夜空にマグロが!!漁師気分で楽しむ焼津のプラネタリウム

夜空にマグロが!!漁師気分で楽しむ焼津のプラネタリウム

更新日:2017/05/18 16:18

安藤 美紀のプロフィール写真 安藤 美紀 おこもり温泉宿探求家、おいしいもの探検家
マグロを求めて、大海原へ出港ですーー。これは、マグロ漁に出るときの掛け声…ではなく、プラネタリウムのアナウンス。
静岡県焼津市の「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」では、2017年4月22日〜7月16日の間、マグロ漁船から星空鑑賞ができる新しいプログラムを実施。「漁師気分になれる!」と話題になっています。マグロと寄り添ってきた街 焼津ならではのユニークなアイデア。わくわくが止まりませんよ。

科学・星空学習の聖地「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」

科学・星空学習の聖地「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」

写真:安藤 美紀

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「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」は、プラネタリウムをはじめとして、東海地区最大級の大型天体望遠鏡など、宇宙と科学の謎を解くためのアイテムが充実した施設。プラネタリウムはいたる所にありますが、「天文科学館」とうたっている施設は、実は日本に数軒しかありません。

もともとは、焼津市出身の天体望遠鏡製作者 法月惣次郎(のりづき そうじろう)さんが電波望遠鏡を作り、その望遠鏡づくりの技術が評価されたのが、この施設が誕生したキッカケ。3F展示ロビーでは、法月惣次郎さんの業績を知ることができます。また、科学館前には、法月さんが作った電波望遠鏡があり、実際に自分の目で見ることができます。

そんな「法月惣次郎」さんの功績は大きく、地元ではかなり有名。焼津市に「法月」という名字が多いのは、ちょっとしたトリビアです。

「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」は、子どもたちが勉強で使う教育施設として、静岡を中心に年間約250校もの学校を受け入れているそう!週末になると科学の実験ショーも開催。子どもたちが科学や星空を探求できる場所になっています。

科学・星空学習の聖地「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」

写真:安藤 美紀

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施設のすぐ隣は田尻浜海岸。その先に広がるのは駿河湾です。海水浴はできませんが、遊歩道が波打ち際まで整備された自然公園になっていて、のんびりお散歩するのに最高!

「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」にちなみ、歩道の一部に星座の座標が埋まっているところがあります。お時間のある方は探してみてください。

星空の先にあるのは…マグロの世界!?

星空の先にあるのは…マグロの世界!?

写真:安藤 美紀

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それでは、ここからプラネタリウムの新プログラム「出航!マグロ漁船で南半球星空巡り」についてご紹介してきましょう。

このプログラムは、「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」20周年記念により制作された45分間のプログラム。前半部分は今夜の星空、そして後半はマグロ漁船から見る星空鑑賞を体感できます。

インドネシア、南アフリカ…と実際のマグロ漁船と同じ航路を辿りながら、南半球の星空を鑑賞。プログラムは焼津漁協組合が監修しているから、けっこうリアル。気分は漁師さんです!

星空の先にあるのは…マグロの世界!?

写真:安藤 美紀

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ミナミマグロは一体どこで穫れるのでしょう。…このプログラムでは、ミナミマグロ漁の基本から分かりやすく教えてくれます。

実際に鑑賞してみれば、「へえー!」という豆知識の連続。

例えば、ミナミマグロは長い縄を張る「はえ縄漁船」で漁に出るそうですが、この縄の長さ、なんと120kmもあるそう!そして、餌は冷凍のイカなどが多いとか。

星空の先にあるのは…マグロの世界!?

写真:安藤 美紀

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プログラムの後半はCGを織り交ぜながら、大迫力の映像を楽しむことができます。焼津の港を出た船は一路南へと向かいますが、赤道より南の南極海に近付くと、海が大荒れに…!!

