悠久の歴史と広大な国土を持ち、万里の長城をはじめとする世界遺産の宝庫でもある人気観光地、中国。大都市の北京や上海、貴重な遺跡が残る西安や成都、神秘的な大自然が広がる九寨溝、黄龍、武陵源など、国内に広がる多彩な観光資源で、幾通りもの旅を楽しむことができます。
元旅行会社スタッフで中国に何度も訪れたことのあるトラベルjpナビゲーター 木内つばめが、おすすめ観光スポットをご紹介します。
北京中心部にある「天安門」は、世界遺産に登録されている故宮(紫禁城)の正門であった場所。鮮やかな赤い城壁とオレンジの屋根、そして中央に毛沢東の肖像画を掲げた巨大な門は、写真や映像でもよく目にしますね。
1949年10月1日には、この門の楼閣から、毛沢東が中華人民共和国の成立を高らかに宣言し、現在でも中国を象徴する建造物です。
<基本情報>
住所:北京市西城区景山前街4号
アクセス:天安門東駅から徒歩約1分
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北京を代表する世界遺産「故宮」は、かつて紫禁城(しきんじょう)と呼ばれた世界最大の宮殿。1421年に南京から北京へと遷都し、それから20世紀の清朝滅亡まで歴代皇帝が暮らす居住空間かつ政治の中心地でした。清朝最後の皇帝を描いた映画『ラストエンペラー』では実際にロケ地ともなった名所です。
現在は故宮博物院として一般に公開されています。
<基本情報>
住所:北京市東城区景山前街4号
アクセス:天安門西駅から徒歩約10分
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北京にある、中国屈指と称される世界遺産の名園「頤和園」。18世紀、清朝の皇帝が母親の長寿を祝って造営した、北京最大の皇族庭園です。
園内にある万寿山の中腹に立つのは、八角三層の美しい仏香閣(ぶっこうかく)。約20mの基壇の上にそびえる高さ約36.5mの塔は、かなり見応えがあります。
<基本情報>
住所:北京市海淀区新建宮門路19号
アクセス:北宮門駅から徒歩約10分
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世界遺産にも登録されている「万里の長城」は誰もが知る世界的に有名な場所。総延長2万kmを超える世界最長の建造物であり、最古の防御壁とも言われています。北京市街地から比較的行きやすい八達嶺(はったつれい)長城は、特に城壁の保存状態が良いとされ、観光客に人気のスポットです。
<八達嶺長城の基本情報>
住所:北京市延慶県八達嶺特区
アクセス:北京市街地から車で約1時間
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東京やニューヨークの高層ビル群とは異なり、オリエンタリズムを感じる上海の高層ビル群。特に象徴的なのが「東方明珠塔(テレビ塔)」ですね!エレベーターに乗ると40秒で263mの高さにある展望台に到着し、夜には外灘の美しい夜景を見渡すことができます。
<基本情報>
住所:上海市世紀大道1号
アクセス:陸家嘴駅から徒歩約3分
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上海の街の中心部に位置する「豫園(よえん)」は、近代的な高層ビル群の中に残された古き良き中国を味わうことのできるスポット。ガジュマルの独特な形状をいかした椅子、72個の穴がある奇石などを見ることができます。
また小籠包の名店・南翔饅頭の本店が豫園に馴染むようにあり、観光ついでにしっかりグルメも堪能できます。
<基本情報>
住所:上海市 安仁街218号
アクセス:豫園駅から徒歩約10分
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上海の黄浦江遊覧船ナイトクルーズで、心もときめく素敵な夜by 結月 ここあ
地図を見る外灘(ワイタン・バンド)は、外国人居留地だった租界時代のレトロな洋館がたくさん残る場所。蒋介石が結婚式を挙げたという和平飯店には観光客にも人気のジャズバーがあり、ノスタルジックな雰囲気の中で演奏を聴くことができます。
夜になると外灘一帯がライトアップされ、ロマンチックな景色に一転。黄浦江(こうほこう)遊覧船のナイトクルーズに参加すれば、さらに美しい外灘の夜景を堪能できるでしょう。
<基本情報>
住所:上海市中山東一路
アクセス:南京東路駅から徒歩約7分
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中国庭園の魅力がここに!四大庭園・蘇州「拙政園」by 麻田 ユウミ
地図を見る上海から中国高速鉄道で約30分で行ける蘇州は、古き良き中国の街並みが残る都市。水の都と呼ばれる蘇州の目玉は庭園と運河沿いの散策です。
なかでも、中国四大庭園の一つ「拙政園」は、蘇州最大の明朝庭園。水の都にふさわしく庭園の約7割がなんと池!池の周りには自然の木々はもちろん、回廊、橋、東屋等があり、水面に映る景色ごと楽しめます。
<基本情報>
住所:江蘇省蘇州市東北街178号
アクセス:蘇州駅から車で約5〜10分
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中国には美しい古鎮(古い街並み)が何ヶ所もありますが、こちらの「西塘古鎮」は映画『ミッション:インポッシブル 3』で一躍有名になった場所。映画の終盤、トム・クルーズが煙雨長廊という全長1km以上続くアーケードを疾走するシーンなどが撮影されました。ここに来るなら、映画は観ておいた方がいいでしょう!
