バルカン半島の中心に位置するセルビア共和国は、1990年代のユーゴスラビア崩壊後に独立した国。北海道とほぼ同じ面積の国土を持ち、豊かな歴史のもと、多様な文化を育んできました。政治・経済の中核となる首都ベオグラードは、歴史的な建造物などユーゴスラビア時代の遺産も残るエリア。ドナウ川が奏でる自然景観も、実にドラマチックです。インフラも整いつつある今、ヨーロッパの秘宝のようなセルビアを訪れてみませんか?
トラベルjpナビゲーターが現地取材した情報を基に、セルビア旅行で外せない人気観光スポットをご紹介します。
首都ベオグラードは、中央ヨーロッパを流れるドナウ川、そしてバルカン半島を流れるサヴァ川の合流地点にできた要塞から発展してきた町。その要塞跡は現在、「カレメグダン公園(ベオグラード要塞)」として親しまれています。公園の頂上付近からは、ドナウ川とサバ川の合流地点を一望することも可能。
ベオグラードという名前はセルビア語で“白い町”の意味。公園内には石灰岩の白い城壁が数多く残っています。広大な敷地には2つの教会、拷問博物館、軍事博物館、自然史博物館、美術館、動物園、遊園地、ドリナの橋を立てた宰相の水飲み場などがあり、ここを訪れるだけで多様な観光を体験できます。
<基本情報>
住所:Terazije 3/V 11000,Kalemegdan Park,Belgrade
電話番号:+381-11-2620685
アクセス:バスまたはトラム Kalemegdan 停車場下車すぐ。あるいは共和国広場から徒歩15分
公式サイト(外部リンク)
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ベオグラードは旧ユーゴスラビア圏最大の都市。市内中央を流れるサヴァ川の西岸が新市街で、東岸が「ベオグラード旧市街」です。新市街には近代的なビルや住宅街、ショッピングセンターが多くある一方、旧市街は歴史的見どころが集まるエリア。
宮殿跡の建物、教会、劇場、博物館、公園などが点在し、立ち並ぶ建物は非常に多彩。破壊と再建を繰り返してきたため、街の景観から複雑な歴史が見て取れます。
<基本情報>
アクセス:ニコラ・テスラ空港からタクシーで約30分、市バスであれば50分以上
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ベオグラードのランドマーク的存在である「聖サヴァ教会」は、初代セルビア大主教・聖サヴァによって建てられたもの。1594年、オスマン帝国将軍によって聖サヴァの遺体が焼かれてしまいましたが、その報復が行われたのが教会が建っている場所。そのため、セルビア人にとって非常に特別な場所です。
世界で2番目に大きい正教会聖堂で、外観は半円球のクーポラが目立つビザンチン様式、内部は荘厳で絢爛豪華な装飾が施されています。正教の方式に従った祭壇やイコン(聖画像)をはじめ、モザイク画やフレスコ画などが多く、見所は地下部分にまで及びます。
<基本情報>
住所:Krusedolska 2a, Belgrad 11000
電話番号:+381-11243-2585
アクセス:バスまたはトラム「Karadjordje’s Park」下車
公式サイト(外部リンク)
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ベオグラードの目抜き通りと言えば「クネズ ミハイロバ通り」。歩行者天国のショッピング街で、多くの人で賑わうストリートです。かつては通りの両側にベオグラードの富豪たちの邸宅が立ち並んでいたことから、1870年代に建てられた象徴的な建築物が風情を醸し出しています。貴重な場所であるため、最重要エリアとして法律で保護もされています。
古い歴史的建物や教会に混ざって、高級ブランドショップやカフェ、骨董品店などがあるので、買い物や食事も交えて充実した散策ができるでしょう。
<基本情報>
住所:Knez Mihailova Street Beograd
公式サイト(外部リンク)
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セルビアの第二の都市ノヴィ・サドの象徴とも言える「ペトロヴァラディン要塞」。1692年から88年もの歳月をかけて完成した巨大要塞で、ドナウ川を見下ろす眺めのよい丘の上に立地しています。
要塞内部には複雑に続く地下トンネルがあり、ガイドツアーで見学することが可能。要塞の一部はアートスペースとしても利用されているほか、音楽フェスティバルが毎年開催されるなど、多方面で活用されています。
<基本情報>
住所:Sat, Tvrdava BB Petrovaradinska tvrdava, Petrovaradi
アクセス:ベオグラードからノヴィ・サドまで直通バスで約1時間半
