遥か昔の沖縄の人達は、水平線の彼方に幸福な世界、理想郷「ニライカナイ」があると信じていました。その「ニライカナイ」から神が訪れて、幸せをもたらしてくれる、そう祈りを捧げていた聖地が現在一つの神社へと姿を変えています。それが海に突き出した断崖の上に立つ「波上宮」です。
その名の通り、青い海の上に浮かぶかのような「波上宮」は、琉球王国から王府から特別の扱いを受けたという「琉球八社」の最高位に位置する、由緒ある神社でもあるのです。
写真:bow
地図を見る那覇港と那覇泊港の間、那覇市内唯一のビーチでもある波の上ビーチに隣接する断崖上に立つ「波上宮」は、沖縄県の一大オフィス街でもあり経済の中心部でもある久茂地からも程近い場所にあります。
迫力のある一の鳥居がお出迎えし、短いながらも石畳の参道が。ここだけを切り取ると沖縄であるようには思えない「波上宮」は沖縄総鎮守でもある神社なのです。
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地図を見る琉球王国時代から信仰を集めてきた「波上宮」ですが、沖縄県民は「なんみんさん」の名で呼び親しんでいます。特にお正月の初詣は沖縄でも随一の参拝客が。また節分や5月17日のナンミン祭でも多くの参拝者で賑わいます。
沖縄らしい拝殿は美しい朱塗りが目に眩しい、南国らしいたたずまい。祀っているのは熊野三所権現で、沖縄といえば独自の御嶽(うたき)信仰が盛んな土地ですが、なぜか熊野権現を祀る神社が多いのが特徴的です。
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地図を見る海上交通、豊漁、豊穣、安産、家内安全、延命長寿の神として地元民に崇敬を受けている「波上宮」は、近年増加する外国人観光客にも人気を呼んでいて、観光バスで訪れる団体ツアーも珍しくありません。
そんな「波上宮」にあるおみくじは日本語、英語、中国語(簡体字)、台湾語(繁体字)となんと4か国語対応!なんと、こんなところまでグローバルな時代なのですね。逆に本土の神社も見習いたい点かもしれませんね。
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地図を見る「波上宮」の直下には那覇市内唯一の海水浴場である「波の上ビーチ」があります。実は人口のビーチではありますが、やっぱりここは沖縄。都会にあるにもかかわらず、きれいな海を堪能できます。
また、ビーチ裏手には展望台もあり、港の風景も一望できます。「波の上ビーチ」は沖縄から帰る間際の“最後の観光地”としてもよく知られていますが、せっかくこのビーチまで来たのなら「波上宮」も一緒にお参りしましょう。
沖縄の旅行ガイドブックを見ても「御嶽」は載っていたとしても、神社が載っているものは多くありません。確かに沖縄に旅行で行ったところでなかなか神社に行こう!などとは思いつかないかもしれませんが、「波上宮」は非常に沖縄らしい神社として訪れる価値は十分にあり!御守りも沖縄っぽい可愛らしい柄が揃っていますので要チェックですよ!
この記事を書いたナビゲーター
bow
京都生まれ、京都育ちの生粋の京都人です。仕事で全国を飛び回り、京都の良さを再認識したため、京都の観光に携わる仕事をしています。全国を旅した経験と、観光業界に生きる人間としての視点、更には京都人ならでは…
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