風情漂う街中で、お茶やちょっとした買い物も楽しむことができます。時間に余裕があれば、ぜひボートで遊覧もしてみてくださいね。
<基本情報>
住所:嘉善県西塘鎮
アクセス:上海からバスで約1時間
「黄山を見ずして山を見たというなかれ」中国水墨山水画の世界で魂が震える!by Mayumi Kawai
地図を見る中国の至宝「黄山」。雲海と切り立った山が織りなす神々しい景色は、やはり一生に一度は見ておきたいものですね。かつては修験者の修業の場であった険しい黄山ですが、今では山頂付近までケーブルカーで移動することができ、遊歩道も整備され、しっかり観光することができます。
写真提供:一元 馬 via flickr CC BY 2.0
<基本情報>
住所:安徽省黄山市黄山風景区
アクセス:黄山駅前から直行シャトルバスで約50分
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旧満州の玄関口「大連」 -旧日本橋から空中リフトまで‐by 飛騨屋 勘左衛門
地図を見るかつては旧満州の玄関口として水陸の交通要所だった都市・大連。戦後中国の東北地方として生まれ変わった現在も、異国情緒漂う街並みが特徴的です。
特に日本統治時代の面影が色濃く残るエリアが「中山広場」。現在も“大連賓館”として営業している旧ヤマトホテルや、1909(明治42)年竣工の“中国銀行大連分行(旧横浜正金銀行大連支店)”などを見ることができます。
<基本情報>
住所:大連市中山区
アクセス:中山広場駅からすぐ
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大地が燃える!奇跡のレッドビーチ「紅海灘風景区」中国遼寧省by Mayumi Kawai
地図を見る9月中旬から10月上旬のわずか1か月弱の間だけ真っ赤に燃えるような景色を見ることができる「紅海灘風景区」。通称“レッドビーチ”と呼ばれています。真紅の海の正体は、「マツナ」という葦の一種です。遼河デルタと呼ばれる三角州の一角が染まるのですが、途方もなく続いているように見えるところが、やはり中国サイズですね!
紅海灘風景区のある盤錦市はカニも有名なので、ぜひグルメも楽しんでしまいましょう!
