グルメについてご紹介!
提供元:the Catalan Tourist Board

「ブティファラ」(Butifarra)は、カタルーニャ名産の太めのソーセージです。一般的なソーセージと同じように豚肉を挽いて作るのですが、その特徴はソーセージなのに熟成させないということ。腸詰めにしたらすぐに茹でて冷やす調理法で作られています。白インゲン豆と煮込んで食べるのがカタルーニャ料理の定番ですが、サンドイッチにしたり、タパスとして楽しんだり、様々なバリエーションがあります。

最後に、カタルーニャの特産グルメについてご紹介!
提供元:the Catalan Tourist Board

カタルーニャには、素敵なワイナリーがたくさんあります。彼らが言うには、「ワインはただのアルコール飲料ではなく、伝統・エッセンス・地中海のDNAの一部」だということ。ワインが持つ堅苦しいイメージを捨てて、ご飯や音楽と共に気楽に楽しんで、その魅力を発見して欲しいという思いが込められています。

親しい人達とテーブルを囲んで、ご馳走と一緒に、"Bon profit!"
(ボン プロフィット:カタルーニャ語で「召し上がれ」の意味)

カタルーニャであなただけの体験をぜひ見つけてください

カタルーニャのそれぞれの地域の自然や文化、観光スポット、グルメをご紹介してきましたが、あなたの好奇心にぴたりと当てはまるものはありましたか?

州内すべてのエリアに、日帰りで気軽に遠出が楽しめるのは、ほど良くコンパクトな大きさのカタルーニャだからこそ。いつ、何度旅行に訪れても、新しい発見がたくさんある、カタルーニャにぜひお越しください!

【この記事は カタルーニャ州政府観光局 とのタイアップです】

※2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。


掲載内容は執筆時点のものです。
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