このシーンは海の動きが立体的でスゴい!まるで本当に船に乗っているような臨場感と映像美を味わえます。

焼津の姉妹都市「ホバート」にも寄り道

焼津の姉妹都市「ホバート」にも寄り道

写真:安藤 美紀

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プログラムでは、焼津の姉妹都市、オーストラリアのタスマニア島にあるホバート市にも立ち寄ります。ホバートはその昔、マグロ漁船の寄港地だったことから、焼津市と姉妹提携を結びました。現在では立ち寄らなくなりましたが、かつて焼津をはじめとした日本のマグロ漁船で賑わっていたそう。

ホバートはシドニーに次いで2番目に古い街。そして、ここは1年中、南半球の星座である南十字星を見ることができる素敵な街なんですよ。本プログラムでは、ホバートから見た星空も楽しむことができます。

<出航!マグロ漁船で南半球星空巡り>
■投影時間 平日15時、土日祝13時と15時

焼津の姉妹都市「ホバート」にも寄り道

写真:安藤 美紀

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最近のプラネタリウムは進化していて、本物を超えた夜空を作り出すことができます。しかし、本物の夜空を追求するのが、「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」の大きな特徴。つまり、星の数を増やしすぎない。地上から人が見える「最大限の能力」をプラネタリウムで再現しているのです。

星の数で言うと、36万個くらいだとか。リアルな星空だからこそ、受け取った側も身近に感じられて、感動が広がっていくのではないでしょうか。

東海地区最大級の大型天体望遠鏡を体験しよう

東海地区最大級の大型天体望遠鏡を体験しよう

写真:安藤 美紀

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プラネタリウムと同じく人気があるのが、施設5Fで行われる天文台見学会と星空観望会です。

「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」では、口径80cmという大型天体望遠鏡を使った見学会を毎日行っています。実はこの大型天体望遠鏡が、法月さんの最期の作品になりました。この望遠鏡は今も現役で大活躍!天気が良ければ昼間でも星をみることができるんですよ。

■天文台見学会(当日申し込み)
・平日 13時と16時
 土日祝 13時、14時、15時、16時
・料金は無料
・天体望遠鏡や設備の紹介

■土日…星空観望会(1ヶ月前から事前予約可能)
・土日祝 19時から20時30分
・料金は100円
・プラネタリウムで今夜の星空を確認した後、望遠鏡を使った天体観察や、屋上での星座探しを行います。

東海地区最大級の大型天体望遠鏡を体験しよう

写真:安藤 美紀

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そしてもう一つ。「ディスカバリーパーク焼津」のエレベーターには、ある秘密が!

エレベーターが動き出すと電気が消え、ブラックライトに反応してうっすらイラストが浮かび上がります。このイラストは、「千年女王」というアニメ作品のキャラクター。

実は「ディスカバリーパーク焼津」の名誉館長は、宇宙をテーマにした作品を作る漫画家 松本零士さんなんです。エレベーターも、宇宙空間になっていてドキドキできますよ。

プラネタリウムを見たら、ミナミマグロを食べに行こう

プラネタリウムを見たら、ミナミマグロを食べに行こう

写真:安藤 美紀

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プラネタリウムを満喫したら、おいしい焼津のミナミマグロを食べにいきましょう。

CGドーム出口には、焼津市水産振興会が作成した「ミナミマグロを食べられるお店」のチラシが置かれています。

色鮮やかな美しい赤身のため、「赤いダイヤ」と絶賛されるミナミマグロ。魚が苦手という人でも食べられるほど、臭みがまったくありません。ミナミマグロは安定感抜群で、どこで食べてもまずハズレがない魚。特に中トロは最高!口の中に入れた瞬間、とろけます…。

大人も子どもも楽しめる「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」

焼津といえば、「カツオの漁獲量日本一」で有名ですが、高級マグロと言われるミナミマグロも有名です。今回のプログラムは、マグロの街 焼津が生んだ驚きと感動の連続!大人も子どもも楽しめて、勉強にもなりますよ。

また、「ディスカバリーパーク焼津」は、プラネタリムをはじめとして展望台など、車椅子の人でも入れるように設計されているのも嬉しいポイントです。

掲載内容は執筆時点のものです。

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