<基本情報>
住所:遼寧省盤錦市
アクセス:大連から高速鉄道で約1時間半で盤錦駅へ。盤錦駅からは車で約1時間
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「秦始皇帝陵及び兵馬俑坑」は、世界中から観光客が押し寄せる人気スポット。1974年、農民が井戸を掘っていたとき偶然見つけた陶器の破片が兵馬俑坑の発見のきっかけとなりました。中国の長い歴史からすると、発見されたのはつい最近ですね。
最大の一号坑は長さ230m、幅62m、深さ5m、総面積1万4260平方メートル。整然と列を組んでいる6000体以上の歩兵の兵馬俑、40数台の木像戦車に圧倒されます。
<基本情報>
住所:西安市臨潼区秦陵北路
アクセス:西安市内から車で1時間ほど
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石柱が林立するアバターの世界!中国の世界遺産「武陵源」で地球規模の絶景を見ようby Kaycom D
地図を見る湖南省に位置する「武陵源(ぶりょうげん)」は、200mを超える石柱が約3000本も立ち並ぶ、珍しい光景が見られる場所。総面積は264平方キロメートルにも及び、石柱以外にも湖や渓流、鍾乳洞などさまざまな大自然の景観が楽しめます。
1992年には世界遺産にも登録され、映画『アバター』の惑星のモデルともなった武陵源。確かに、このような背景のシーンがありましたね。
<基本情報>
住所:湖南省張家界市武陵源区
アクセス:張家界市内から武陵源へは車で約40分
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重慶から西へ約90kmの大足県にある「大足石刻」。この地域に点在する石刻はおおよそ70カ所もあり、その中から、北山・南山・宝頂山・石篆(せきてん)山・石門山の5カ所が、世界遺産に登録されています。
見どころはたくさんありますが、約7年の大修復を経て2015年初夏に一般公開された、宝頂山の黄金に光輝く千手観音菩薩は必見です。
<基本情報>
住所:重慶市大足県
アクセス:重慶中心部から車で約2時間
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三国志・劉備玄徳が蜀の都と定めた古都・成都。その市内にあるのが、15世紀末に建立された諸葛孔明と劉備玄徳の祠堂「武侯祠」です。
ここには主君の劉備玄徳を含め、蜀の英雄たちの像が50体並んでおり、三国志ファンであればかなり興奮してしまうような場所。劉備玄徳は主君の証である笏(しゃく)を持ち、諸葛孔明は臣として笏は持たず、トレードマークの羽を持っています。像のさまざまな違いを見比べてみるのも面白いでしょう。
<基本情報>
住所:成都市武候祠大街231号
アクセス:高昇橋駅A出口から徒歩約10分
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地名にもなっている「都江堰」は、現存する世界最古の灌がい施設として有名な場所。今もなお現役で使用されているというから驚きですね!治水の仕組みがわかる展示などあるので、学びもあります。
安瀾橋と呼ばれる橋の上から、滔々と流れる岷江を眺めて、長い歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょう?
<基本情報>
住所:四川省成都市都江堰市都江堰景区
アクセス:都江堰駅から車で約25分
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四川省にはパンダの保護・繁殖・育成を目的とした施設がいくつかありますが、その中の一つが「中国パンダ保護研究センター都江堰基地」。約50ヘクタール(東京ドーム約10個分)の広大な敷地で、その中で約30頭のパンダたちがゆったりと生活している姿を見ることができます。
<基本情報>
住所:都江堰市青城山鎮石橋村
アクセス:茶店子バスターミナルから「都江堰客運」行きのバスに乗って約1時間30分。都江堰バスターミナルで乗り換え、路線バス「街子古鎮」行きに約40分乗車。「熊猫疾腔中心(熊猫楽園)」で下車。
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まるで色彩の宝石箱!紅葉に燃える中国の世界遺産「九寨溝」のおすすめスポットby Kaycom D
地図を見る四川省北部に位置し、森の中に青い湖沼が点在する「九寨溝」。四季折々の美しさを見せてくれる場所ですが、なかでも紅葉の時期は、鮮やかに色づく山々と青い水とのコントラストが見事!ため息が出るような世界が広がります。特に五花海では格別な景色を堪能できるでしょう。
<基本情報>
アクセス:成都空港から九寨黄龍空港まで約1時間
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まるで極上天然プール?四川省・世界遺産「黄龍の景観と歴史地域」by Saito Junso
地図を見る九寨溝とセットで訪れることが多い世界自然遺産「黄龍の景観と歴史地域」。石灰分を含んだ湧水が雄大な年月をかけて作り上げた棚田のような池。その池が太陽の光により照らされると神秘的な色を放ち、ここならではの水景色を見せてくれます。自然が築き上げた芸術に大感動することでしょう。
<基本情報>
