マニアック旅なら皇居東御苑へ!「江戸城」の石垣こんなに違うの?

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マニアック旅なら皇居東御苑へ!「江戸城」の石垣こんなに違うの?

マニアック旅なら皇居東御苑へ!「江戸城」の石垣こんなに違うの?

更新日:2018/02/07 19:09

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア、観光ライター

東京駅からほど近く、現在は「皇居東御苑」として知られているこの場所には、約260年続いた徳川家の居城「江戸城」の中心部がありました。日本史上最大の城郭といわれた江戸城。その大きさは南北約3.5キロ、東西約5キロあり、一般的な大名の70〜100倍もあったといわれています。すごいのは広さだけじゃない!種類豊富な石垣を巡るマニアックな旅にでかけてみましょう。

(1)石垣の「積み方」から見る

(1)石垣の「積み方」から見る

写真:いなもと かおり

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石垣は、石の「加工」と「積み方」によっておよそ6種類に分けることができます。

積み方は2パターン!
横の目地を揃えているのが「布積み」。大小さまざまな石を積み上げているのが「乱積み」です。乱積みは、一見簡単なように思われますが、積む技術を要し、さらには何百年も持ちこたえる高度な積み方となります。

石垣の積み方の違いを見るならば、梅林坂の石垣がオススメです。左側の石垣は目地が揃っていないため<乱積み>と呼ばれる積み方です。

(1)石垣の「積み方」から見る

写真:いなもと かおり

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一方で、横の目地が通った<布積み>は、東御苑内の多くの場所で見ることができます。特にオススメは、中之門から白鳥濠へと向かう途中の石垣です。

この石垣はアートともいえる美しさ!石垣を積んだ人の美的感覚を感じることができますよ。

(2)石垣の「加工」から見る

(2)石垣の「加工」から見る

写真:いなもと かおり

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石垣の加工は、3種類に分けることができます。

<打込みハギ>
白鳥濠の石垣の加工は「打込みハギ」といって、石同士の隙間を減らすために、角や面を叩いて平たくした石を使用しており、文禄年間(1592 ~96)以降に発達したといわれています。
ちなみに、積み方は目地が揃っていないので「乱積み」です。

(2)石垣の「加工」から見る

写真:いなもと かおり

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<切込みハギ>
大手三之門、同心番所付近にある石垣です。
石の加工は、慶長5(1600)年以降に発達した「切込みハギ」という技法。切込みハギよりもさらに登りにくくするために、石をきれいに加工して隙間ができないように積まれているのが特徴です。なお、積み方は目地が揃っている「布積み」。並びは美しく壮大です。

(2)石垣の「加工」から見る

写真:いなもと かおり

<野面積み>
打込みハギや、切込みハギよりへと発展する前の「野面(のづら)積み」は、加工していない自然の石を利用した石垣です。石同士の間に隙間ができるため敵兵が登りやすいというデメリットがあります。

実は、皇居東御苑内には野面積みの石垣が見られません。写真は、徳川家康が江戸へ入る前、1570年に築いた静岡県の浜松城。天守台を築いたとされるのは家康の後に入城した堀尾氏ですが、野面積みの石垣です!

(3)石垣に見られる3つの秘密

(3)石垣に見られる3つの秘密

写真:いなもと かおり

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<算木積み>
汐見坂より北側、梅林坂へ向かう途中にある石垣です。

石垣の隅には知恵と工夫が見られます。隅部を観察すると長辺と短辺の石を交互に乗せていることがわかりますね!これは「算木積み」といって、強度を増すための工夫です。

(3)石垣に見られる3つの秘密

写真:いなもと かおり

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<化粧>
石の表面にも注目してください。縦線または横線が入っていますね。これは「化粧」といって、石の表面を見栄え良く見せるために、ノミで打ち欠く仕上げをしていました。線状の化粧は「すだれ仕上げ」といいます。江戸城以外でも見られますが、慶長5年(1600)年以降に築城され、富と栄光を手に入れた大名の城に施されていたようです。

(3)石垣に見られる3つの秘密

写真:いなもと かおり

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<刻印>
石垣をみると表面に「○(丸)・□(四角)」などといったマークが見つけられますね。江戸城は、天下普請といって全国の諸大名に土木工事を行わせ築かれた城です。江戸には材料となる石が少なく、伊豆半島をはじめ遠方の土地から運ばれてきました。

刻印は、他の藩が運んで来た石と混ざらないようにするためとも、自身の藩がどこを担当したか明確にするために刻んだともいわれています。皇居東御苑内でも様々な場所で刻印を見つけることができますが、特に天神濠付近は刻印の宝庫なので探索してみて下さいね。

(4)江戸城最大の見どころ「天守台」

(4)江戸城最大の見どころ「天守台」

写真:いなもと かおり

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明暦の大火(1657年)で消失してしまった最後の天守は、三代・家光が建てたもので15階建てのビルに匹敵する高さといわれています。日本史上最大の高さ!天守台は4代目天守を築くために積み直されましたが、天守が築かれることはありませんでした。

また、天守台の特徴といえば巨石。とにかく大きい!
隅にある石(算木積みの石)は、最大のもので長さ4.5メートル×横2メートル×高さ2メートルもあります。ちなみに、天守台は「切込みハギ(加工)」の「布積み(積み方)」です。なんと美しくかっこいいのでしょうか!!!

(4)江戸城最大の見どころ「天守台」

写真:いなもと かおり

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石垣はモザイク模様。石垣の表面は、打ち削って細かな模様をつけた「はつり仕上げ」と呼ばれる石垣の化粧が施されています。

よく観察すると天守台の石垣は、上に向かって3段づつ小さくなり積まれています。これも先人の知恵!バランスを保とうと試行錯誤した意図がうかがえますね。

(5)燃えちゃった?!火事が多かった江戸城の歴史〜中雀門〜

(5)燃えちゃった?!火事が多かった江戸城の歴史〜中雀門〜

写真:いなもと かおり

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江戸城の貴重な構築物の数々は、江戸時代の火事や、度重なる震災、さらには戦時中の空襲で失われ大きな被害を受けました。

1863年の本丸御殿の火災の際、中雀門にある石垣も熱によって表面が黒く焼けてしまったそうです。築城された初期の頃、火災の被害にあった幕末、そして今。こうして、石垣を見ていると歴史の繋がりを感じるものがありますね。

マニアックだからこそ面白い石垣巡り

城を巡ると、過去の遺産をたくさん見つけることができます。普段は、石を一点一点、意識して見る機会は少ないのではないでしょうか。穴が開く程よく見ると、それぞれが個性的で美しい。かつての偉人の思考を読み取るきっかけにもなります。

皇居東御苑は入園無料!入園可能時間は、関連MEMOにリンクしたサイトでご確認ください。きっと城が好きになるマニアックな旅にLet’s go!!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/07/16 訪問

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