写真:下川 尚子
地図を見る楫取素彦は、吉田松陰の盟友にして、主人公・杉文の二番目の夫となった人物。明治維新ののち、楫取は群馬県の県令(知事)としてその能力を発揮し、群馬の産業・教育の振興に尽力しました。
臨江閣(りんこうかく)は、楫取の呼びかけにより、地元有志や銀行の寄付で建てられた迎賓館。多くの皇族方が滞在された歴史を持ちます。本館の「臨江閣」と書かれた扁額は、楫取素彦の書なのだとか。
名県令と称された楫取ですが、明治17年に惜しまれつつその職を辞すこととなります。そのときに送別会として使われたのが、完成した直後の臨江閣本館でした。この送別会は、数千人もの人が集まった大きな会となったそうです。
写真:下川 尚子
地図を見る臨江閣の敷地内には、迎賓館として誕生した本館、茶室、明治42年に建設された別館、そして回遊式の日本庭園が整備されています。それほど広い敷地ではありませんので、ぐるりと見学するだけなら30分ほどで回ることができます。
茶室は、県令としての職を辞する際、地元の人々の支援に感謝した楫取が中心となり私財を投じて建設し、前橋市へ寄付したもの。前述の送別会のエピソードとともに、楫取が地元・群馬の人々に愛され、楫取自身もまた、第二の故郷として大切にしていたことがうかがわれます。
本館・茶室は県指定、別館は市指定の重要文化財となっています。美しい日本の建築を楽しみましょう。
写真:下川 尚子
地図を見る「花燃ゆ」放送期間中限定で、館内にはカフェと物産館がオープンしています(平成28年1月31日まで)。物産館では、群馬の名産こんにゃくを使ったお菓子などが手に入り、ちょっとしたお土産にはぴったり。期間限定カフェ「かふぇ あんきな」では、コーヒーやお茶、和菓子などがいただけます。
窓からは庭園が眺められます。景色を楽しみながら、ゆったりと時間をお過ごしください。
写真:下川 尚子
地図を見るおすすめのメニューは、「維新コーヒー」と和菓子のセット。明治時代に飲まれていたコーヒーの味については諸説ありますが、こちらはシナモンと三温糖を使って現代風に再現。上品な甘さとシナモンの香りが心地よく、維新の時代へ誘われるよう。
維新コーヒー・緑茶を和菓子とセットで頼むと、陶器の茶碗で提供されます。こちらは、萩焼の窯元・萩陶苑のもの。飲んだあとはお土産として持ち帰ることができます。もちろんこれは、「花燃ゆ」の地、萩にちなんだチョイス。「かふぇ あんきな」という名前も、萩周辺の方言で「のんきな」という意味なんですよ。
写真:下川 尚子
地図を見る館内の見学が終わったら、ぜひ外の日本庭園も歩いてみましょう。時期によっては桜や紅葉、雪景色など、四季折々の姿で目を楽しませてくれます。
写真には写っていませんが、庭園をぐるりと回った先にあるのが茶室。現在、楫取素彦の号をとって「畊堂庵」(こうどうあん)と命名されています。
臨江閣は無料で開放されています。楫取素彦ゆかりの地として見学するのはもちろんのこと、日本庭園をお散歩したり、カフェでお茶だけ楽しんだりと、思い思いの過ごし方が可能です。
文化的行事の会場として使用されることもあり、過去にはライトアップイベントや、インテリア店とのコラボイベント(スタイルズスタイルワークス)の会場となったことも。こうした意外性のあるイベントでは、また違った臨江閣の魅力を発見できることでしょう。
また、この臨江閣から徒歩7〜8分、群馬県庁昭和庁舎に「ぐんま花燃ゆ大河ドラマ館」がオープンしています。楫取素彦のことがさらに詳しくわかりますので、ぜひ、そちらにも足を運んでみてくださいね。ドラマ館についてのガイドは、下記リンク【群馬・前橋はもうひとつの舞台!「ぐんま花燃ゆ大河ドラマ館」】をご覧ください。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/13更新)
- 広告 -