アクセス:成都空港から九寨黄龍空港まで約1時間
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20元紙幣の景色も!中国桂林の世界遺産「漓江下り」の必見スポットby makana airi
地図を見る政治と経済、そして文化の中心だった桂林には重要文化財が多数ありますが、ここの名物といえば「漓江下り」。山水画の世界に入り込んだような景色は“漓江を見ずして桂林は語れない”と言われるほど。大型の船で4時間たっぷりと遊覧を堪能できます。
<竹江埠頭(フェリー乗り場)の基本情報>
住所:広西省桂林市雁山区
アクセス:桂林市内から車で約40分
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桂林や黄山と並ぶ中国の人気の景勝地「武夷山風景区」。世界複合遺産に登録されており、武夷山のみならず、武夷宮などの歴史的建物も併せて見学できる観光地です。特に美しい景観を味わえる“九曲渓”では、竹のいかだで川下りを体験することも。
見どころが多いエリアなので、ゆっくり見るなら泊まりがけがおすすめです。
<基本情報>
住所:福建省南平市武夷山市
アクセス:上海虹橋空港から武夷山空港まで約1時間15分。タクシーで武夷山北駅もしくは東駅まで移動し、駅前からバスで約40分で武夷山景区入口到着
ベトナムやラオス、ミャンマーなどと国境を接する、中国南西部の内陸に位置する雲南省の「麗江」。旧市街ではチベット、雲南の少数民族の影響を受けてできた独自の街並みを見ることができます。街一面に広がるかわら屋根は、この付近の土を利用して造られたもの。
街の全景を見下ろしたければ、ぜひ獅子(しし)山の山頂にある万古楼へ。高さ33mの五層の建物からは、“かわらの海”と呼ぶにふさわしい光景が眼下に広がります。
<基本情報>
住所:雲南省麗江市
アクセス:上海から麗江へは飛行機で約3.5〜4時間
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チベットの中心地である「ラサ」は、“神の地”という意味を持つ場所。白宮は歴代のダライ・ラマの居住区となっていたため、チベットの人々は神の住む場所として神聖視されていました。
ラサ観光で外せないのが、世界遺産でもあるポタラ宮。ポタラ宮は単体としては世界最大級の建築物であり、その内部にある壁画、霊塔、彫刻や観音像は美しく、宮殿全体が芸術作品のようになっています。
<基本情報>
住所:チベット自治区ラサ市
アクセス:成都からラサまで飛行機で約2時間30分
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中国と中央アジアを結ぶシルクロードの要衝だった「敦煌」。砂漠の中のオアシスを体感させる鳴沙山に月牙泉など、ロマン溢れる見どころが満載です。
敦煌市内からバスで30分程のところにある世界文化遺産・莫高窟は、仏教美術の巨大博物館とも言える大石窟から“砂漠の大画廊”の異名も。断崖に掘られた坑の数は500近くもあります。
<基本情報>
住所:甘粛省敦煌市
アクセス:北京から敦煌まで飛行機で約3時間強
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新疆ウイグル自治区に位置するトルファンは、昔からシルクロードの要衝として栄えてきました。その市街地から西に約10kmの所に、トルファンの観光スポットの一つであるオアシス都市国家の遺跡「交河故城」があります。
紀元前に造られた最古級の版築(土を強く突き固めた建築方法)で築かれた都市遺跡は、2014年に世界遺産に登録。ここにどういった暮らしがあったのか興味がそそられます。
<基本情報>
住所:新彊稚吾爾自治区吐魯番市毓嵐街2号
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世界遺産「開平楼閣の村落」は、市街地ではなく田んぼのど真ん中にマンションが点々としている、なんとも奇妙な場所。近づいて見ると中華なのか西洋なのか、はたまたイスラム様式なのか、理解を超えたミックステイスト。実はここ、中国華僑の歴史と文化から生まれた建築群。現在も1800棟以上の望楼が開平に残っており、エリアによって少し特徴が異なります。
マカオから日帰りで行けるような場所なので、この独特な雰囲気を味わいに訪れてみては?
<基本情報>
住所:広東省開平市
アクセス:マカオからバスで約2時間
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一生に何度も訪れないと見切れないほどにたくさんの名スポットがある中国。主要都市の北京、上海の旅を経験したら、中国のもっとディープな部分にじわじわと触れていきたいですね!日本との時差が少なく、大都市であれば直行便でサクッと渡航できるので、ぜひその場所が最も楽しめる時期に訪れてみてくださいね。
2024年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
(文:トラベルjpナビゲーター 木内つばめ)
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(2024/10/16更新)
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