ペトロバラディン要塞の対岸にある「ノヴィ・サドの旧市街地」は、聖処女マリア教会や市庁舎、セルビア国立劇場などの古い建築物が並ぶ趣あるエリア。1848年革命の際に多くの建物が破壊されましたが復興し、ほとんどの建物は19世紀のものになります。
旧市街地の中心となるスロボデ広場にはお土産屋やカフェもあり、絵になるようなスポットです。
<基本情報>
住所:Novi Sad Old Town
アクセス:ベオグラードからノヴィ・サドまで直通バスで約1時間半
中世に建てられた「ゴルバツ要塞」は、幾度も戦争の舞台となった場所。役割の異なる10の塔と宮殿で構成された壮大な要塞です。
ドナウ川に浮かぶような立地にあり、豊かな自然とともに要塞が佇む姿はもちろん、要塞から望む景色も圧巻。重厚な内部を見学することもでき、ガイドツアーでも個人でも巡ることができます。最新技術を駆使した展示によって、セルビアの歴史をわかりやすく学べるスポットです。
<基本情報>
住所:Golubac Fortress, Golubac, Serbia
アクセス:ベオグラードから車で約3時間
公式サイト(外部リンク)
1190年にネマニッチ王朝の創始者であるステファン・ネマニャによって創設された「ストゥデニツァ修道院」。ユネスコの世界遺産にも登録されている、東方正教会の歴史を象徴する建物です。
修道院の中心にある聖母教会は、大理石を用いた美しい建築物で、動物・植物をモチーフにしたレリーフに視線が奪われます。内部には13〜19世紀にかけて描かれた多数のフレスコ画が残されており、1209年に描かれた“ハリストスの磔刑”はセルビア中世美術の最高傑作とも言われている作品です。
<基本情報>
住所:Studenica Monastery, Brezova 10b, Kraljevo
アクセス:ベオグラードから最寄駅のウシェキエ駅まで列車で約4時間
公式サイト(外部リンク)
セルビア南西部のリゾート地、ズラティボルの近くにある「ストピチャ洞窟」。地下に広がる奥行き約1.6kmの洞窟で、日本の鍾乳洞のように狭い通路が入り組んだものではなく、高さのある開放的な空間が特徴。その規模は人が小さく感じられるほどのものです。
石灰岩地質による鍾乳石や天然の階段状プールや滝などがあり、ライトアップによってさらに神秘的な姿に。まさに自然の芸術品と言えるでしょう。
<基本情報>
住所:Stopic Cave、230、Zlatibor
電話:+381-031-841646
アクセス:ズラティボルの中心地から約19km
公式サイト(外部リンク)
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ボスニア・ヘルツェゴビナとの国境を流れるドリル川には、知る人ぞ知る珍スポット「ドリナ・リバーハウス」があります。2012年発刊のナショナル・ジオグラフィック誌“今月の一枚”として紹介されたのがきっかけで、注目を浴びるようになりました。
川のほぼ真ん中にポツンと浮かぶ掘っ建て小屋は、1968年に地元の少年たちが川遊びの休息の場として岩の上に屋根を設置したことが発端と言われています。過去6回ほど大雨による川の氾濫で押し流されてしまったものの、その都度建て直し、2011年以降は現在の姿を維持。設立メンバーだった少年らの一人がオーナーとして小屋を管理しているそうです。
<基本情報>
住所:River Drina, Bajina Basta, Serbia
アクセス:首都ベオグラード(Beograd)からバイナ・バシュタ(Bajina Basta)までは直行バスで約4〜5時間、もしくはセルビア西部の観光拠点であるウジツェ(Uzice)からはバスで約1〜1時間半。バイナ・バシュタの町の中心からは川方面へ北に約1.5km歩くと到着
公式Facebook(外部リンク)
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欧州最古の国の1つであり、21世紀初頭まで栄えたユーゴスラビアの首都があったセルビア。数々の局面を経て繋がれてきた建築物、文化に現在もこうして触れられるというのは、実に感慨深いものですね。日本人にはまだまだ馴染みのない観光地だからこそ、先陣を切ってその魅力に迫ってみてはいかがでしょう?
ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、北マケドニア、アルバニア、コソボ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアと多くの国と接している内陸国なので、周遊旅行にもぴったりですよ!
2025年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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